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ローカルベンチマークの活用法

経済産業省が公表しているローカルベンチマークというツールをご存知でしょうか?ローカルベンチマークは財務情報と非財務情報のに関するデータを入力して、企業の経営状況を把握し、経営状況の変化に早めに気付くためのものです。

専門家でなくても使えるようにシンプルな作りではありながら、基本的な経営分析ができるようになっています。今回は、ローカルベンチマークツールを使って経営改善に繋げるための流れについて解説します。

課題を発見する

ローカルベンチマークツールには利用マニュアルが附属しているので、入力方法についてはそちらをご参照ください。ここでは、ツールへの入力が終わったと仮定し、その後の流れについて説明します。

まず最初にすべきことは、会社の課題を発見することです。うちの会社には別に課題なんてない、と思われましたか?その場合は残念ながら課題がないのではなく、課題に気付いていないというだけです。大企業や老舗企業で、世間一般から見れば経営が安定している会社でも必ず何かしら課題は抱えており、日々その課題を解決するために活動を行っているのです。課題がない会社など存在しません。

ローカルベンチマークでは次の6つの指標が5段階で評価されます。
①売上高増加率(売上持続性)
②営業利益率(収益性)
③労働生産性(生産性)
④EBITDA有利子負債倍率(健全性)
⑤営業運転資本回転期間(効率性)
⑥自己資本比率(安全性)
評価の方法は、同業他社との相対評価です。この同業他社のデータを利用できるということがローカルベンチマークの一番の強みではないかと思います。

6つの指標の中で得点が低いものはどれでしょうか?得点が低いものそれ自体が課題であることもありますし、その原因を深堀することでもっといろいろな課題が見えてくることもあります。初めてローカルベンチマークツールを使うのであれば、細かいところを気にして全体像を見失っても意味がないので、得点が一番低いものを課題と捉え、解決策を考えるということで良いと思います。

課題の解決方法を考える

課題がわかれば解決方法を考えれば良いのですが、その前に目標設定をしておきましょう。

ローカルベンチマークツールでは、指標がどれだけ改善すれば得点が上がるのかがわかるようになっています。そこで、ひとまずは一つ上の得点を取ることを目標としてみましょう。そうすると、決算書のどの数値をどれくらい改善すれば良いのかが見えてきます。

例えば、営業利益を100万円アップさせれば、②営業利益率(収益性)の得点があがるということであれば、営業利益をアップさせる方策を検討するのです。この場合であれば、販売数量を増やすほかに、販売単価を上げる、原価を下げる、固定費を下げるといった方法があるので、それぞれについてアイディアを出し、実行可能な施策に落とし込んでいくことになります。

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