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政治講座ⅴ1699「悲惨な中国経済の原因は統計の捏造に起因」

 中国の過剰投資・マンションの過剰建築・過剰鉄鋼生産そしてその消費のために返済能力のない開発途上国へのインフラ設備の押し売りで、債務の罠と揶揄される始末である。
根本的な原因の一つは、統計の捏造から、正確な資金需要の把握が為されなく、捏造された需要で計画された過剰供給、そして、その投資資金の捻出も返済計画が捏造されているために、借入資金のデフォルトとなるのである。いい加減と言われている中国のGDPがその証左である。いい加減である。今もGDP世界2位であるかも眉唾物である。今回はそのような報道記事を紹介する。もっと正確な経済統計で計画経済を営んだならこんな悲惨な状態にはならない、中国共産党の悪しき忖度統計と出世意欲が作り出した捏造経済統計が原因であろう。昔、毛沢東時代にも同じような大躍進政策があり、中華人民共和国大飢饉推定1500万〜5500万人が死亡)の発生、産業・インフラ・環境の大破壊、中華人民共和国最少出生数記録更新を招いた。同じ轍を踏んでいる。歴史は繰り返される。

     皇紀2684年3月22日
     さいたま市桜区
     政治研究者 田村 司

中国経済の悲惨な実態…「デカップリング」を「デリスキング」と言い換えても”世界経済からの切り離し”は止まらない

朝香 豊 によるストーリー

西側と中国との経済的な結びつき

中国と西側との対立関係は、こと政治分野に関していえば、先鋭化が止まらないという状態には至っていない。

政治の世界ではむしろ、中国と西側との経済的な関係について完全切り離しを目指す「デカップリング」という言葉が嫌われ、関係維持を前提としながら経済安全保障上のリスクを減らす「デリスキング」という言葉が使われているように、対立をこれ以上激化させないため、西側諸国が中国側に気を遣っているのが実際だ。

Gettyimages© 現代ビジネス

では、現実の西側と中国との経済的な結びつきはどのように動いているのだろうか?

中国の昨年(2023年)の輸出総額は、前年比で4.6%減少した3兆3800億ドルに留まった。ここから一般的にイメージされるのは、西側と中国との経済的関係が、前年と比べて4~5%程度減った、という感じだろう。

ところが西側諸国に対する中国からの輸出はこれを遥かに上回る勢いで減少している。中国の対米輸出額は13.1%の減少、対EU輸出額は10.2%の減少、対日輸出額は8.4%の減少。つまり、たった1年で1割前後の縮小となっているのだ。

このように、西側と中国との経済的関係は、想像以上に大きく落ち込んでいる。中国べったりのイメージが強いあのドイツでさえも、中国からの輸出は13.0%も落ち込んでいる。

一帯一路構想に参加していたはずのイタリアにしても、すでに昨年の段階で中国からの輸出は11.8%も減っている。イタリアは昨年12月に一帯一路からの離脱を表明しているが、こうした政府の動き以前に、民間経済は中国との関係を勝手に縮小していたということだろう。

西側主要国としては位置づけられない国々でも、中国からの輸出が大きく落ち込んでいるケースは多い。例えば中国の対台湾輸出額は16.0%の減少、対フィリピン輸出額は16.3%の減少、対カナダ輸出額は14.9%の減少、対ニュージランド輸出額は13.2%の減少、といった感じだ。

中国からの輸出は大きく落ち込んでいる

こうした数字を見ていくと、どうしたら輸出全体のレベルで4.6%の減少にとどまるのかと、かなり訝しく感じてしまう人もいるだろう。

もちろんそれでも、全体で見た場合に4.6%の減少だけで済んでいるわけだから、中国からの輸出を大幅に受け入れて、その埋め合わせをしている国があるということになる。

Gettyimages© 現代ビジネス

勘のいい方はお気づきだと思うが、それはロシアだ。中国からロシアへの輸出は、この1年でなんと46.9%も増えているのである。他に増えているところといえば、アフリカ諸国が全体で7.5%、インドが0.8%増加させたくらいしかない。

ここからわかるのは、「デカップリング」から「デリスキング」へと、言葉遣いはマイルドになったけれども、現実の中国経済は西側経済からどんどん切り離されているということだ。

より正確に言えば、ロシアとアフリカ諸国という極めて限られた地域を除けば、中国からの輸出は、世界経済の中で大きく落ち込んでいるのである。

「西側の時代はもう終わった。これからはBRICSの時代だ」なんてことがよく言われるが、これはかなり的外れな話である。そもそもBRICSには全然まとまりがない。BRICS構成国のブラジルへの中国からの輸出額は4.3%の減少南アフリカへの輸出額は0.8%の減少であり、いずれにしても減っている。インド向けは前述のように0.8%だけ増えてはいるが、これはインドの経済成長が著しいことを反映しただけで、別にインドが中国と仲がいいわけではないこと、世界の工場が今後ASEANやインドに移っていく中で、インド向けの中国の輸出もすぐに頭打ちになりそうなことくらいは、簡単に想像できる。

つまりBRICS諸国でもロシア以外は中国との経済的関係は弱くなっているのだ。

要するに、ウクライナへの軍事侵攻で西側の厳しい制裁を受けているロシアが、どうしても中国に頼らざるをえなくなり、結果としてロシアに対する輸出だけは激増しているが、それ以外の国では、実は中国経済との切り離しが、一般に私達がイメージするのと比べても、ずっと急速に進んでいると見ればよい。

