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政治講座ⅴ1722「中国の過剰債務と過剰生産投資」

  GDPを上げるための財源無き過剰債務による過剰生産設備は国家を滅ぼす。秦の始皇帝の作った万里の長城や兵馬俑など無用のインフラ設備投資で民衆に重税を課して重労働と刑罰を科して破綻したことは否めない。
中国共産党での幹部候補は「GDPの実績」が出世の登竜門のようである。このようなつまらないGDPと賄賂・不正着服で出世した国は亡びるのである。温故知新。
そして、規模の経済のデメリットは以下の通りである。
 規模を拡大しすぎると、増産のための新たな設備やスタッフなどが必要になり、コストがあがる
 生産量に波がある状態を繰り返していると効果を得られない
 術革新によって既存の大規模な生産設備陳腐化してしまったり、経験の蓄積が無駄になってしまう。
 生産量を増やすと、人員の管理費用が増えたり、場所を確保するための賃料や、作った製品を置いておくための在庫費用などなど、他の費用も大きく増えることがある。
今の中国は負のスパイラル陥ている。そして、それを助長しているのが過剰債務問題である。
 一例であるが、学生が運営する学園祭の出店の経理で、その店の売上すべて利益であると認識する誤解を持っている学生がいることである。売上から仕入れ(原価)を差し引いて、これが粗利(売上総利益)と言われる。そしてそこから諸経費(人件費・広告費・賃料)をも差し引いて営業利益となる。売上すべて利益の考え方が中国共産党のGDPの統計であるような気がする。


 翻って中国のGDPを考察する。
国内総生産略称:GDPは、一定期間内に国内で産み出された物やサービスの付加価値の合計のことである。
その国内領土に居住する経済主体を基準にした数値で「居住者たる生産者による国内生産活動の結果、生み出された付加価値の総額」をいう国内総生産は各国の経済力を示す重要な指標であるが、計算方法を公開していない推計値であると山内竜介氏はしている。日本の国内総生産を公表する内閣府は非公開の理由を、「国家機密に当たる」としていると山内竜介は主張する。また、山内竜介によれば計算数式は毎年改良されるので、どれほど客観性、継続性があるか明らかではない。しかし、どのように基礎統計を用いて国民経済計算を作成するかなどは内閣府によってある程度公開されている。
しかし、ロシアや中国をはじめとする権威主義的・独裁的国家は政治的目的のため自国のGDP成長率を過大に発表していることが指摘されており、それらの国ではGDPの数値と実際の経済との間に大きな乖離がある可能性がある。そのGDPの付加価値とは、生産によって新たに加えられた価値。総生産額から原材料費・燃料費・減価償却などを差し引いた額。
減価償却費を差し引かない付加価値を粗付加価値、減価償却費を差し引く付加価値を純付加価値という。通俗的には「特定の人・場所・施設や何かの商品・サービスなどに付け加えられた独自の価値」という意味で用いられることがある。
さて今回はこのような前提条件を把握したうえで次の報道記事をお読みください。海外投資資金や人材流出・不動産バブル・過剰債務問題を考えた時に次の記事が眉唾記事(プロパガンダ)と思うのは吾輩だけであろうか。

     皇紀2684年4月8日
     さいたま市桜区
     政治研究者 田村 司

14兆元突破!中国国土の0.6%未満の粤港澳大湾区が経済規模の1/9を創出

Record China によるストーリー

2023年に粤港澳大湾区の経済規模は14兆元を突破し、全国の国土面積の0.6%にも満たないこのエリアが全国の経済規模の9分の1を創出した。© Record China

広東省大湾区弁公室によると、2023年に粤港澳大湾区(広州、仏山、肇慶、深セン、東莞、恵州、珠海、中山、江門の9市と香港、マカオ両特別行政区によって構成される都市圏)の経済規模は14兆元(約861兆円)を突破し、全国の国土面積の0.6%にも満たないこのエリアが全国の経済規模の9分の1を創出した。

同弁公室の朱偉常(チュウ・ウェイチャン)務副室長は、「2018年の大湾区の経済規模は10兆8000億元だったので、5年間で3兆2000億元増加した。『粤港澳大湾区発展計画綱要』が踏み込んで実施されるのに伴い、特に2023年以降は『一点両地』戦略(大湾区を新たな発展局面の戦略的支点、質の高い発展のモデルとなる地、中国式現代化をリードする地にすることを目指す戦略)という新たな位置づけを巡って、広東省は香港、マカオ両特区と手を取り合い、世界レベルの大湾区、最も好調な発展を遂げる湾区を加速度的に建設し、大きな成果を上げた」と述べた。

