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山小屋の本

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山小屋ってどんな所なんだろう? 山小屋で働いてみたいけど実際どんな感じなの? そんな疑問を解決する本たちを紹介していきます。
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山小屋本の紹介④『黒部の山賊』

山小屋本の紹介④『黒部の山賊』

山小屋本としては恐らく最も著名な作品の一つが『黒部の山賊』です。
以前紹介した3冊と比べると、時代はひと昔前、太平洋戦争の終戦まで遡ります。

他の山小屋本はマガジンから↓

舞台となる山域は北アルプス最深部の黒部源流。かの大工事が行われた黒四ダムに溜まっている水の、最初の一滴が生まれる場所です。

黒部源流地域は一口に北アルプスと言っても
穂高や槍ヶ岳のような山ではなく、
どちらかというと秘境と

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山小屋本の紹介③『穂高小屋番レスキュー日記』

山小屋本の紹介③『穂高小屋番レスキュー日記』

山小屋本3冊目は宮田八郎さんの
『穂高小屋番レスキュー日記』(山と渓谷社)

著者の宮田八郎さんは
全国第3位の標高を誇る奥穂高岳の山小屋
「穂高岳山荘」の元支配人。
山岳漫画『岳』に登場する宮川三郎のモデルであり、
山岳映像を手がける映像制作会社
ハチプロダクションを設立した方でもあります。

文章内での八郎さんの関西弁で語る様子、
レスキューに向かう様子は
まさに昔ながらの「山の男」という雰囲

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山小屋の読書感想文②『黒部源流山小屋暮らし』

山小屋の読書感想文②『黒部源流山小屋暮らし』

山小屋本2冊目は、
やまとけいこさんの『黒部源流山小屋暮らし』(山と渓谷社)

北アルプス 薬師沢小屋のスタッフで、
イラストレーターでもある
やまとけいこ さんが綴られた山小屋本です。

現役で働いている山小屋スタッフが書いているという点で、非常に珍しいかもしれません。

この本の特徴は何といっても、
やまとけいこさんの描くイラスト。

とても優しい雰囲気で、
色使いもよく眺めているだけで心が和

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山小屋の読書感想文①『山小屋ガールの癒されない日々』

山小屋の読書感想文①『山小屋ガールの癒されない日々』

山小屋スタッフという仕事、
登山をする人であれば知っている人は多いと思いますが、

登山をしない人にとっては
「何それ?」
と言われてしまうような非常にマイナーな仕事です。

そんな認知度の低い仕事の体験談を綴った本が、
近頃書店で目につくようになってきました。

そんな近年、なぜか流行りの?山小屋本を
山小屋の認知率アップに貢献するためにも
何冊か紹介したいと思います。

1冊目は吉玉サキさんの

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