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外出自粛中の今だからこそ、大好きな旧作映画『Mommy』を観直しました。

【『Mommy/マミー』/グザヴィエ・ドラン監督】

カナダから現れた若き俊英、グザヴィエ・ドラン。彼は、2014年公開の監督作『Mommy/マミー』によって、その名を世界へと轟かせる。

目の逸らしようのない「1:1」の画面アスペクト比は、観客と登場人物の間に抜き差しならない関係性と緊張感を生み出す。そして、斬新にして大胆なポップ・ミュージックの導入は、登場人物が抱く感情の起伏をありのままにトレースしている。

特に、中盤、オアシスの"Wonderwall"を背景とした「世界」が開けてゆく演出は、圧倒的に、美しく、鋭く、エモーショナルなものだった。


当時25歳だったグザヴィエ・ドラン監督は、第67回カンヌ国際映画祭において審査員賞を受賞。当時83歳の巨匠・ジャン=リュック・ゴダールと並ぶW受賞が実現したこの時、映画界に新しい時代が到来したといえる。

ドランは、新世代のクリエイターたちへ向けて、次のようにスピーチした。

「僕と同世代のみんなへ。誰もが自由に表現する権利があるにもかかわらず、それを邪魔する人たちもいる。でも、決して諦めないでください。世界は変わるのです。僕がここに立てたのだがら。」

その言葉に奮い立たされたクリエイターは、きっと少なくないはずだ。

次の時代を牽引するトップクリエイター・ドランは、これから、どのような表現の地平を切り開いていくのか。彼が抱くビジョンに、期待が止まらない。




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