(1)科学技術イノベーション能力が絶えず向上した。大湾区には7万5000社を超える国家級ハイテク企業が集まり、華為(ファーウェイ)、騰訊(テンセント)、比亜迪(BYD)、美的、格力といったテクノロジー分野の複数のリーディングカンパニーが誕生した。「深セン-香港特区-広州」の科学技術クラスターは4年連続で全国2位となった。

(2)国内を結び海外につながるネットワークの整備が加速した。「鉄道でつながる大湾区」がより一層整備され、香港、珠海、マカオを結ぶ港珠澳大橋が完成して運営を開始し、大湾区の主要都市間は基本的に1時間で移動できるようになった。大湾区の空港クラスターの年間の旅客処理能力は延べ2億8000万人を超え、港湾クラスターの年間のコンテナ処理能力は8500万TEU(20フィート標準コンテナ換算)を超えた。航路ネットワークは世界の主要都市と世界の主要貿易港をカバーしている。

(3)重要協力プラットフォームの建設が加速度的に推進された。「横琴粤澳深度合作区」では3月1日に関税をゼロにする「封関運営」が正式にスタートした。前海協力区では全国初の投資家保護条例が打ち出され、金融や法律など現代サービス業で香港と協力を展開することが積極的に推進された。広州市南沙区には先物取引、水上輸送、データの3大取引所が設立され、中国企業の「海外進出」総合サービス拠点が動き出した。河套深港科技イノベーション協力区では科学技術イノベーション協力が順調にスタートした。

(4)市場一体化レベルが徐々に上昇した。マカオの住民が自家用車で広東省に移動できる「澳車北上」と香港の住民が自家用車で広東省に移動できる「港車北上」の両政策が実施されてから、港珠澳大橋の道路通関地を出入境した両特区の自動車は延べ200万台を超えた。3エリアが共同で発表した食品、中医薬、介護などの分野での「湾区標準」はすでに183項目に達した。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

米財務長官の中国「過剰生産能力」批判、保護主義の口実=新華社

2024年04月06日(土)20時18分

中国を訪問中のイエレン米財務長官が、中国の過剰製造能力に対し懸念を示したことについて、国営新華社通信は、米国が「中国脅威論」を蒸し返し、一段の保護主義政策の口実にしようとしていると指摘した。広州市で5日撮影(2024年 ロイター/Tingshu Wang)

David Lawder
[広州(中国) 6日 ロイター] - 中国を訪問中のイエレン米財務長官が、中国の過剰製造能力に対し懸念を示したことについて、国営新華社通信は、米国が「中国脅威論」を蒸し返し一段の保護主義政策の口実にしようとしていると指摘した。イエレン長官は5日、広東省広州市の米国商工会議所で、中国の過剰製造能力が世界経済に及ぼす影響に対する懸念が高まっていると指摘。中国が電気自動車(EV)、ソーラーパネル、半導体などの製品を過剰に生産しており、国内市場の需要低迷に伴って世界市場に流出しているとし、それが中国にとって健全な状態ではなく、他国の企業が不利益を被っていると述べた。新華社は同日夜報じた論説で、イエレン長官の発言は中国の国内成長と国際協力を弱体化させるものだと批判。米政府は恐怖をあおるのではなく、自国での技術革新と競争力の育成に注力すべきだとの見解を示した。「クリーンエネルギー分野における『中国の過剰製造能力』を指摘することは、米国企業を守るための保護主義的な政策を実施する口実を作ることにもなる」と反論し、「米政府は結局のところ、自国の優位性が揺らいでいる分野では国家安全保障を口実に躊躇(ちゅうちょ)せず保護主義的な牙をむく。このことは、今や世界中に知れ渡っている」と記した。イエレン長官は6日に北京に移動後、8日まで李強首相や中国人民銀行(中央銀行)の潘功勝総裁らと会談する予定だ。


参考文献・参考資料

14兆元突破!中国国土の0.6%未満の粤港澳大湾区が経済規模の1/9を創出 (msn.com)

粗利・粗利率とはどんなもの?営業利益との違いや活用法を解説 - 経理お役立ち情報 - 弥生株式会社【公式】 (yayoi-kk.co.jp)

国内総生産 - Wikipedia

付加価値 - Wikipedia

減価償却 - Wikipedia

米財務長官の中国「過剰生産能力」批判、保護主義の口実=新華社|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト (newsweekjapan.jp)

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