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フェミニズムについて思うこと

3月8日、国際女性デーをきっかけに、フェミニズムについて考えていることをまとめようと思います。

コペンハーゲンで行われたInternational Women's Day のデモ "ALL FEMINISTS TO THE STREETS"に参加して感じたことはこちらのノートに詳しく書いています。


フェミニズムについて思っていたこと

私はどちらかというと、フェミニズムについてあまり強い主張を持っていないほうだと思います。「女子だから、女性だから」と何か理不尽で嫌な経験をしたことが今まであまり無いからかもしれません。日本で社会人になったら、もっと強く感じるのかもな、と思ったりもします。

私は、男女は違っていてあたりまえで、もちろん一概には言えないけど得意、不得意があると思っています。身体的、精神的にも違う。だから、男女が全くの平等になればいいとも限らないんじゃないかと思っています。

だから、フェミニズム!!女性差別!女性の権利!女性!女性!って言っているのが、なんか逆に偏っている気がして、ちょっとヒステリックだなあ、なんて思っていました。ですが、いろいろな経験を経て、フェミニズムは女性だけの問題じゃなくて、社会全体で考えていくべきことなんだなあと認識するようになりました。


デンマークのフェミニズム

デンマーク人の女の子の友達とフェミニズムの話になったことがありました。その子は自身をフェミニストだと言っていて、日本人の目から見れば男女平等の進んでいるように見えるデンマーク社会に関しても、未だ残っている男女の不平等を問題視していました。

(ちなみに、デンマークでも女性の就業率が比較的高いとはいえ業種に偏りがあったり、合法の売春が行われているなど問題はたくさんあるようです。)

また、デンマークにはフェミニズムを掲げて支持を得ている政党があると言っていました。日本にも、いろいろと書かれたマニフェストの中に「女性の地位向上」などと書かれている政党はあるんだろうけど、「フェミニズムといえばこの政党」みたいなものは無いなあ、と。

そんなふうに答えると、
「国民の関心ごとが正当に直接反映されていなくてかわいそうね。じゃあフェミニズムの人はどういう政党を支持したらいいの、、?」
とその子に言われました。

ここで思ったのは、日本ではまだフェミニズムが国民の支持を十分に得るための主張だと思われていないのかな、ということと、日本での選挙の際は政治家も、国民も、短期的な利益や目標にばかり注目してしまっているのではないか、ということです。

別の機会に聞くことがあり、詳しくは理解できなかったのですが、デンマークには多くの政党が存在していて、短期的な目標を掲げるところもあれば、このようなフェミニズムや環境問題などのような長期的な目標を掲げるところもあるらしいです。

日本の社会が多様化していることは、多くの人が感じているのではないでしょうか。社会を有様を政治にも反映して、政党の在り方を考えなおし、もっと多様性をもたせた方がいいのかもしれないなあ、なんて思いました。


機会の平等

話が逸れました。

前述のとおり、男女にはいろんな差があるため、全くの平等なんてむしろ良くないんじゃないか、と思っていた私は彼女に、そういった男女の差がある中で、どのような平等を理想としているのかを聞きました。

直接の答えになっていないかもしれないけど彼女はこう言いました。
「社会には男性と女性がほとんど半分ずつ存在するのに、会社のトップや政治のトップにいる女性の割合はそれより明らかに低い。市民に大きな影響を与える物事が決定されるそういう場面に女性が少ないのはおかしいと思う。」

なるほどなあ、、と思いました。リーダーシップのとり方はいろいろあるにしろ、そういう場面に著しく女性がいないのは問題です。日本は女性の議員が国際的に見てもかなり少ないことが問題になっていることを思い出しました。国民の約半分は女性であるのに、その声を代表してくれる人が少ない。そのような、何かの組織のトップに位置しようとするときに、女性にだけ何かの壁があったりするのなら、それは問題だと思いました。機会の平等の実現という言葉がしっくりくるかなと思います。


将来の夢は「お嫁さん」と「ヒモ男」

機会の平等に関連して、以前からもやもやしていたことがすっきりしました。

私が小学校のころは、まだ共働きという家庭が少ない方だったと思います。帰宅時に家に誰もいないから学校に家の鍵を持ってきている"鍵っ子"がかっこいいなあ、なんてちょっと憧れていたものです。私の家もそのころは母が専業主婦だったので、家の稼ぎはお父さんが働いて得るもの、というイメージがありました。

だから、正直女性は結婚すれば養ってもらえるし、就職っていてもきっとその会社では5年も働かないんだろうな、なんてお気楽に考えているときがありました。女子でよかった、って。逆に男性は家族を養うだけのお金を稼がないといけない。良い仕事につかないといけないっていうプレッシャーがあるんじゃないかな、大変だなあ、ちょっとかわいそうって思っていました。

私の周りだけかもしれないけど、女の子って将来の夢として、「お嫁さん」とか「良いお母さん」って言う子よくいるじゃないですか。でも逆に男の子が「お婿さん」とか「良いお父さん」って言ってるのはあんまり聞かない気がして。そういうところにも、潜在的に男女の役割分業的なイメージが表れているのかなって。


でも、やっぱりこれっておかしい。女性の中には専業主婦になりたい人とか、仕事を持つとしても家庭や育児を優先させたい人もいる。でも、働きたい人だっている。何か志を持っている人、仕事が楽しい人、家族を養う人。いろんな女性がいるのに「女性だから」でひとくくりにして機会が制限されていたり、理不尽に家事や育児が押し付けられているとしたらそれはやっぱり不平等だと思う。

同じように、男性だって、バリバリ働きたい人、子供ともっと時間を過ごしたい人もいれば、女性に経済的に依存したい男性だっているんじゃないかな。でもこういう人ばっかり「ヒモ男」って非難される。「お嫁さん」も「ヒモ男」も実質的にはあんまり変わらないような気がするけど、後者の方がマイナスなイメージを受ける。

「男性だから」上のポジションを任せるとか、大事な仕事を任せる、安定したポジションを任せる、経済的に自立していないといけない、って思われていて、男性の方が機会が開かれているとしたら、それも問題なんだと思う。


FEMINISM IS UNISEX

つい最近起こったいくつかの医学部で明らかになった入試の際の男女差別の問題。こんなあからさまな性別による機会の不平等が、今の日本の社会に残っているなんてかなりショックでした。

男女の機会の平等、というのはフェミニズムの一側面でしかありませんが、それすら改善していく余地がまだたくさんあるんだと思います。

フェミニズムは決して女性だけの問題じゃないんだと実感しました。女性だけがヒステリックに平等を求めていてもなかなか状況は変わらないと思います。

FEMINISM IS UNISEX
フェミニズムはみんなの問題です。社会のために、みんなが考えるべき問題だっていう認識が広まればいいなって思っています。


最後まで読んでくださってありがとうございます!