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1kgで何ができるんだろう?

GOOD DESGIN Marunouchiで行われていた1kg展ずっと気になっていて、何とかギリギリ訪れました。

国内の自動車メーカー8社のデザイナーが集結した団体「JAID」が主催していた、1kg展。車の素材によくつかわれる値段の単位「kg単価」をどこまで価値あるものにできるのかがこの展示のテーマ。

車の素材と3Dプリンターを駆使した様々な作品が展示されていて、熱が当たる時間で開花して散る花や、自動車のカラーデザインを1kgのハンバーガーに見立てた作品など。
3Dプリンターについてあまり知らなかったので、こんなにいろんなものが作れるのかと感動。

その中でも好きだったのはダイハツのデザイナーさんの作品。
1kgで「世界」を救う。クレヨン教育プロジェクト〜3Dプリンターは未来を救う工場となる〜」という3Dプリンターでクレヨンを作る作品です。
その作品の考察には

”「1kg」の価値を最大化させるには、「1kg」で『人が何かをできるようになる』ことだろう。そしてさらに、『人が何かできるようになる』可能性を拡げるのは、「読み書きができるようになること」ではないかと考えた。”

と書かれていました。

世界で解決するべき社会問題の中の「教育分野」に着目した作品で、1kgの樹脂でクレヨン制作キットを作り、発展途上国の人たちが現地の天然資源を使ってクレヨンを作れるようになるプロジェクトです。

クレヨンを作ることで、教育文具として書く・描く・記す機会を作り、学びの機会を作る。そうすることで世界を変えられる。

実際に作られた土などで作られたクレヨンは、書くことができてとても感動しました。ものを作る制作キット自体はあるが、天然資源でここまでのものが作れることに驚き。

この作品を見て、ふと思い出したのが最近見た「LION/ライオン ~25年目のただいま~」という映画。
小さい頃にインドで迷子になった男性が、25年後にグーグルアースを使って自分の故郷を見つけるという実話に基づいた話です。

5歳で兄とはぐれて迷子になり当然字の読み書きはできません。そして自分の家の場所すらもわからないので、インドをさまよい、誘拐に合いそうになりながらも人や施設を渡り歩き、オーストラリアの夫婦に引き取ってもらうという涙が止まらない映画でした。

そして映画の最後のテロップはこう書かれていました。

毎年インドでは行方不明になる子は8万人以上

そして日本ユニセフ協会の世界の子どもたちへの寄付ができる窓口へのアドレスが書かれていました。

毎年行方不明になる8万人以上の子供たち。
こんな現実が私たちから遠く離れた国で起きているということに、何とも言えない気持ちになりました。
そしてクレヨン教育プロジェクトについて考えながらこのnoteを書いているとき、世界で教育を受けれていない子供たちの数を調べると、 6,100万人 の子供たちが学校へ通えていません。

日本では小学校、中学校、高校、大学へと学校に行くことは当たり前かもしれませんがそれが当たり前ではない国もあるのです。
例えば日本の大学や短期大学への進学率は50%を超えていますが、
私の母国であるベトナムはとても低く。中学校の就学率は80%、高校の就学率は40%。なので大学進学なんてもっと低いです。

教育を受けるのを義務としている日本と違い、受けられる権利すらもない国もあることをもっと多くの人が知るべきだなと感じました。

消費社会になっている世の中。あれを買っても足りない、これを買っても足りない。止まらない欲とともに生きている私たちを、見つめなおさなければならないなと感じました。

だからこそこの1kgで何ができるのか?という問いはすごく深い問いだなと思います。

そんなことを考えさせてくれる1kg展、私も将来誰かを助けられるようなデザイナーになりたい。

よろしければ〜!いただいたサポートでデザインの勉強がんばります。