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花瓶(ポエム集より)

この花瓶の形を覚えているだろうか
この花瓶のデザインを覚えているだろうか
この花瓶を思い出すことがあるだろうか
そこにはどんな花が咲いているのだろう

言葉にできないものが溢れだしていた
水の無い花はやがて枯れ
しかしまた花を探し続ける
その中を満たし続けなければと
はやるものは時を加速させる
結局はそこに水を満たさなけらば
ぽっかり空洞があいたままなのだ

時折メディアで見掛ける景色
それは世界の違いを再認識させる
それが大きな意味を持つかどうかは
彼と彼女次第
巷に広まる大きな花園
それは世界の距離を再認識させられる
それが何かの意味を持つかどうかは
僕と君次第

言葉にできないものが溢れだしている
水をはり始めている
しかしそこに花はない
違う世界で生きる
それがしごく当たり前のことで
だから花瓶にはそのうちまた花が飾られる

あの時ああしていたら
あの時こうしていれば
たらればなんて今更どうでもいい
この花瓶に運命を感じたことに偽りがないのならば

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