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【読書記録】絡新婦の理

2024年10冊目。

京極夏彦さんの百鬼夜行シリーズの愛蔵版です。もう何年も前に絡新婦までは愛蔵版の刊行が決まっていると言われていたのですが、ようやくその絡新婦が刊行されました。

シリーズ中で一番好きな作品です。次点で魍魎と姑獲鳥でしょうか。どちらかというと初期の作品が好きです。

目潰し魔に絞殺魔、黒い聖母などの事件が並行して進行し、それらが合流してさらに蜘蛛に挑むというかなり複雑な構成で、登場人物も関口以外はほぼ全員登場する上に過去の事件も関わってくるなど盛りだくさんですね。

短編でも目潰し魔や絞殺魔の作品があるのでこちらも併読がおすすめです。

私が好きな理由としては冒頭の桜のシーンのイメージが鮮明だったことでしょうか。このシリーズは会話が多いので憑き物落としのシーン以外ではあまり映像がイメージされないのですが、今作では冒頭から美しい桜と黒衣の陰陽師の対比が鮮明なシーンだったので印象的でした。坂口安吾の『桜の森の満開の下』が好きなのですが、そのイメージとダブっているかもしれません。

呉美由紀ちゃん、いいキャラですよね。後に敦子ちゃんとダブル主人公のスピンオフがでますがこちらもおすすめです。

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