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政治講座ⅴ1753「過剰生産(酷使)と過剰投資(無駄設備)と過剰債務(課税)の中国」

 中国大陸の歴史を俯瞰すると権力の争奪戦の一言に尽きる。そして、そのために何か歴史に残る大きい事業をやりたがる。その時は庶民には過剰な負担を増税という課税で資金を賄うのである。いつも苦しめられるのは庶民である。
 秦の始皇帝の万里の長城はその一例であろう。
そのために秦の始皇帝即位から15年で滅びたのである。
古代中国における馬鹿の故事と秦の帝国の没落への道は今の中国共産党を率いる習近平氏の政策運営に非常に似ているので紹介する。今回はそのような報道記事を紹介する。

     皇紀2684年4月25日
     さいたま市桜区
     政治研究者 田村 司




古代中国において

紀元前221年秦の始皇帝の手によって中国全土の統一が果たされたのち、万里の長城や皇帝が住む大宮殿である阿房宮の建設のために多くの農民が駆り出されて酷使されていくことになると同時に、焚書坑儒と呼ばれるように、皇帝の意に反する文言が書かれている可能性のある書物はすべて焼き捨てられ、王朝の政治に異を唱える学者たちは生き埋めの刑に処されてしまうというように、厳しい思想統制言論の弾圧が進められていく。そして、こうした秦王朝において進められていた圧政恐怖政治は、紀元前210年に始皇帝が死去した後の二世皇帝である胡亥(こがい)の時代において、さらに激化していくことになるのですが、古代中国における馬鹿の故事は、こうした秦の始皇帝亡き後の二世皇帝の治世における秦王朝の宮中を舞台として語られていく。始皇帝亡き後の秦王朝では、二世皇帝の後見人の立場にあった宦官である趙高(ちょうこう)が宮中において絶大なる権力を振るうようになり、自らの意見に逆らう者をことごとく処刑して排除していくという恐怖政治を敷いていくことになる。ある時、趙高は自らの権力の大きさを廷臣たちに見せつけようとして、試みに二世皇帝の前に一匹の鹿を連れてきて献上して、「これは馬でございます」と言う。二世皇帝は、これは何の冗談かと笑って、周りの臣下の者たちに、「これは鹿ではないのか?」と尋ねることになるのですが、これに対して、多くの人々は、趙高の権勢の大きさを恐れて、彼の意見に黙って従っていれば問題ないと考え、「いえ、馬に相違ありません」と答えて、その鹿は馬とされたまま皇帝へと献上されてしまうことになるのです。そして、このように、絶大な力を持った権力者を前にして、明らかな誤りであっても誰もそのことを正すことができない状態が続いていくことによって、秦王朝は政治の方向性を見誤ったまま没落の道を進んで行くことになり、紀元前207年秦の帝国は、栄華を極めた初代皇帝である始皇帝の死からわずか3年にして滅亡の時を迎えてしまうことになる。それから2200年を経た習近平政権においても史記の「指鹿為馬(しかをさしてうまとなす)」の故事を語源とする説のように歴史は繰り返されているのである。

安価な中国製鉄鋼の氾濫、世界各国の反発に拍車

Jason Douglas によるストーリー

安価な中国製鉄鋼の氾濫、世界各国の反発に拍車© The Wall Street Journal 提供

【シンガポール】中国では大規模な不動産不況を受け、鉄鋼メーカーが大量の売れ残り在庫を抱え込んでいる。各社は現在、それを大幅な割引価格で輸出している――そして、それに反発しているのは米国だけではない。

ジョー・バイデン米大統領は17日、米通商当局に対し、中国製鉄鋼の輸入関税引き上げを要請した。米政府は中国の安価な輸出品が米国および世界市場を席巻しているとして、それを締め出す政策を幅広く展開している。

中国の鉄鋼輸出はこの1年で33%増加した。国内の建設活動が枯渇する中、巨大鉄鋼メーカーは輸出を通じて在庫を解消しようとしている。中国の税関データによると、今年2月までの12カ月間の鉄鋼輸出量は9500万トンだった。これは米国の2022年通年の鉄鋼総消費量の推計値を上回る。

