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相棒を失う悲しい世界があっていいものか

誰に教わったかも覚えていないが、どうやらこの世界には「失って初めて気づく大切さ」というものがあるらしい。今まではどこか遠くの天竺で語り継がれている神話だと思っていたが、私は今回この言葉の意味を身をもって実感することとなる。すなわちこれは私が大切な何かを「失う」悲しいお話である。

iPhoneがぶっこわれた。

発売と同時に購入したiPhone 11とは4年半ほどの時間を共にしてきた。そろそろ替え時であるとは感じていたので(次の新作iPhoneの発売のタイミングで変えよう)とか考えていた矢先の出来事である。やはり学生時代にパチスロを嗜んでいた筆者、やめどきの判断がめっぽう下手くそである。

具体的にどのような壊れ方なのかと言うと、1日に5回くらい急に再起動をする。調子によっては普通に半日くらい正常に動く時もあれば、なんの脈絡もなく10分間に3回くらい再起動したりする気まぐれ者になってしまった。あの時のお前はもっと純情だったのに。

この壊れ方がまた厄介で、問題なく動いている時は(こいつ、まだまだ行けるじゃねぇか!!)と全く買い替える気にならない。もういっそのこと爆発音とともに煙を出しながら私の髪の毛をチリチリにするような壊れ方をして欲しいものである。

しかし電源が強制的に落ちる度に、今回こそは本当に逝っちまってもう二度と電源が入らないのではないかと心配になるので流石に買い換えようと言う次第である。

私は思想が偏っているので、携帯を利用する上での最強プランは「Apple StoreでiPhone一括購入+格安SIM」だと信じて疑わない。そもそも携帯ショップの店員とは嘘をついている雰囲気しかしないから話したくないし、1年とか2年契約とかで更新して、契約が切れたらまた携帯どうしようみたいに考える時間がうざったい。格安SIMは安すぎるし必要十分な質なので何が問題あろうか。

唯一の欠点としては同じiPhoneを4年くらい使い続けないといけないことである。「最新iPhoneの新機能が使いたい!」という願いは、街のショーウィンドウにほっぺたをくっつけてクラリネットを眺める少年の夢くらい叶わないけど、最近のiPhoneの新機能には全く惹かれないのでちょうどいいと思う。

と私の凝り固まった思想を語ったが、今回は結論からいうとソフトバンクで1年契約で機種変更をした。本当に不本意である。1年後にまた携帯をどうするかという悩みにエンカウントすることが確定している冒険なんてワクワクもドキドキもしない。

この契約内容では1年後に機種を返却しないといけないらしい。自分の新しい相棒であるはずのiPhoneが、まるで姪っ子を一日だけ預かっているような借り物の気分で全く気を許せない。

1年経って「やっぱり携帯ショップなんて信用するんじゃなかった。」と感じないように、この一年間の手厚いサービスに期待したいものである。


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