第1442回 岩出山の伊達家

1、隠居所からの学問所

先日こちらを訪れたので紹介します。

宮城県の大崎市にある旧有備館。

2、庭と正月膳

ここ岩出山は伊達政宗が一時居城としたこともある要衝の地。

政宗が仙台に移ってからは四男宗泰が岩出山の領主となります。

以降、岩出山伊達家当主の隠居所、下屋敷として使われていたようです。

江戸時代の後半には郷学として仙台藩の学問所となったようです。

また庭園は五代藩主吉村をもてなすために整備されたとも言われ、

作庭は仙台藩の茶道頭清水道竿(1662~1737)と伝わり、岩出山城の断崖を借景として、池の中に御中島、鶴ヶ島、亀子中島、兜島の四つの島を配した回遊式池泉庭園で、御中島には茶亭があり島に渡る橋が架けられています。

公式Webサイトより

とのこと。


2011年の東日本大震災で大きな被害を受け、母屋がペシャンコになった時はもう絶望感しかなかったことを思い出します。

2016年には復旧工事が終了し、今はすっかり綺麗になりました。

そして、2月4日まではミニ企画展「伊達家の正月膳」が開かれています。


伊達家の年中行事の記録から再現された献立で、本膳、二の膳、三の膳と豪勢で華やかなものとなっています。

なかでもイチオシは三の膳の鮭子籠(さけこごもり)。

現在でも宮城県では鮭の炊き込みご飯にいくらをふんだんに乗せた「はらこ飯」が名物ですが

江戸時代から仙台藩では鮭といくらのセットが名産として聞こえていました。

いわゆる塩引鮭なんですが、いくらが入ったまま塩漬けになっていることが特徴です。

江戸時代のデータブックである『武鑑』には伊達家から将軍家に献上する贈答品リストにも名前が出てくるというくらい知られていました。

大変手間のかかる料理かと思いますが、食品サンプルだけではなく、近隣で賞味できるお店があるともっといいのでしょうね。

3、石碑も映える

いかがだったでしょうか。

今回は先日降った雪がかろうじて残っているくらいの季節感でしたが、春は花が咲き、秋は紅葉と訪れる者の目を楽しませる造作が数多くなされています。

また敷地内の一隅には明神社が祀られ、傍に幾つかの石碑も造立されています。

領主であった伊達家が昭和に建てた双子鬼子母神や三方金神の碑や庚申塔が確認できました。


次はまた別の季節に訪れてみたいものです。

本日も最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。

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