しかも政治が大きなリーダーシップを取らずとも、民間のビジネスは勝手に中国離れを進めているのである。

仮にロシアのウクライナ侵攻がなければ、ロシアが中国に経済的に依存することもなかっただろうから、中国経済がもっとひどい状態になっていたのは間違いないだろう

中国の有名な金融のプロである陳守紅氏によれば、コロナ前にはアメリカと中国を結ぶフライトは一日平均100便を超えていて、130近くに達していたが、現在米中間の直接往来のフライトは毎日4~6本しかなくなったとのことだ。ここから単純計算すると、アメリカから中国を訪れるビジネス客は95%ほど少なくなったということになりそうだ。

アメリカ以外も含めた全体では、コロナ前と比べて8割の減少に留まっているとの話もあるが、8割にしても相当な減少であることは間違いないだろう。中国と外国との人的交流は、コロナ前から見れば考えられないレベルに低下しているのだ。

内からも外からも極めて厳しい危機に

では、中国と外国とのカネの動きはどうか?

2022年第1四半期に、国外から中国への直接投資額1012億ドルのプラスだったが、2023年の第三四半期には118億ドルのマイナスとなった。つまり、外国から中国に入ってくるカネよりも、中国から国外に逃げるカネの方が大きくなったのである。第四四半期にはプラス175億ドルとなり、多少はリバウンドしたが、2023年全体を通じて見ても、前年比で82%も落ち込んでいる

中国に専念したプライベートエクイティファンドは、2021年上半期には500億ドルほどあったのが、これが2023年上半期には14億ドルになっている。これにしても97%の減少ということになる。

要するに、人もマネーも中国には流れなくなっていて、その結果として新規投資がなくなり、外国とのつながりはロシア以外はどんどん弱くなり、中国からの輸出もロシア以外は大きく落ち込んでいる、ということがわかる。

そしてこのトレンドが昨年だけのものではなく、今後も続いていくものであることは、容易に想像がつく。つまり、今後中国経済の世界経済においてのプレゼンスは、年々大きく落ち込んでいき、回復が見込めないのは確実と言っていい状態なのだ。

ゴールドマン・サックスのウェルスマネジメント部門の最高投資責任者であるモサバルラマニ氏は、「中国の株価が大きく下がって中国株が割安に見えるから、そろそろ買い時が来ているのではないかと顧客から尋ねられることが多くなっているが、中国に投資すべきではないというのが我々の考えだ」と語った。

モサバルラマニ氏はさらに、不動産開発、インフラ開発、輸出というこれまでの成長の3本柱いずれも弱体化することで、向こう10年にわたって苦戦を強いられるとし、中国における政策の方向性が曖昧であることもリスクだと指摘した。

Gettyimages© 現代ビジネス

さらに強烈なのは、中国は公式に2023年成長率を「5%超」と発表しているが、大半の人はそれが本当の成長率ではないと考えていると率直に述べ、中国発表のGDPデータは眉唾物で信用できないと指摘したことだ。

JPモルガンが2023年に中国の顧客から国際取引コンサルティングサービス料として得たのは4,700万ドルであるのに対して、東南アジアで得た国際取引コンサルティングサービス料は8,900万ドルに達している。

要するに、中国ビジネスの2倍近い利益を、東南アジア諸国から得られる状態に変化してきたのだ。

また、調査機関のディールロジックによると、投資銀行が中国の顧客から受け取った株式と債券の発行相談手数料は、2020年に38.3億ドルだったのが、2023年には8.54億ドルと、1/4以下に落ち込んだ。これに対して2023年に投資銀行が東南アジア諸国の顧客から受け取った株式と債券の発行相談手数料は8.92億ドルに達し、中国の8.54億ドルを上回ってきた。

これは、ウォール街にとっての中国と東南アジアのビジネス上の位置づけが逆転してきていることを示している。

今後の経済の伸びしろを考えれば、当然ながら、中国よりも東南アジアのほうがずっと大きい。中国がバブル崩壊に苦しみ、土地利用権の売却益が見込めなくなった地方政府の財政が破綻してきていることは、かなり知られるようになった。

だが、中国経済の苦しみはそんな国内経済問題に起因する話だけではない。習近平政権が外国企業への締めつけを極端に強化する中で、世界経済からの中国経済の切り離しは一般の想像を超えるペースで進んでいる。政治がリーダーシップを取らずとも、民間経済が勝手に切り離しに動いていると見ればよいのだ。

中国政府の公式発表や、それを前提とした国際機関やシンクタンクの発表データを鵜呑みにして、中国経済は言われているほど弱回っていない、などと早合点してはならない

習近平体制のもと、中国経済が、内からも外からも極めて厳しい危機に瀕していることを、よく理解しておくべきだろう。


中国経済の悲惨な実態…「デカップリング」
を「デリスキング」と言い換えても
”世界経済からの切り離し”は止まらない
© 現代ビジネス

参考文献・参考資料

中国経済の悲惨な実態…「デカップリング」を「デリスキング」と言い換えても”世界経済からの切り離し”は止まらない (msn.com)

大躍進政策 - Wikipedia

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