書けない時期を楽観的に受け止める
いま、「毒」をテーマにした幻想小説を書いていて、 やっと筆が乗ってきたわたしは焦燥感から解放されて心底ほっとしている。
もう一カ月以上も小説を書いていない気がしていたけど、数えてみたら二週間程度のものだった。しかも、途中で断片を何枚も書いていたので、実際書いていなかった期間はもっと短いはず。
それなのに私の中では「ぜんぜん書けていない。ヤバイ」という認識だった。
本当に、十年以上同じことを繰り返しているのに、いまだに書けない時期が来るとうろたえる。もう二度と書けないのではないか、と怖くなる。
毎回その時期は、無理に何かを書いてみてもゴミとしか思えず、本を読んでも集中できず(内容が頭に入って来ないor素敵すぎて自分と比べてしまう)、出かけたり誰かと話したりする気力もなくなって、八方ふさがりの状態になってしまう。
しかし、そういう日が続くと、ある日突然「なんでこんなに苦しまなあかんねん!」と吹っ切れる瞬間がやってくる。そこで「時間がもったいないから、どうせなら遊び回ろう」と開き直った途端に創作意欲が復活する。
……というパターンを月に一回くらいのペースで繰り返しているので、冷静に考えると、書けない時期が来てもどうせまたそのうち書きたくなるのだから、その間に遊びにでも出かければいいと思うのだけど、なぜか毎回その渦中に入ると見失ってしまう。
おそらく百を超える回数「もう一生書けないかと思ったけど、ちょっと書くことから離れてみたら自然とまた書けるようになった」という経験を重ねているのに、その確かな地層よりも曖昧な妄想を信じてしまう自分が信じられない。
どうせまたすぐに書きたくなるのだから、落ち込むよりも「やったー! 遊ぶチャンス!」と楽観的にその時期を過ごしたいものだ。
次のスランプがやってきたら、今度こそ悩む隙を与えずに遊び倒したいと思う。
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