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【エッセイ】夕方の店当番#最終章

 5時前のお寿司を片付ける時間に1人の女の子がやってきた。

「トライアルできたAと申します」

 新人の子でした。僕がこのお店で働き始めて2ヶ月半くらい過ぎた。そして僕は先輩になろうとしている。それまでずっと初心者気分。日本時代のバイト先にも後輩はいなかったので、仕事内容を教えるというのは少し変な気分だった。もう初心者じゃないんだなという自覚も持たなければいけない。ずっと周りが甘やかしてくれるわけではない。だからと言って学ぶ姿勢をやめたらいいというわけではない。初心者の姿勢で、先輩の自信感。この二つをうまく組み合わせてやっていかないといけなくなった。
 バイト終わり、トライアルのAさんは隣のアイス屋さんに興味を持ったので一緒に行った。幸運にも、寿司交換条件のイリーナが働いていたので僕の分アイスは無料でした。これが僕がアイス無料券を使った1回目でした。しかし、僕だけタダでAさんにだけ払わすわけにはいかないので僕が全て払いました。
 寿司を売って契約したのは僕なのにと思った瞬間もありましたが、余裕のある時は周りに還元したくなるのが僕の性格です。

 そして、Aさんは1週間で仕事を辞めていきました。


 今まで「夕方の店当番」をお読みくださりありがとうございます。また何かネタがあれば、番外編を出すかもしれません。エッセイと題名につけていますが、エッセイではないと思います。そして小説でもないと思います。でも野球の変化球のようにその人が甲といえば甲になります。
 だからこれが僕のエッセイということでお願いします。

いろんな話をたくさん投稿していく予定なのでフォローの方もよろしくお願いいたします。
コメントの方もよろしくお願いいたします。

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