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『余裕のなさ』の正体

演劇ワークショップ『play room』に参加して早くも3ヶ月が経とうとしています。
演技を学ぶということに収まらない経験に見えて、ちゃんと学んだことが全てそこに集約しているのが分かる毎日です。

play roomについては私が詳しく書くよりもHP見てもらった方が多分良いかと思います。詳しくはコチラ↓

https://room42act.wixsite.com/playroom

簡単に言うとマイズナーテクニックという演劇のメソッドを学んでいるのですが、しかしそれにとどまらず、それぞれの個人を尊重し、生きる上で感じている疑問や迷いや気づきをシェアして考えていこうという土壌がある場でもあります。

私にとってはこのplay roomの場がとても良い気づきの場になっています。成果も課題も毎日増えるけれど、今日はその中でも個人的にデカい気づきをシェアしたいと思います。
それは『余裕』についてです。

長年の自分の課題の一つに『余裕がない』ということがあります。
私がいう余裕がないとは、例えばあれこれやらなければいけないことが溢れて頭がいっぱいになって、結局何一つやり遂げることができなかったり、ちょっと注意を受けただけで重く受け取りすぎてしまいしんどくなってしまったり。単純に時間もないし、そのせいで気持ちも焦ってしまう。なぜか私ばっかり忙しい......。
直接関係のないことかと思いましたが、そういうことが案外演劇に繋がるものなので(というのをそこまでのWSで学んでいたので)、思いきってWS中にシェアをしてみました。
意外に反応をもらい、世莉さんの声かけもあって、みんなが実践している余裕のない自分との向き合い方を沢山知ることができました。

その中で私が具体的な行動で実践しようと思ったのは二つ
①習慣づけ
②紙に書き出す
でした。

習慣づけの話は世莉さんからもWSの中で話がありました。
ある行動が面倒だなと思っても、続けて習慣にさえしてしまえば、それが当たり前になって苦ではなくなります。
自分にとって良くないことを繰り返していると、それが体に染み付いて悪習慣になってしまうし、反対にそれを良い習慣に置き換えていけば良い習慣を身につけられる。
単純な話ですがやってみると意外と根気が要ります。とりあえず私の最大の悪癖は「夜更かし(いわゆるリベンジ夜更かしってやつ!)」なので、その原因となる事柄をいくつかピックアップして噛み砕いてみました。

【夜更かしの原因となるもの】
寝る前のスマホ、安眠できない体のコンディション、落ち着かない状況etc...

【改善するためにやること】
スマホとの距離を取る(夜の習慣)
お風呂から上がったらすぐストレッチ/朝起きたら布団の中で寝たまま筋トレ(寝る前、起きがけの体のコンディションを整える)
歩きながら音楽を聴かない(落ち着く状況を作る)

今まさに実践中になりますが、これが100%できているかというと、別にそういうわけでもありません。でも以前より出来る日が増えてきています。
習慣づけのこれまでのイメージは「やるぞ」と思ったら切り替えて、一度でもできない日があったら振り出しに戻ると思っていたけれどそういうわけではなくて、少しずつ自分のものにしていくんだということを知りました。これも頭では分かっていたんだと思うけれどね!つくづく理解するのと会得するのは違います。

そして二つめ、紙に書き出すやつ。
これが私にはとても効果的で、一気に生活がしやすくなりました。書くこととそれが視覚的に残ることも大事ですが、実は書かれていないことがめっちゃ大事でした。
最初に書きましたが、私はあれしなきゃこれしなきゃ症候群に罹りやすく、すぐ頭の容量を目一杯まで使ってしまいます(共感してくれる人、遠隔ハグ!!!)
そのせいでいつもヘトヘトだったのですが、紙に書き出すと、何か紙に書いてないことを思い出しても
(でもリストアップしてないやつだし、先にリストアップしたやつからやればいいし)
と思えるようになりました。
物事に優先順位をつけられるようになったのです。これが私にとっては思ってもみない産物でした。

以上、ワークショップでシェアしてもらった余裕のなさ対策と、その効果でした。

そしてここから自分で気がついたこと。
自分の『余裕のなさ』は時間のなさとイコールなのではなく、心の持ち方の問題でもあったということです。

先日、職場でちょっとしたミスをしてしまったときのことになります。そのミス自体は今思えば別に大したことではなかったのですが、私は必要以上に重く受け止めて落ち込んでいました。そのとき職場の人に言われたのが「あなたの余裕のなさは自信のなさと直結している」ということでした。
私がいつも言う「余裕のなさ」の正体は掘り下げてみれば、どうやら悪習慣でも忙しさでもなく「自分はこれだけしかない」と自分を低く見積もってしまっていることらしいのです。
自分を低く見積もっている人は、常に「もう後がない!」と思っているため、万年背水の陣になってしまいます。故にちょっと周りに何か言われただけで「攻撃されている」と思い身構えてしまったり、簡単なことをこの世の終わりぐらい重く受け止めてしまったりする、というのがその人の主張でした。全く自覚がなかったにも関わらず、言われてみると思い当たる節がいくつもあったため、私はその話を素直に受け止めることにしました。
『なぜか私ばっかり忙しい......』と先程書きましたが、それは私の認知の歪みで、実は私以外の人間も忙しいし余裕がない。
「余裕がない」話をした際、参加メンバーから「あぁ〜」と共感の声が漏れました。
これが私にとってはセンセーショナルなことで、その瞬間自分でも驚くくらい安心しました。全く無意識のうちに、私は自分に『世界中で私だけがダメ!』と言い続けてしまっていたのだと気がつきました。

そういえばこれまで『余裕のなさ』を指摘してくる人たちは大抵「あなたはこうだ」というトップダウンの指摘だった気がします。私は気付かぬうちに上からされる評価に縮こまり、その評価を自分自身にも課していたのかもしれません。
「余裕ないよね、分かるよ」
「じゃあどうしたら良いんだろうね、一緒に考えていこう」
「この中で余裕がないよーって人、挙手!」
ワークショップで対等なシェアが出来たことが、私にとっては大きな大きな財産になりました。
自己否定の言葉を知らないうちにかけてしまうという悪癖はなかなか自覚が難しく、抜け出るのは大変だけど、余裕のない自分に気がいて行動まで移せた私なら多分乗り越えられると思います。

「役者である前にまず自分の人生の充実」という世莉さんの言葉が心にあたたかく響きます。人生を投げ打っても、自分を苦しめても仕事を充実させるのが役者!という考え方は、確かにある一定の人たちにとっては真理なのかもしれません。正しい形なんて人の数だけあるし、いろんな人の人生に触れながら、私も自分の役者としての生き方を見つけていきたいです。

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