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最近の、よしなしごとを 11/28(そして、日々は繰り返される)

「Today is the first day of the rest of your life. -今日という日は残された日々の最初の一日。-」

チャールズ・ディードリッヒ

大学生の頃に読んだ、伊坂幸太郎の「終末のフール」という小説の冒頭に引用されていた言葉をふと思い出した。

もう10年近く前(えっ!?)に読んだ本なのに、ふと一節が頭に浮かぶなんて、言葉と記憶ってすごいなぁと思ってしまう。

そういえば、好きな本の系統が似ている友人と「ねえねえ、〇〇っていうような感じの文が載っている本の名前って何だっけ?」「ああ、あれはね…」みたいな会話をすることが好きです。

「この文よくない?」「わ、いいね!何の本?」みたいな会話をよくしていたな。学生の頃は、ノートに本の中の気に入った文章を書き留めて、友達と会うときにノートを互いに見せ合ったりしていた。懐かしいね。読書って一人で完結してしまうことだと思っていたけれど、誰かとその感動を分かち合えるんだ、と思った瞬間。

ふとその一節は浮かぶけれど、本のタイトルが浮かばない、みたいなことがよくあるのは何なんだろう。

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今日偶然拝見した精神科の方のお話の中で「どんなときも今日があって、昨日があって、明日がある、それは変わらない。結局、日々の繰り返しの中に生きている。」とおっしゃっていたことが印象に残りました。

いわく、人生で何か辛いことがあったとき、つい人は「自分でストーリーを作り上げ、そこに意味づけをしてしまう」のだと。

これはたしかになぁと納得してしまった。私もつい落ち込みがちなときは、「ああ、あの頃はああだったのに今は…」なんて考えてしまうことがあります。これ、きっとあるあるですよね。過去があって今があるのは本当だけれど、過去と比べたってしょうがないよね。

つくづく、人間って色んなものと比べてしまう生き物なんだなぁと思います。過去の自分と比べ、友人と比べ、SNSの中の同級生と比べ、芸能人と比べる。比べることで、それが原動力になることもあるけれど、結局あるのは「今ここ」の自分でしかなく、この瞬間を生きなければならないんだよなぁとはっとさせられました。

「今日一日の中にある良いものを見落とさず生きていきましょう」とその先生は最後におっしゃっていたけれど、本当にその通りだなぁと。何かに気を取られ、今目の前にある良いものを大切にできないなんて勿体ない。

その先生の言葉を頭の中で反芻していたときに、何だか小説の中で今日という日の大切さに関しての一文があったんだよなぁ、と思い出したものが冒頭の一文。

この言葉を書いたのは、チャールズ・ディードリッヒというアメリカの薬物中毒者救済機関であるSynanon(シナノン)を設立した人です。

残された人生の中で一番若いのが今日なのだから、今日という1日の中でちいさな幸せを見つけて日々を過ごしていきたいな、と思う11月の終わりと冬の始まり。

みなさまも良き12月を迎えられますように。





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