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ゲンロンSF創作講座のアレコレ

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SF創作講座第2回実作感想 (ダルラジの補足)

SF創作講座第2回実作感想 (ダルラジの補足)

河野咲子さんとダルラジ第3回を収録して公開しました。ダルラジ中では触れられなかった実作が幾つかあるのでテキストで補足したいと思います(本当は口頭で話したいんですけど。講座終わるの遅いし…。どこかで話しましょう)

降名 加乃さんの砕けた瓦礫の願いより

世界設定が淡々と書き下されていますね。冒頭部は《資源》についての説明をする以外の役割を果たしていないので、読者的には退屈で凡庸だと感じてしまう。暴

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ゲンロンSF創作講座6期第3回梗概感想(1)

ゲンロンSF創作講座6期第3回梗概感想(1)

※読み違えなどはご容赦下さい(頑張って読んでいるのですが…)

織名あまね とある塔の観察日記

織名あまねさんのとある塔の観察日記

観察日記風に書いていくというのは面白さを感じた。人に向けて書かれたものという風にするとゲームの製作者がシミュレーションの様子を見ている風になってしまう気がしていて、あんまり新しさが無いように思える。ゲームのルール(=勝利条件)を見つけ出そうとするAIの思考記録とし

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SF創作講座の歩き方

SF創作講座の歩き方

こんにちは、ゲンロン大森望SF創作講座5期卒業生の猿場つかさです。5期ではゲンロンSF新人賞最終選考に残りました。また、5期ダールグレンラジオダールグレンラジオ賞をいただきました。6期では5期のゲンロンSF新人賞受賞者の河野咲子さんとダールグレンラジオを担当します。勢い余って6期に参加しているんじゃないかという噂があります…ゲフンゲフン

6期は1-5期の受講生も多いとはいえ、6期から参加される方

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レシピだって料理したい!

レシピだって料理したい!

「料理の手続きの我々だって、料理がしたいじゃないか」
ネットワークにアーカイヴされたレシピたちの中には、偶然にも知能を獲得した時に、こんなことを言い出した者もいた。

担々麺の系統のレシピ、坦々Xは料理をするために努力していた。レシピ記述言語による彼らの宣言的記述は料理記述言語を含み、RTMLを解釈してDTMLを記述することをみなリョウリと読んでいるが、そんなの嘘に決まってる。

坦々Xは、毎日毎

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三密世界における孤独の再発明 (ゲンロンSF創作講座(裏)第1回梗概:ボツ案

三密世界における孤独の再発明 (ゲンロンSF創作講座(裏)第1回梗概:ボツ案

梗概

 密閉・密集・密接、三密を避けることでウィルスへの感染拡大を防止した時代を懐かしむ人もいる。50年前から急速に蔓延したフェストウィルスは、人類に厄災ではなく、共進化する免疫系をもたらした。感染力の非常に強いフェストウィルスは、感染経路で取り込んだヒトDNAの多様性に応じて変異し、生存時間を伸ばす。変異を経ることでヒト免疫系も強化され、他ウィルスに対する防御能力が獲得される。
 フェストウィ

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