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活字中毒者として生きる[21~30]

「本好きへの100の質問」、第3回目。
前回は積読することへのこだわりと愛を語ったつもりだが、意外と文章化が難しい。
時間が空いてしまった言い訳の一つとして、(極めて自己満足的な記事だな、いや記事と言えるのか、何のために書いているのか…)と病みかけていたことがある。
最近になって、(いや他人のための文章などあるのか?結局は自己表現の場なんだ!)と謎のポジティブ人格が出現し、結局100に行くまでやってやろうと思った。

この記事をわざわざクリックしこの数行目まで読んでくださってるあなた、ありがとう。でも別に何にもありませんよ。
ただなんでもない何の役にも立たないこの文字列から、何か思うことがあればそれはまあいいんじゃないか。そんなゆるーいスタンスで生きていきたいよね、という人格も私の中に存在していたりする。
自分の中の矛盾が気持ち悪くて気持ちいいことってあるよね。


そして、ぜひ「本好きへの100の質問」を検索してみてほしい。
本当に人によって多様だと、あたり前のことながら思わせられる。
普段自分はどのように読んでいるか、そのこだわりはどのようなものかとご丁寧に説明する機会がない分、このnoteで少し見せた私というに人間のいち側面がとても新鮮に感じるのかも。

第1回、第2回はこちら。



21.既に持っている本を、誤って買ってしまったことはありますか?その本のタイトルは。

どうなんだろう。多分ないと思う。

前に一度読んだ本はほとんど覚えているタイプ。
内容はかなりすぐに忘れてしまうけど、誰のどんな本なのか、蔵書は自分の頭に整理されて入っているつもり。

そもそもシリーズ系は1番から順番に読んでいきたいタイプだから、次自分が何を読まなければならないのかを常に把握しているような気がする。
私は小説を通じて語彙力や読解力を高めたいだとか、そんな高尚な目的は生憎持ち合わせていない。だから小説は一本の映画のような感覚で捉えているし、詳細なあらすじはすぐ忘れてしまうのだ。
それでも作品1つ1つの存在は認識して忘れることはない。

あと、読み途中の本が常に複数冊ある。
体調がかなりコロコロ変わることもあり、活字に酔わない体調の時に一気に読み進めたりもする。
気分も移り変わりが激しい。今日はこんな本を読みたいな、今読んでいるドロドロ系はやだな、といった具合でそれぞれの気分に合わせられる候補を用意している、といった具合だ。
だからそもそも手一杯の状況で本を新たに購入することはここ最近でほとんどないし、二重に買ってしまうことはないのだろう。

22.気に入った本は、自分の手元に置かないと気が済まない?

うん、絶対に手に入れるタイプ。

これは前回も書いたのだけれど、私は本との出会いを大切にしていて、そのつながりを「購入する」という行為を通して確固たるものにしている。
「出会いの冷凍保存」である。

膨大な世界中の本屋のあらゆる本棚のたった一つの本に出会うということは、なかなか奇跡的な出会いであると言える。(略)簡単に膨大な情報の中に溶けていってしまうだろう。それがいくら本や紙といった物質を伴っているとしても。
だから私は本との出会いを大切にする。
そしてその出会いを冷凍保存するかのように、金を出して所有することで自分の本棚に仕舞い込むのだ

つきちゃん、「活字中毒者として生きる[11~20]」、第15問

気に入った本と関連する話として、図書館や書店での出会いは、大体3つに分けられると思っている。
1つは、森博嗣や湊かなえなど推しの本。出会ったら問答無用で購入。
2つは、いわゆるジャケ買い。夜空やねこの本は特に惹かれてしまう。純文学は何回も装丁が変わっているし、箔押しなんかされてたらもうコレクション気分で買っちゃうよね。
そして3つ目が、たまたま、何の脈略もなく手に取った本。装丁がパッとしなくても、普段読まないジャンルでも、聞いたことのない著者でも、なんとなく目に入って手に取る本がある。
「運命的な出会い」などと非科学的な表現を全肯定するわけではないが、無意識のうちに作り上げていた興味の枠組みを超えられるようで好きな瞬間だ。

正直本を購入したり手元に保管し出したのはここ1年の話で、今までは読み終わったら即買取に出してた。試行錯誤の末良い「本との距離感」を見極められたような気がしている。

23.本に関することで、悩んでいることは?

