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サンタクロースとパパクロースとママクロース

こんなご時世でも、季節は移ろいクリスマスの時季がやってきた。

そんなある日。
「ほんとうはパパなんでしょ?」と8才の誕生日を迎えたばかりの息子がいった。
11才の娘はじっとだまって息子を見守っていた。
(娘は核心にせまってきたことはない)


これまで成り行きに身を委ねてきた。そしてとうとうそのときがきた、とわたしは思った。

わたしと夫は、ありのままを話す、というやり方を選んだ。

子どもたちに話す役を買って出たわたしは、
その晩、頭の中でシュミレーションをした。ややもすると「エゴ 愛 親 子ども」というワードに邪魔をされ、「クリスマス サンタクロース 親 子ども 愛 エゴ」それらのワードがわたしの頭の中で飛び交っていた。
・・・
それも真実。
これも真実。



翌朝、わたしは娘と息子に、ありのままを、心を込めて話した。


娘は「そのことかー!」といい、息子は「やっぱりねぇ!」といった。


それから子どもたちと話し合った。
これからもクリスマスには、クリスマスツリーをかざり、いつもよりちょっとだけ豪華なお料理とケーキを食べよう。それからやっぱりプレゼントもあったら嬉しいよね、と。それは、楽しいクリスマスになるね、と。

       * * * * *


また別の日。クリスマスの話題がでると、「クリスマスにお手紙をかくのが楽しくて好きだった。これからもお手紙かいていい?」と息子がいった。

…お手紙をかくって…既知の件は…?と思いつつも、わたしは「なんてかくの?」と返した。
すると「Dear Mama Claus, I want a teddy bear. てかく!」と息子。(息子はぬいぐるみ好きボーイだ)
Santa Claus ならぬ Mama Claus か。上手いこと文字ったな。
「(ちょっと待てよ)Papa Claus は?」と聞くと、「パパクロースとママクロース!」と息子はいった。

娘は、「これからは直接いわないで、パパとママにお手紙を書くってことだよね、いいね!」といった。



あとから娘に教えてもらったのだけど、二人の間で「ほんとうはパパとママ」と結論づいていたという。
ある日、息子が「ぼくはパパとママだと思うけど、おねえちゃんはどう思う?」といい、娘は「わたしもそう思う」と答えたんだと少し躊躇しながら教えてくれた。娘らしい。

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クリスマスには、これまで通り、クリスマスツリーをかざり、いつもよりちょっと特別なお料理とケーキを食べよう。そして、二人はパパクロースとママクロースにお手紙をかく。

思いがけない肩書きをもらった。


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