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息子に彼女ができた

息子に彼女ができたらしい。
お盆中の土日に友達と富士山に登るから帰省できないと言っていたのは、なるほど、そういうことだったわけだ。
新入社員の研修期間に一緒のグループだった人だというのだが、ほぼリモートでの研修と聞いていたのに、いつの間に。息子も案外やるではないか。
大学時代のことは知らないけれど、息子に彼女がいるという話を聞いたのは久しぶりだ。中学校の時に、部活のママ友から、「見たよ!一緒に帰ってるところ。」と教えてもらって驚いた時以来だ。
高校の時は部活と受験に追われていたから、そんな気も全くなかったようで、部活の応援で顔を合わせるお母さん達と、息子達のコイバナに盛り上がることもあったが、私は聞いているだけだった。
「よかったぁ。高校の時は全くそういう人がいないみたいだったし、どうなのかなって思って実は心配してたんだよ。」
「そんなこと一々言うわけないよ。」息子は少し照れ臭そうにしている。

結局、富士登山の予定は悪天候で中止になってしまったのだが、その代わりに9月の連休に旅行を計画しているという。しかも一泊は我が家に泊まるというのだ。家にといっても、今私が住んでいる築50年の古い家は、すぐ隣に私たちが結婚した後10年ほど住んでいた狭い別棟があって、そこに泊まりたいのだそう。「掃除しておいてよ。」息子は勝手なことを言って話を終えた。

掃除して、などと言われるまでもなく、きれいにしなければ。これまでも息子達の友達が泊まったり、夫が友人を呼んで飲んだりはしてきていたが、彼女となると全く話は違う。何から手をつけていいかわからないけれど、とにかく連休までになんとかしなければならない。大変なことになった。

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