世界貿易が新たな「チャイナ・ショック」に見舞われるのではないかとの不安が高まっているのは、まさにこうした状況のためだ。

中国政府は製造業への投資を通じて、個人消費の低迷と不動産不況が重荷となっている経済成長をてこ入れしようとしている。その結果、2000年代初頭のチャイナ・ショックの記憶を呼び起こすような輸出の急増が起きている。当時の安価な商品の急激な流入は、消費者には恩恵をもたらしたが、新たな競争にさらされた一部の米国産業はこの難題を克服することができなかった。

バイデン氏は17日、中国製鉄鋼に対する関税率を現行の3倍の25%に引き上げるよう求めた。これは2018年にトランプ政権が国家安全保障を理由に中国製鉄鋼に課した25%の追加関税に上乗せする形となる。

米中の貿易摩擦は激しさを増しているようだ。中国商務省は19日、米企業が中国市場でダンピング(不当廉売)を行ったとの調査結果を受け、米国産の主要化学製品に43.5%の輸入課税を課すと発表した。中国は昨年、食品・医薬品・農薬の製造に使用されるプロピオン酸の輸入について、国内メーカーからの申し立てを受けて調査を始めていた。

中国の統計によると、トランプ政権が鉄鋼関税を発動して以降、対米鉄鋼輸出は減少している。中国の税関データによれば、米国向け鉄鋼輸出は2018年が120万トンで、23年には81万5000トンまで落ち込んだ。

中国製鉄鋼は米国に代わり、ブラジル、ベトナム、インド、英国、フィリピン、トルコなどに流入している。いずれの国も反ダンピング調査を実施中だ。

中国当局は、国内メーカーに不当な補助金を与え、世界市場に商品を過剰輸出しているとの批判を一蹴し、欧米企業が中国の競合企業に太刀打ちできないことを隠すためにそうした批判を行っていると指摘している。

中国商務省は18日、トランプ政権が貿易障壁の引き上げで犯した過ちを繰り返さないよう米国に求めた。関税案は保護主義的措置であり、「米国は自国の問題を直視すべきだ」と述べた。

過去12カ月間の中国の鉄鋼輸出の急増は2015年を想起させる。当時の鉄鋼輸出は過去最高の1億1200万トンと、その10年前の5.5倍に達した。

そうした輸出急増は、中国の不動産不況に伴う鉄鋼需要の急減が背景にあった。HSBCのチーフ・アジア・エコノミスト、フレデリック・ニューマン氏は、一部の推計によれば、中国の不動産建設は例年、世界の鉄鋼需要の約25%を占めていたと述べた。

中国の不動産市場は再び深刻な不況に陥っている。エコノミストの間では、中国政府が投機的な過剰投資の抑制に取り組んでいるため、不況は続くとの見方が大勢だ。すなわち鉄鋼メーカーは、生産を抑えない限り、何年も売れ残り在庫を抱え込むことになる。しかし、2023年の生産量は増加し、22年比で約3%増の12億トンとなった。「販路はどこか。輸出するしかない」とニューマン氏は言う。

世界3位の鉄鋼メーカーである中国の鞍山鋼鉄集団傘下の香港上場企業、鞍鋼股份(アンガン・スチール)は3月、2023年の国内売上高が15%減少した一方、輸出は「国外販路を積極的に拡大」した結果、18%増加したと発表した。同社は昨年、低価格と国内需要の低迷が響き、32億5000万元(約694億円)の赤字に転落している。

中国の統計によると、2月までの12カ月間のインド向け鉄鋼輸出は前年同期比84%増の約300万トンだった。ベトナム向けは78%増の約1000万トンで、ブラジル向けは55%増、トルコ向けは58%増メキシコ向けは14%増となった。

ブラジルでは、国内鉄鋼大手ゲルダウと欧州鉄鋼大手アルセロール・ミタルが所有する工場で、過去6カ月間に約2000人の鉄鋼労働者が解雇または停職となった。中国からの輸入品との競争に苦戦していることが背景にある。ブラジルの鉄鋼メーカーは、輸入鉄鋼に25%の関税をかけて国内生産を保護するよう求めている。

