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家族で見るのにはちょっときつい…ドラマ『俺の家の話』

家族とドラマを見るのが苦手だ。

歳とともに涙もろくなってしまって、悲しいドラマを見ようものなら、涙ぐむ程度ではすまないくらい感情移入してしまう。そんなところを家族に見られたくない。

だから、家族で見るならドタバタ笑えるようなドラマとか、明らかに現実離れしているアクションやホラーの方がいい。昨日の夜も息子と一緒に竹内涼真出演の「君と世界が終わる日に」を見た。毎回思いもかけない展開に驚いて顔を見合わせたり、次の回を予想したりすることもとても楽しい。

今、家族で楽しみにしているドラマがもう1つある。それは金曜日の夜放送の「俺の家の話」なんだけれど、それが私の予想していたドラマと少し違ってきていてとまどっている。宮藤官九郎作品ということもあって、テンポよく笑いながらストーリーを楽しめて、なおかつ少ししんみりする要素もあったり、これまでのクドカン作品で期待を外れたことはなかった。主演の長瀬智也さんも大好きな俳優さんだし、西田敏行さんの演技のうまさにも毎回うなる。

本当に、家族で見ても安心のドラマのはずだったのだけれど、今回はドラマを見ながら、ちょっとキツいな、と思う時がある。そんな時は何気なくテーブルを片付けながらテレビから離れてしまう。

それは、ドラマの内容が老いていく父親と介護を扱っているからだ。ちょうどど真ん中の世代でもある私には見ていてきつい時がある。長瀬演じる息子が、父親のお風呂の世話をする場面などは、本当に切なくなった。どんなに大変なことかと思って見てしまう。かつて揺るぎない存在で立っていた父親の頼りなく細くなった足を洗う。親だからこそ、その老いが受け入れられない。

そんな複雑な思いとともに、ドラマはもう8回に進んでいる。父親の介護度はあがっていき、認知症の症状も出てきた。ケアマネージャーさんが施設に入ることを勧め、「いやなら帰って来ていいんだぞ」と見送る息子。

その別れる場面が、もうダメだった。お互いに気を使って、なるべく明るく振る舞う2人。明るく別れたのに、自分を残して出ていく息子の背中から父親はずっと目を離さないで見送っている。息子もそれがわかっている。背中で父親を感じている。つらいよなぁ。わかる。

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ドラマはこの後どうなるのだろう。何か救われるような展開に期待しつつ、また見ることになりそうだ。

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