📕さくらももこは特別。

私は、読書が苦手な30代です。つなもちと言います。

のっけから何を言うんだという感じですが、
結構こういう人はいるんじゃないかなと思って仲間を見つけたい自分がいる。
また、こういう自分が長年のコンプレックスだけど
特に変わらないまま何年も、何十年も(!)経ってしまったような気がして
焦燥感がずっと自分を支配している。

読書が嫌いなのではなく、苦手。
何歳からこうなったのだろうか。
幼少期、私は結構本を買ってもらっていたと思う。家にもたくさん本があったし、母親と妹は本が好きで、色々な本を読んでいるのは目にしていた。そういえば、小さい頃は2週間に1回図書館に行くのが楽しみだったっけ。

多分、10歳位から本を読まなくなったと思う。
今30代なので、20年くらいちゃんと本を読んでない。つまり、人生の殆ど本に触れてない。
でも、今の自分が魅力を感じる人って、
きれいな人でもなく、かっこいい人でもなく(それはそれで素敵なんだけど)
「(多分)たくさんインプットとアウトプットをしてきた人」なのよね。
その人から発せられる言葉や文章に魅力を感じることが多くある。

私が本を苦手な理由はどうでもいいような気がするけど、
思っているのは、小さい頃は読みたい本を読んでいたけど、
10歳くらいになったら何を読みたいかじゃなくて
「この本を読んでいたら周りになんて思われるか」が軸になってしまったような気がする。だから本が面白くなくて、何を選んだらいいかもわからなくなっていた。

今もわりとそうだ。
今私は普通の会社員だけど、専門的な知識をちょっと必要とするので
仕事に活かせそうな本なら選べるけどそれって読みたい本ではない。読んだほうがいい本を選んでしまう自分がいる。

だから、まずは「これを読まなきゃ」「仕事に使えるかな」という考えで選ぶのを辞めることにした。たまにそういう本を読むことはあるかもしれないけど。今週はちょっと時間があるので、読みたい本を読もうと思う。

前置きが長くなった。(まさかの前置き)

まず手に取った本は
さくらももこ著『ももこの21世紀日記 No.1』

いきなり絵日記。

さくらももこは私の中で特別だ。
すでにお亡くなりになってからもう5年が経つなんて…
上記の、「何を読んだら良いかわからない時期」でも、さくらももこは読みたいと思って読めた唯一の作家さんだった。
そういう人ってきっと結構いるはず…

今日読んでみて思った。この人はやはりすごい。
この21世紀日記は、日常の絵日記が描いてあって
活字慣れして無くてもサクサク読める。
本自体が久々なのでエッセイ集じゃなくて絵日記をチョイス。
ただ事実を綴っているように見えるんだけど、くすっと笑えたり、なるほどねと思ったりする。
個人的にすごいなって思ったのは、父ヒロシが金魚や植物や犬の世話をしてくれるという話の中での表現。

彼(ヒロシ)は役に立たないと言われるが、そういう世話をしてくれるから結構役に立っている。しかし、ヒロシの世話は母がしているので、その辺の事情で役に立たないと言われがちなのだろう。

一字一句この通りじゃないけど、
本当にそうなんだろうなってプッと笑ってしまった。頭の中でそう嘆く母すみれさんが浮かぶよ。

他にも、息子のさくらめろんくんがまるでミニさくらももこのような言葉遣いをするのが面白い。ヒロシが時計を壊しちゃったけど、いい時計だから一応飾っとくぞ、とヒロシが言ったら、意味ねぇじゃんと怒ったり。かわいいなー。

昔はあとがきなんてさらっとしか見てなかったけど、
さくらももこの原点であろう考えが載っていた。
政治も世界も色々あるけど、人間の幸せの根本は日常生活にある
というあとがきがとても素敵だった。

きっと平凡な日々でも、さくらももこのフィルタを通して見たら
宝物の日々なんだろうな。

初めての更新だからかつい熱が入ってしまった。
もう1冊さくらももこのエッセイがあるので、
それも楽しみ。
本を読むのが楽しみだなんて、嬉しいな。何年も感じなかった気持ちだ。

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