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政治(経済)講座ⅴ1539「隠れ債務の破壊力」


盛者必衰。お陀仏様である。謙虚さが足りない。世界征服を狙った中国共産党の大失敗である。短い共産・資本主義の社会実験は失敗である。今回はそのような報道記事を紹介する。

     皇紀2683年12月10日
     さいたま市桜区
     政治研究者 田村 司

はじめに

 経済的な裏付けがなく、借金することは、いつかは、返済に行き詰まることは、常識的に理解できることである。
しかし、資本主義などの経済社会において、インフレは、通貨(貨幣)価値の目減りをもたらす。
そのように、借金をしている者にとっては負担の減少感をもたらす。
麻薬と同じに経済的な感覚を麻痺させるのである。
しかし、一度、麻薬の接種をやめると禁断症状を起こすのと同じようにインフレ経済で借金で財を成した者は、経済の停滞現象(デフレ経済)に堕ちいると破綻と言う禁断症状になるのである。
簡単にいうと中国経済は「借金」という麻薬の禁断症状に似ているのである。
誰も中国を助けられないところまで来ている。これも情報隠蔽する癖の中国共産党の性であろうか。
もう、手遅れなのである。堅実な国民の地道な経済活動に頼らずに、インフレ効果の不動産の値上がりを期待した経済は案の定、破綻に陥ているのである。
日本の失敗を学べば、分かりそうなものであるが、事実の情報隠蔽で簡単に経済をコントロールできると思ったのが中国共産党の大誤算である。旧ソ連もそれで失敗した。
本当に歴史は繰り返されるのである。
そして、情報隠蔽体質の「隠れ債務」のある者を助ける者は何処にもいないのである。助けようとしたものまで泥沼に堕ちていくようなものである。まさに、破綻した旧ソ連ごのロシア経済のように誰も助けないのである。石油・天然ガスはそのうちに枯渇していくのである。

中国の巨額「隠れ債務」 危機的状況に

Rebecca Feng によるストーリー • 28 分

中国の巨額「隠れ債務」 危機的状況に© The Wall Street Journal 提供

中国政府は、国内銀行システムに深刻な打撃を与えかねない「金融時限爆弾」を取り除こうとしている。

中国各地の都市・省は、長年にわたる野放図な借り入れと支出の結果、巨額の隠れ債務を積み上げてきた。国際通貨基金(IMF)と米金融業界の推計によると、中国のオフバランスの政府債務残高は約7兆~11兆ドル(約1030兆~1620兆円)に上る。これには地方政府傘下の投資会社「融資平台」が発行した社債(城投債)も含まれる。融資平台は城投債発行を通じて、道路や橋などのインフラを建設したり、その他の支出を賄ったりするための資金を調達した。

実際の総額は誰にも分からないが、地方政府債務が持続不可能な水準になっていることは、この1年で明白になっている。中国は経済成長が鈍化し、デフレ圧力と戦っている。こうした圧力の下では地方政府が元利払いを期日通りに行うことは難しくなる。

エコノミストらによれば、4000億ドルから8000億ドル(約59兆円から118兆円)超と推定される隠れ債務の大部分は特に問題が多く、デフォルト(債務不履行)リスクも高い。

中国当局は国内の金融安定性経済成長全体に対するリスクが無視できないほど大きくなっていることは承知している。また、より組織的にこの問題に取り組もうとしており、隠れ債務の一部を新たな(そして公式の)政府債務と交換し始めている。

大きな懸念は、デフォルトの波によって損失が広範囲に拡大することだ。その結果、信用市場が機能不全に陥り、多くの地方債を保有する銀行の財務安定性について個人・法人預金者が不安を抱き始めれば、雪だるま式に全国的な金融危機に発展しかねない。

中国の独立系信用調査会社YYレーティングの創業者であるヤオ・ユー氏は「融資平台がデフォルトに陥れば、すぐに手に負えなくなる」と述べた。金融情報サービス大手の万得信息技術(ウインド)のデータによると、城投債は中国国内の社債市場の半分近くを占める。多くの投資家や債券購入者から敬遠されれば、城投債のデフォルトをきっかけに他の借り手の資金調達手段が断たれかねない。

中央政府は11月初旬、「地方政府の隠れ債務リスクの防止と解決を非常に重視している」と述べた。さらに、銀行関係者や地方政府当局者に対し、新たな隠れ債務を作れば、その責任を一生負うことになると警告した。

中国人民銀行(中央銀行)の潘功勝総裁は11月、北京で開かれた金融フォーラムで、同行は債務負担が比較的大きい地域に緊急流動性支援を行うと述べた。さらに、中国の政府債務総額は国際基準から見れば高くはなく、地方政府債務がもたらすリスクを軽減するために資産売却や債務借り換えなどの措置を講じているとした。

