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海士町探訪記2日目「海士町が"人さらいの島"と呼ばれる理由が、なんかわかった気がする」

サムネイル画像はお散歩中に取った境川での一枚。雲がきれいね。

海士町での2日目も、いろんな出会いがありましたよ。

本日の海士町探訪

朝6時半に起床。宿のデッキの椅子に座りながら日課の座禅を。小雨の降る海の水面が朝陽でキラキラと照らされるのを眺めながら、ええもんだなぁと。

朝食は近くにあるマリンポートホテル海士のお弁当が運ばれてきます。美味しい。

宿で少しゆっくりしたあとに、港の商業施設までお散歩。朝の雨はすっかり上がって秋晴れの様相。

お昼は菱浦港にあるレストラン「船渡来流亭 (せんとらるてい)」で。いかつい店名ながら、内装はほどよく清潔感のある整いで居心地よし。名物の寒シマメ漬け丼でランチを。シマメとは、冬に捕れたスルメイカのこと。うまかったー。

お昼ごはんを終えたら近くの海辺へ。レインボービーチは綺麗な青。

防波堤の先っちょで寝っ転がりながら、これからの人生について考えたりしました(結局、海と雲を眺めていただけだった)。

その後は島内の散策。レンタサイクルは予約必須であることを知らず空きがなかったので、徒歩にてゆったりと。島なので、坂道も多いです。海士町は平野もわりとある特異な地形みたいですが。

島で唯一の信号機。信号がなくても運転する分には困らないみたいですが、島の子どもたちが信号の存在を知らずに本土に出ることがないよう、ここだけは残してあるみたいです(とはいえずっと黄色点滅してるだけだから、交通整理という本来の役割を果たしているのかは疑問)。

島で唯一の本屋、ブックスたなか。

歩みを進めること50分。目的地の海士町中央図書館に到着しました。

とっても感じのいい図書館。島民のみなさんの文化交流の場としても大切な役割を果たしていた。

のどかな風景を見ながら読書できるの、最高じゃないですかね。ちなみに今日は、ここでしか出会えなさそうな3冊を流し読みしました。『後鳥羽院のすべて』『隠岐島の伝説』『日本流人島史』……どれもなかなか興味深かったです。

夜はお呼ばれして、島のみなさんとお寿司パーティーを。

ぜ、ぜいたくな……🍣🍣🍣

大人、子ども入り混じってワイワイと。島での暮らしについてもいろいろとお伺いすることができました。美味しい&楽しい時間をありがとうございました。

海士町探訪後記

やはり「ないものはない」のだ
事前に気候をあまりよく調べずに来てしまったため、Tシャツ短パンしか用意してこなかったのが裏目に出た。夜は16℃くらいまで下がるので肌寒い。当然ユニクロとかないので、薄手のカーディガンでしのぐしかないのですが。まぁ、ないものはないので。愚痴は言わずに、それでどうやって過ごすか?ということに頭がすぐに回る。これがこの島での暮らし方か(いやまぁ、常識的に考えて長袖のひとつやふたつは持ってこいよという話なんだけどさ)。

人生は雲の流れのように、なりゆきに身を任せるのもまたよし
レインボービーチで海を眺めながら、20代ラスト3年半をどう生きるか、30代はどんな自分でいたいか、みたいなことを考えようとしていた。けれど、そこに拘泥するのもなんか違うなと思った。

まったく同じ形の波や雲がないように、人生もまた流れゆくものなのだから。こう、年齢という枠に当てはめて考えるのも一度手放してみたら?って。人生から語りかけられている瞬間の感覚を信じて、まずはやってみるということが大切だろうな。これは何についても言える。

自分が「外の人」であることを認識する
図書館の閉館からお寿司パーティーの時間まで1時間半の空きがあったが、時間を過ごせる場所はそうそうない。仕方がないので近くにあった喫茶店で、ちょっとだけいさせてもらえないか聞いてみた(ちょっと勇気を出してみた)。

そうしたらまぁ、怪訝な顔をされた。そりゃそうだ、見知らぬ人間がいきなり来てそんなん言われても、ねぇ。

「とりあえず会場の場所に行けば早めに入れてもらえるんでないの?」とアドバイスをもらい、ありがたく従うことにした(結局、会場の玄関先をピンポンしても反応なく、傍から見たら完全に不審者になってたけど、後からスタッフの方が来てくれて中に入れてくださった。感謝……)

ほんのすこしの時間だったけれど、心に残る出来事だった。外と内との境界線が深いのは田舎あるある。内集団と外集団の差が顕著に出る、この閉鎖性。自分も新潟の田舎出身だからわかるけど、島ならなおさらか。

生活コストのリアル
家賃は圧倒的に安い。単身者なら月3万円あればいけるって。物件によっては6DKで月3万円とかいう話も。どういうこっちゃ。電気代もそんなにかからないとのこと。食材もおすそ分けがすごいから、冷蔵庫がパンパンで自炊スキルが勝手に上がるとのこと。島での重要な移動手段である車も、基本的には譲り受けで回っているらしい。要するに、車がほぼタダで手に入る。初期費用は名義変更代くらい。

その代わりに、物価は基本的に高い。水道代とガス代は高く、都市部の倍くらいするとのこと。ガソリンもリッターで15円プラスくらい。輸送費とかもろもろかかりますからね。途中で寄ったスーパーで、水2Lが250円だったのは衝撃的だった。Amazonは離島料金なく翌日には配送されるみたいだから、暮らすなら大いに世話になりそう。

島に住むなら単身よりも世帯持ちのほうが、コスト面で圧倒的に恩恵を受けられるみたい。そうか……誰かいないかな、一緒に島行ってもいいよって人(独り身、遠い目)。

1ミリの嫌味もなく返報性の原理が働く島
来島者に対してのもてなしが厚いのだが、恩着せがましくもなく自然にやってくださるところがとてもありがたい。「ないものはないから、よしなにやってねー」くらいのスタンスが気持ちよい。これ、もらってばかりでいるとお返ししたくなる気持ちが湧いてくるんだけど、1ミリの嫌味もなく感じさせてくれるところがすごい。

海士町が「人さらいの島」と呼ばれている(一度来た人がついつい移住してしまう)のは、この巧みに織り込まれた


明日も楽しみな予定を入れてもらったのでワクワクです!

頂戴したサポートは、私からのサポートを通じてまた別のだれかへと巡っていきます。