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【昭和歌謡名曲集49】黒の舟唄 野坂昭如

🎵ソ、ソ、ソクラテスか、プラトンか、ニ、ニ、ニーチェか、サルトルか。みーんな悩んで大きくなった。(おっきいわ。大物よ)。俺もお前も大物だあー!

哲学者の名前をずらずら並べて叫ぶCM。これは名曲である。

デカンショー、デカンショーで、半年暮らし、ヨイヨイ。

に並ぶ名曲である。後世、語り継がれるに、相違ない。(語り継がれてるよね?) 歌うのは、「おもちゃのチャチャチャ」の鬼才、野坂昭如。まさに時代のトリックスターだった。しかし私は「エロ事師たち」と「火垂るの墓」しか読んでない。あの、西鶴調の、切れ目なく続く文体が、どうも苦手だった。本文は大阪弁で書いてあるんだっけ? それさえも忘れた。
野坂の小説は、題名がやたらカッコよく、それに釣られて読むと、えらい目にあう。
「てろてろ」とか、
「アメリカひじき」とか、
「骨餓身峠死人葛」とか。
尚、三つ目は、「ほねがみとうげほとけかずら」と読む。とても面白そうだが、読まないと思う。
ただ、これは私が苦手なだけで、三島由紀夫なんかは大変評価していたと聞く。
とにかく変人出たがりの才人で、窃盗、使い込み、酒乱、反省して寺修行、シャンソン歌手、作詞家、放送作家、俳優、小説家、落語家、政治家、なんでもやった。猥褻裁判もやった。「阿修羅・原」の命名もした。
世間はまたやってらぁと思いつつ、その才能に魂消ることとなる。何しろ、レコード大賞も取ったし、直木賞も取ったし、選挙にも当選した。比例だけど。
最後に見たのは、大島渚のパーティで、渚を、ぶん殴ってる映像だった。もう爺さんでパンチのキレはなかった。
「黒の舟唄」は長谷川きよしが有名であるが、野坂のもいい。味がある。上手い下手ではない。雰囲気上手な歌い手である。

🎵マリリンモンロー、ノーリターン。ノサカアキユキ、ノーリターン。

もう現れない才能だと思う。


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