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さようなら、ボクのWOWOW

最後の晩餐の後に見る映画なら、
ボクは『風と共に去りぬ』を選ぶだろう。

はじめてみたのは、
水野晴郎さん解説の水曜ロードショー。
自宅のテレビで、珍しく家族みんなで見た。
録画機がない時代。
CMの間に順番にトイレに行った。

『風と共に去りぬ』が、映画への扉を開いてくれた。

子供だったので、戦争や恋愛の話は難しかったけれど、スカーレット・オハラ姉さんの美しさと強さに憧れた。
以降、彼女が女性の理想像になった。

2回目は、社会人になってから。
30年前には、シネコンなんてなくて、
オフィス街の地下によくあった2本立ての映画館で。まだ座席指定じゃないので、1日で2回連続で見た。
帰りは、もう暗くなっていた。

社会人の視点で見て、主人公の生き方や、夢と野望、そして未知の世界への好奇心があふれ出した。

3回目は、自宅のホームシアターで。
自宅にホームシアターを作ったのは、
自宅のスクリーンいっぱいに、

タイトルの
Gone With the Wind

を右から左へ風のように流したかったから。

英字を『去る、風と共に』と日本語に訳しながら、
何回も何回も繰り返し見た。

そんなボクの退職後は、

毎日映画を見るために、
WOWOWで大量の映画を録画しつつ、
ゲオを私的ライブラリーに乱用しながら、
映画三昧の余生をすごす予定だった。

でも、そうは問屋が卸さない。

時代は変わる。
ゲオはレンタル事業を縮小し、
既に無限大の過去作品が、どこでも見れるようになった。

WOWOW以外に、Amazon、Netflix、U-NEXT、Disney+、NHKオンデマンドなど、ライバル乱立とキラーコンテンツの奪い合いが勃発。

大資本による野心的な新作映画、連ドラが作られ、人気作のリメイク、新シーズンのリリースも止まらない。過去の名作の4Kデジタルリマスター、BRAVIA COREの最大80Mbpsの高画質ストリーミングのすごいコンテンツ。

動画サービス以外に聞き放題、読み放題のコンテンツの山々。

映画と共にこの世を去りたいのだけれど、
人生100年ぽっちでは無理。限界だ。
もう生涯で見れる量を遥かに超越した。

途方にくれたボクは、30年契約していたWOWOWを昨年解約した。

さようなら、ボクの大好きだったWOWOW。

30年契約しても解約時には、
何の記念品ももらえなかったけれど、
山ほど録画させて頂いた映画、ドラマ、スポーツなどのブルーレイディスクと、WOWOWとの思い出を抱きしめて、

残り少ない余生を精一杯生きていきます!

いやぁ、本当にいい時代になりましたね!!

それでは皆さん、どこかの映画館でお会いしましょう。
サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ~


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