一つは、「活字に酔う」こと。
これは共感いただけないかもしれないが、私は自律神経が絶望的に弱い。
だから車で読書するなんて論外。気分がいい日なら電車で読めるくらい。

でも、活字に酔うなんて幸せなことだ。酔える活字があるということだ。
地域の小さな図書館の蔵書でさえ一生かけて読めるかわからないのに、世の中には気が遠くなるほどの本が溢れている。
体調がすぐれないのはよろしくないが、それも含めて「本に人生を狂わされている」感覚がして嫌いじゃない。(あ、でも悩んではいる)

もう一つは、読書仲間がいないこと。
もちろん本をよく読む人間はいるけど、特に好きな作家が同じ人には出会ったことがない。もちろん読書メーターなどのSNSアカウントはあるけど、読書家としての一面しか見せていない平面的な自己に執着はない。

3次元の、色んな意味での「立体な私」を以て語りたい。
別に良かったよねー面白かったよねー程度の薄っぺらい会話しかできないだろうけれど、読書という趣味を媒介して人と出会いたいなどと思っている。

24.速読派と熟読派、あなたはどちらに該当しますか。

熟読派。 

これはあんまり好きな質問じゃない。というのも読書を速読熟読という観点で語るのは不毛すぎると思うのだ。
もちろん限られた人生、時間の中でなるだけ多くの本を読み切ろうとする試みは合理的だが、それでも何かつまらないように思う。
私はこれだけの本を読みました!と褒めてもらいたい気持ちなど微塵もないが、何を目的とし何を手段とするのかの違いとも言えるだろうか。

「数十冊の本をこの一冊にまとめました!」系の本は嫌いだけど、世の中的にはある程度需要があるのだろうね。
ただし論文はそのような側面が強いような気がする。先行研究を整理するところから研究は始まるとするなら、限られた人生の中の研究とは意外と速読が求められるものなのかもしれないね。

25.本を読んでいてわからない言葉があった時、意味を調べますか?

必ず調べる。
その時の気分と体調によってさらさらと読み飛ばしたりじっくり読み込んだりする差はあっても、筆者の表現のできるだけ全てを汲み取って全てを享受したいという欲求に素直だ。

意味を調べる、ということで思い出したのだが、中高は学校にスマホ持ち込み厳禁だったため電子辞書を最大限活用してやろうという試みを勝手にしていた。
暇な時(主に授業中)に内蔵された純文学集を読破するというしょうもないチャレンジなのだが、電子辞書の機能として選択した語彙をそのまま内蔵された辞書の中で検索できるという機能がある。
純文学だから難しい語句も多く、今振り返ってみればあれはかなり国語的勉強になったんじゃないかな。

それにしても、本を読む人=国語力が高い、文章が書けるという認識をされることがよくある。言い回しや語句は勉強になってもそれを目的に読んでいるわけではないし、なんだかなあ。
大学に入学して衝撃を受けたことの一つは読書家があまりにも少ないことだ。院生先生方はもちろん別として、「本を読む人」と認識をされることで、ああ私はマイノリティに位置付けられているのだなと実感する。
だから「本を読む人」という表現自体にも大いに不満があるのだが、その話はまた別のどこかで。

26.本を読む場所で、お気に入りなのは?

近所の喫茶店、カウンターの一番奥の席。

朝9時から夜の0時までの営業で、通学前や飲み会の帰宅後に寄る。
アイスロイヤルミルクティーとジャムトーストサラダなし、ガムシロは2つ。
12時までのモーニングに間に合えばトースト¥80で¥580。酒も置いているので夜はたまにひとり飲みする。

インスタのアーカイブから発掘してきた。いい写真。

ここの喫茶店は少し変わっていて植物や花がテーブルに侵出し、小さい椅子は軋んで不安定。薄暗い店内、青や緑の電飾が置いてある席に当たると本が読みにくくて仕方がないからそこを避けて座る。
手が汚れるからジャムトーストはとっとと食べ終わり、わざと残しておいたいちごジャムをちびちび舐めながら本を読む。たっぷりの氷でキンキンに冷えたロイヤルミルクティーは、寒い冬でも意外といいもんだ。

