「すみません」で楽をしない。

物心がついた時から「『ごめんなさい』と『ありがとう』はすぐ言える人になりなさい」と親から教えられてきた。

その教えのおかげで、救われた場面は数多くあったように思う。

例えば道端で人とぶつかった時に、反射的に「すみません!」と言えたおかげで、無駄なゴタゴタに発展せずに済んだことがあった。

相手に明らかな悪意や敵意があれば別だが、どっちもどっちで片方が先に謝りさえすれば場が丸く収まるよね、という状況で「ごめんなさい」を機械的に言えるのは、自分の長所でもあり短所でもある。

そういった背景もあり、ふと「すみません」が自分の口癖になっていることに気づいた。

色々なパターンがあるが、「お忙しいところすみません!〇〇の件でご相談させていてだいてもよろしいでしょうか・・・!」「遅くなってしまってすみません。」「すみません、今ちょっと手が空いておらず。。。」のようなレスをよくしている。

「すみません」は使いやすい言葉なのでつい乱発してしまいがちだが、「すみません」と言うことで自分の立場が下であることを強調し、無意識に楽をしようとしていたのかもしれない。

もちろん自分に明らかな非がある場合は、しっかりと謝罪の言葉を口に出すべきだ。でも、悪いことをしていないのに「すみません」が口癖になっているのは改善したほうがいいかもしれない。

それに、仕事がデキる人が「すみません」を使っている場面をあまり見たことがない。

彼らは「すみません」と言わなきゃいけないような状況をなるべく作らないようにしているのではないか。

これは決して『プライドが高くて謝れない』といった話ではなく、プロフェッショナルとしての責任を持ち、常に価値を生み出しているので、「すみません」と言わなきゃいけない場面がそもそも少ないのではないか、という話である。

自分に力がないと感じている時ほど、「相手の時間を奪ってしまって申し訳ない」「価値を提供できておらず肩身が狭い」といった感情から、不必要な謝罪をしてしまいがちだ。でも、きっとこれはやめたほうがいいんだろうな。

力が足りてないなら、「すみません」を多用して楽をするんじゃなくて、さっさと力をつければいい。「すみません」を言わなくて済む人になろうと努力するべきだ。

どんな場面でも絶対に謝らない!と頑固になってしまうとまた違う弊害が出てくるので、ここの塩梅が難しいんだけど、ひとまず仕事やビジネスの場では『「すみません」を使わなくていいような立ち居振る舞いをする』を目標にしていこうと思う。



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