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読書|ワンダフル・ライフ

数年前に書店で見かけて面白いかもと思ってそのまま忘れていた本。
某メル○リで見かけて、読んでみようと手に入れました。

ココからネタバレです。
気になる方は、ここから先は思いのままに進むなり、立ち止まるなりをお任せいたします🙇‍♀️

— ネタバレ・ライン —

この物語は、介護する側と介護される側の物語。
言い換えると、健常者と障害者の心の在り方が問われる物語。
悲しい史実を加味し、著者自身の経験と思いが強く反映された著書であると感じています。それだけに、本書の内容は(良く言えば)読み応え抜群。
序盤から中盤を使って、終盤に向けた布石がうまく散りばめらていれます。
エンドロールという章(映画のエンドロールと同じような感じ)と、年譜があることがこの本の醍醐味であると思います。

私の大切な読書メータのお気に入りの方がこのような感想を書かれておりました。
「構成の妙」
そう、この物語は構成が素晴らしいと思うのです。
読み応えの正体はそこにあるように思います。


もし私が、
何かの事故に遭遇し、
体のどこかを損傷し、
自由に動かせていた手足が動かせなくなったとしたら。

もし私が、
障害を持って生まれ、
それを当たり前として生き、
ある日、それが当たり前ではないと気付かされたと感じる日が来たら。

その時、私は、私たちは、どうする?
その時、あたなは、あなたたちは、どうする?

物語は4つの話から始まります。
その話が並列に進む構成。そしてこの物語たちは一つに収束するのではないかという予感。
終盤からエンドロールに向けて駆け上がるように進む物語。
向かう先は闇なのか、それとも。

読書メータに書いた感想をこちらに転載。

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健常者と障害者の境界線はどこにあるのだろう。
私とあなたの間に線を引く。
線引き自体が間違っているのではないかと気付かされる。

「あなた」を受け容れるために、
「私」を受け容れてもらえるためには何をすればいい?
この思いも偽善であり自分勝手な思いなのだろう。

著者の気持ちが強く反映されていると思う本書。
闇の底でもがく俊二に光が訪れたと願いたい。
摂の思いはどこに向かっているのだろう。
将来対峙するかもしれない障害。
考えさせられることの多い一冊。
It’s Wonderful Life.でありたいと願う。
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読了後、並列に進んでいた物語を整理するために書いた文章をキャプチャ


著者が「ワンダフル・ライフ」と題した理由をずっと考えています。
彼女はワンダフルな事象を生きる運命だったのか?
彼がワンダフルな生き方に遭遇したのか?
真実は物語に登場する彼女と彼のみぞが知る世界。


私たちは、想像の域を出ることなく彼らの思いを汲み取るしかないのだろう。


[ Wonderful:形容詞 /ˈwʌndərfəl/ ]
・素晴らしい
・驚くべき
・不思議な

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