家で暖かくして膝に猫を置きベッドでくつろぎながら読むのも素晴らしいが、必ずいつの間にか寝てしまうのでよくない。
本を読むときはしっかりと椅子に座って。でないと集中できない。

27.あなたは今、めったに読むことのない分厚い本を前にしています。ところでこの本「すごく面白い」という、いつもは信頼できる情報を得たはずなのに、最初の部分がやたらにつまらない。そんな時どうしますか?

時間をおいて再トライするチャンスを与えてあげる。

私にとってハリーポッターがそうだった。
どうやら面白いらしい、世界中で大ヒット、ファン続出…。というような大層な肩書きを目の前にしても面白くない。というより翻訳の癖が気になって仕方がない。
調べてみるとハリポタの翻訳はひどいと話題になっているそうだが、原著にトライする英語力は生憎ない。前回読んだ時からだいぶ時間が経っているから、そろそろ再トライしてみよう。

「めったに読むことのない分厚い本」で言えば、現在私が大学ゼミで輪読している『観光のまなざし』がそれにあたる。
観光社会学の必読書、今まで大学の講義な度で散々耳にしてきたかのジョン・アーリの著作がこんなにも難しくて訳がわからないとは思わなかった。
はい、わかってます。単なる勉強不足です。
彼の書いた時代背景と観光社会学のこれまでの先行研究を汲み取った上で議論上の立場を明確にすれば理解できるのだろうか。まだまだ道は遠い。

28.本を読むときに、同時に何かすることはありますか?

読書に必要な環境条件を記しておく。

✔️薄暗い部屋、日光もしくはオレンジ色の間接照明
 基本的に薄暗い部屋が好き。
 朝は日光だけ、夜はIKEAのスタンドライトだけで生活している。

✔️静かで誰も話しかけてこない環境
 誰も話しかけるなオーラを放つには特殊な訓練が必要。

✔️暖かい紅茶、お茶菓子

✔️学術書であればマーカーペン
 あのクリーム色と相性が良いのは無印の水性サインペン、あんずいろ。
 ローソンにも売ってるよ。私はこれを常に10本は常備している。

✔️3又のブックオープナー(手を離して机に置いて読みたければ)

✔️あわよくば猫
 あったか愛しのネコチャン。 ただしトイレにも動けないのでご用心。

✔️頭に入ってこない程度の適度な雑音とBGM 
 ジャズやボサノバはドラムのリズムが思考を邪魔するからよくない。
 ピアノが一番だね。

おすすめBGMリスト↓


29.読みかけの本にはさむ栞は、何を使っていますか。

まず紐が付いている本の場合はありがたく使わせていただく。

次に紐がついていない本の場合。
ページ数を語呂で覚える、これ一択!
187→イヤだな、64→虫、253→煮込み…とこんな感じ。
むしろ語呂を覚えやすいページが来るまで読む癖がある。

今までいろんな栞を試行錯誤して使ってきたけど、必ずカバンの中で迷子になるし紙に跡が付くし…と良い栞に出会えたことがない。
おすすめの栞あればコメント欄で教えてくださいませ。

30.ブックフェアのグッズを新たに誕生させてくれることになりました。あなたが「これならほしい」と思うグッズを教えて。

ページオープナーと読書台が欲しい。
先述した三叉のアレ、ページを固定できるのはありがたいのだがマーカーを引きづらいのとページをめくりにくいという難点がある。
それと机に置いてだとなんだか読みづらいから読書台が欲しい。
ダイソー、紀伊國屋、ロフト、無印、今までどれほどの雑貨屋を歩き回りどれほどの読書台を試したことだろうか。

私が求めるものは3つ、
ページの固定とめくりやすさ、マーカーの引きやすさ、ちょうどいい角度の読みやすさ!

約3000年人類は本と向き合い続けてきたのだから、そろそろ解決するようなグッズが出ても良いのではないだろうか。


最後はただの愚痴になりましたが、第3回以上。

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