ブラジル最大級の鉄鋼労組のウェラー・ゴンサルベス代表は「ブラジルは鉄鉱石を中国に輸出している。中国はそれから鉄鋼を製造し、ブラジルの鉄鋼メーカーが対抗できる価格よりも安い価格でわが国に販売している」と語る。「今や中国との競争は、過去数年よりもはるかに厳しい」

安価な中国製鉄鋼の氾濫、世界各国の反発に拍車© The Wall Street Journal 提供

ブラジル当局は3月、中国製の一部の炭素鋼板と塗装済み鋼に対する反ダンピング調査を開始した。メキシコは9月、コンクリートに使用される中国製鋼鉄くぎの調査を開始した。ベトナムは鋼ストランド、英国は鋼線ロープ、フィリピンは鋼製シリンダーを調査している。

バイデン政権は中国の鉄鋼メーカーが関税回避策を模索しているとの懸念を踏まえ、中国製鉄鋼が米市場に流入する経路としてメキシコが利用されないよう同国と協力していくと述べた。トランプ政権は2018年、ベトナム、マレーシア、タイがそうした積み替えの拠点になっていると非難した。

ホワイトハウスによると、通商当局は中国の造船・海運・物流業界を中心とした反ダンピング調査にも着手している。対中貿易が重要な争点になると予想される米大統領選を前に、このような大々的な措置が取られた。

中国は現在、主に低価格商品を製造していた2000年代初頭とは対照的に、新興国の鉄鋼・繊維・セラミック、先進国の半導体・電気自動車・その他のハイテク機器など、世界中の産業と競争している。

ジャネット・イエレン米財務長官は最近北京を訪問した際、中国は今や単純に大きすぎるため、その膨れ上がる工業生産高を他の国では吸収できないと警告した。こうした生産高は潤沢な補助金と国策融資に支えられていると米当局者は指摘する。

人為的に安く抑えられた中国製品が世界市場にあふれれば、米国などの外国企業の存続が危ぶまれる」とイエレン氏は述べた。

中国の大型水利事業「引漢済渭」、送水橋建設が進展 第2期の重要工事

新華社 によるストーリー

中国の大型水利事業「引漢済渭」、送水橋建設が進展 第2期の重要工事© 新華社

建設中の渭河管橋。(資料写真、西安=新華社配信)

 【新華社天津4月21日】中国の長江の支流、漢江の水を黄河支流の渭河に引き込む重要水利プロジェクト「引漢済渭」は、第2期工事で最大の単体建造物となる渭河をまたぐ送水橋「渭河管橋」で19日、ケーブル塔のコンクリート打設が完了した。

 橋はインフラ建設大手、中国鉄建傘下の中鉄十八局集団が陝西省西安市周至県で建設を進めており、今後は鋼桁(こうげた)の架設に移る。

中国の大型水利事業「引漢済渭」、送水橋建設が進展 第2期の重要工事© 新華社

渭河管橋の建設現場で、鋼トラス桁の吊り金具を切断する作業員。(資料写真、西安=新華社配信)

 「引漢済渭」第2期は中国の第14次5カ年規画(2021~25年)で定められた重点水利150プロジェクトの一つで、26年の完成を見込む。黄池溝配水ハブ、南幹線、北幹線の3部分からなり総延長は190キロ。北幹線に属する渭河管橋の全長は1.23キロで主橋は鋼構造。四つのケーブル塔に48対の斜張ケーブルを張り、ケーブル塔の高さは73.5メートルに達する。

 引漢済渭プロジェクトは、第2期工事が完了すると漢江から毎年15億立方メートルの水を移すことができ、関中地域(陝西省渭河流域)の都市の工業・生活水問題を効果的に解決する。(記者/毛振華、宋瑞)

中国の大型水利事業「引漢済渭」、送水橋建設が進展 第2期の重要工事© 新華社

建設中の渭河管橋。(資料写真、西安=新華社配信)

中国の大型水利事業「引漢済渭」、送水橋建設が進展 第2期の重要工事© 新華社

渭河管橋の建設現場で吊り上げられる鋼トラス桁。(資料写真、西安=新華社配信)

参考文献・参考資料

安価な中国製鉄鋼の氾濫、世界各国の反発に拍車 (msn.com)

中国の大型水利事業「引漢済渭」、送水橋建設が進展 第2期の重要工事 (msn.com)

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