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あなたに起こった最高のこと

今から15年ほど前に放送されていた「CHANGE」というキムタクが主演を務めているドラマがある。

恋愛ものや医療もの等が話題を掻っ攫っている中で飽き飽きしていた当時、政治をテーマに、それも内閣総理大臣を題材とした一線を画すドラマに思わず見入ってしまっていた。

もしもう一度見たいドラマを選ぶとするなら、間違いなく「CHANGE」を指名するだろう。別段、キムタクが主演しているからというものではない。

それでいうなれば、もはや手の施しようがなくなりつつある今の時代に、もう一回再放送して日本中に届けさせた方がいいのではないだろうかと、思わずにはいられない。

少なくとも、政治に関心を持たない人や目先のことにしか関心を持っていない人に対して振り向かせる必要があるかもしれない。

 

もう一つ見入った理由を挙げるとするなら、主題歌に起用されていたのはマドンナであったことだ。通例なら、ほとんどSMAPが起用されてもおかしくないところだった。

しかも邦楽ではなく、洋楽アーティストが抜擢されたのは史上初…かと思っていたが、よくよく考えたら「プライド」や「エンジン」ではそれぞれクイーンエアロスミスが起用されていたのを思い出した。

それすらど忘れしてしまうほどに、おそらく私は「CHANGE」を見て一つの魅力を覚えてしまっていたのかもしれない。

本編終了後、スタッフロールを横に一台のセンチュリーが夜を駆けていく中で「Miles Away」が流れてくる様を、いったい誰が想像しただろうか…なんてことを無性に言い放ってしまいたくなる。

私の両親は昔からマドンナをすき好んで聴いていた。特に2005年にリリースされた「Confessions on a Dance Floor」というアルバムでは一番ハマったのだろう。
学生だった頃の一時期に、私が外から戻ってくるたびに家中がそのアルバムの音一色によく包まれていたものであった。

ただその後「Miles Away」が収録されたアルバム「Hard Candy」も手に取って聴いていたが、二人とも感想はどうもいまひとつだったらしい。

ジャスティン・ティンバーレイクカニエ・ウェストなどといった大物アーティストが参加しているにも関わらず、二人ともあまり耳馴染みのなかったヒップホップ色が強すぎて、ほとんど受け付けられなかったそうだ。

逆に私はそのアルバムについて、ある程度気に入っている方である。それこそ昨年まで夜にかけて実家に帰省する際、東京のある国道や都道を走っている途中でよく流していた。

その道中で「Miles Away」がかかり出した時には、まるで前方に映る世界が「CHANGE」のエンディングとシンクロして、激情がかき立てられずにはいられなくなるのである。

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