格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは5日、中国の信用格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げた。中国が財政難の地方政府や国有企業への支援を拡大する可能性が高いためだとした。さらに、経済成長リスクも一因だとしている。同社の中国に対する格付けは投資適格級の「A1」で、最上級の「Aaa」より4段階低い。

中国は、不動産不況が何年も続き、不動産開発会社のデフォルトが数十件発生するという状況を、国内銀行に巨額の損失を与えることなく乗り切ってきた。それができたのは、多くの不動産開発会社が外債発行で資金を調達してきたため銀行融資への依存度が低かったことが大きい。

中国の巨額「隠れ債務」 危機的状況に© The Wall Street Journal 提供

融資平台の状況は異なる。城投債の大半は中国の商業銀行が保有しており、商業銀行は融資平台に対する融資も行っていた。最近のUBSのリポートによると、昨年末の国内銀行の融資平台への投融資総額は約6兆9000億ドル相当で、銀行部門の総資産の約13%に相当していた。

中国の規制当局は10年以上にわたり、国内の隠れ債務リスクに対処しようとしてきた。大規模な取り組みは2015年~18年に行われたものが最後となっている。その間、中国の地方政府も新たな公債を販売して隠れ債務と交換し、事実上、隠れ債務に政府の明確な後ろ盾を与えた。

さらに、中国財政省が地方政府に対し、今後はより責任ある借り入れを行うよう指示した。だが、成長てこ入れを求める圧力に押され、地方政府は再び借り入れに走った。万得信息技術によると、城投債の発行残高は11月末までに2018年の2倍超に膨れ上がった。

中国の巨額「隠れ債務」 危機的状況に© The Wall Street Journal 提供

一部の都市・省は、深刻な不動産不況のあおりで土地(使用権)売却による地方政府の収入が激減し、財政が逼迫(ひっぱく)し始めている。新型コロナウイルス禍を封じ込めるため3年にわたり多額の歳出を行ったことも、手元資金を使い果たす要因となった。

多額の債務を抱える貴州省で橋・道路を建設する国有企業、遵義道橋建設集団は2022年後半、約22億ドルの銀行融資の返済期限を20年延長してもらった。

財政難の雲南省では5月、省都・昆明市にある公益企業が国内債を返済期限の翌日に返済した。10月には、中国東部・山東省濰坊市の国有観光グループが私募債に関する1400万ドルの支払いを期限までに履行しなかった。

S&Pグローバル・レーティングのクレジットアナリスト、クリス・イップ氏は「経済面の弱さが目立つ地域・省の多くで、公債の返済が遅れかけたり、期限寸前に何とか返済したりするケースが見られる。政府はこのような当面の流動性問題の緩和に向け、状況を一段と注視している」と述べた。

地方政府はオフバランス債務の一部を置き換えるため、「特別借換債」を急きょ発行する必要に迫られている。

中国では10月以降、30近くの省・市が約2000億ドル相当の特別借換債を発行した。この資金調達は、貴州省や雲南省、天津市など、債務水準が高い地域が中心だった。こうした「債務交換」は、地方政府が資金を調達するための時間を稼ぎ、地方政府債務が早期にデフォルトするリスクを低下させるのに役立っている。

モルガン・スタンレーの中国担当チーフエコノミストであるロビン・シン氏は、これまでに実施された債務交換は「十分とは言えず、始まりに過ぎないと思う」と述べた。問題を抱えた隠れ債務の大部分を解決するには、少なくとも7000億ドル相当の債務交換が必要になるという。

これは再建計画ではなく借り換え計画だ」。調査会社ロジウム・グループの中国調査担当ディレクター、ローガン・ライト氏はそう話す。同氏が11月に共同執筆したリポートによると、債務の返済延長や交換は、債務返済のためにより多くの財源が必要となるため、長期的には中国の経済成長を損なう

ロジウムのリポートは「市場は、短期的なデフォルトリスクだけでなく、リスクが顕在化した場合の影響が(融資平台の)債務から金融全般に波及する事態にも警戒を維持すべきだ」としている。

現在、融資平台の大半は地方政府からの補助金・資本注入や外部資金に頼る。UBSのシニアエコノミストであるチャン・ニン氏は、同氏のチームが約3000社の財務諸表を分析したところ、利払いを賄うだけのキャッシュを事業から生み出せていない企業が大部分を占めたと話す。

長期的な解決策の一つは、実現は難しいかもしれないが、融資平台の債務を再編し、商業的に存続可能な企業にすることである。S&Pのイップ氏は「目標は無借金経営を実現することではなく、政府からの資金調達や支援に依存しない、十分に利益を上げられる企業になることだ」と語った。

参考文献・参考資料

中国の巨額「隠れ債務」 危機的状況に (msn.com)

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