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疑惑のカルテ 26 嘘つきは医者のはじまり


11月15日。

最後の診察から、一年が経った。
まさに、地獄の底を這い回るような一年。
そしてそれはこの先も続くのだ。

医療過誤に遭ったら、人生終わり。

患者の責任ではない。あるはずもない。

でも、患者の責任にされる。

医者当人はもちろん、周りの人間からも、「甘いからそんな目に遭う」「ナメられてる」と集中攻撃。

挙げ句、「私まで巻き込まないで」と、迷惑そうに去っていく。親族すら。

むろん全然かまわない。そういうヤツだと本性がわかるくらいのもの。サヨナラでけっこう。


一番腹が立つのは、「犯人」のほうは、楽しく幸せな、今までどおりの生活を送っているということ!

楽しく酒を飲みに行き、スポーツに旅行に、愛人との付き合いまで、今までどおり。

そしてもちろん、働ける!

今ごろはボーナスの心配をしているに違いない。

不公平は世の常。
しかし、被害者と加害者がまったく逆転する「犯罪」が他にあるだろうか?


人を10人殺したところで、罪を問われることはない。

嘘はつくためにあるようなもの。

嘘を嘘で上塗りする。

そして蛇のようにしつこい!

こっちは事故で大怪我しているのも、まったくのおかまいなしに、責めて、責めて、責め立てる

終わったことです! もうやめて!

私がいくら叫んでもやめない。

完全に、患者の精神が参り果てるまで責め立てる。

何故そんなことをするのか?

「この女、アタマおかしいんです」
と裁判官に訴えるためだ。

そういうふうに、診断書に書けるのだ! 

なんて恐ろしい。

それがこの国の「医者」。


嘘をつくのが、商売。


(つづく)


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