我が家に糀ちゃんがやってきた
年明け早々、知人から借り受ける古民家の下見に行くという北くんに同行させてもらって、奈良県・山添村を訪ねたてきた。
そこで二泊ほどさせてもらったのだが、途中、伊賀上野のあたりを散策した時に立ち寄った『中村糀店(ナカムラコウジテン)』で、はじめて生の米糀を見た。
差し出された木箱の中には真っ白な綿の花。儚げで、華憐で、顔を近づけることすら躊躇ってしまう。
米に花で「糀」と書く意味を知った。
連れて帰りたいけれど、果たして消費期限内に甘酒や塩糀を作る気になれるだろうか。
迷っていた私に北くんが「お風呂に入れてもいいらしいよ」と教えてくれる。それなら使いきれるだろうと、一枚(浅い木箱に入ったものを一枚と数えるらしい)購入することに。
糀を買うのがはじめてであることを伝えると、紙袋に移した糀と共に保存方法や使い方について書かれた紙を何枚も持たせてくれた。
帰宅後、さっそく糀風呂をやってみることに。不織布のお茶パックに半分ほど詰めて湯船に浮かべる。手で軽く揉んでやると、お湯が白濁してとろみがつく。身体があたたまって、湯上りの肌がうるおう気がした。
気軽に楽しめる天然の入浴剤。米糀にこんな使い道があるとは知らなかった。
塩糀の作り方が想像以上に簡単だった
毎日でも入りたいけれど、せっかく手に入れた上質な糀をすべてお風呂に使ってしまうのはもったいない気がした。
塩糀や甘酒を作ってみたいけど、やはり手間がかかるのだろうか。お店の人がくれた使い方の紙に目を通す。
どうやら塩糀は「米糀」「塩」「水」の三つで作れるらしい。しかも、保温する必要もない。米糀200g、塩40g、水200cc。
これなら簡単そうだと、さっそく仕込んでみた。
このまま常温の中に置いて、一日に一度くらいかきまぜてあげれば、一週間ほどで完成するらしい。
米糀増殖の術
塩糀の仕込みがあまりにも簡単すぎたため、もっと他にも作りたくなってしまった。次に作るならやっぱり甘酒だろうか。ついでに友菌で米糀を無限に増殖させる術も使ってみたい。
両方とも「もち米」が必要らしいが、買いに行くのが面倒だったので白米で代用することに。
まずは増殖の術を。一晩水に浸けた米を圧力鍋で蒸し、人肌に冷ましたら米糀と混ぜ合わせる。糀菌は熱に弱いらしいのでここは慎重に。
十分に混ぜ合わせたものをタッパーに移し、蓋は閉めずにふきんを掛けたら仕込みは完了。
こちらも塩糀と同じく一日一回かき混ぜながら常温の中で眠らせる。糀の花が咲いたら完成。二日くらいが目安らしい。
無事に花が咲いてくれますように。
参考にしたレシピはこちら↓
炊飯器さえあれば甘酒だって作れちゃう
今回作った中で一番めんどくさそうだった甘酒も、実際にやってみたら大した手間ではなかった。
まず、炊飯器でやわらかめのご飯を炊く。どれくらい柔らかくすればいいかわからなかったので、水を入れすぎてべちょっとしてしまった時と同じ塩梅にしてみた。
こちらも人肌に冷まして米糀を混ぜる。分量は米3~4合に対して米糀を550gくらい。よく混ぜ合わせたら、60度くらいの温度を保ちながら8~10時間ほど眠らせる。
私の中で保温が一番のネックだったのだが、どうやら炊飯器を保温にして蓋を開けた状態にしておけばそれでいいらしい。そのままだと熱すぎるので、底にキッチンペーパーを敷いて、ビニール袋に入れた甘酒の種を炊飯釜の中に詰め込む。袋の口を軽くねじった上からふきんを掛けて仕込み完了。
ただの柔らかいご飯だけど、本当にこれがあのとろとろの液体になるのだろうか。やや不安になりながら時が過ぎるのを待つ。
約一時間後、かき混ぜるために袋を開けてみたら、米一粒一粒の輪郭がぼやけてとろっとしていた。よしよし、順調に発酵が進んでるっぽいぞ。
そこからさらに二時間。かなり液体に近づいてきた。スプーンで一口味見してみたら、独特の風味を含んだ甘さが舌の上に広がった。紛れもなく甘酒の味だ。どうやら白米でも問題なく作れるらしい。
完成の報告はまた後日
ここで仕込んだものはまだどれも完成していないので今日はここまで。また気まぐれに記事を更新するかもしれないし、しないかもしれない。
確実に結果が知りたい人はツイッターを覗きにきてね。
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