第1387回 青森旅行記その1
1、はじめに
思い立って子どもたちに「三内丸山遺跡」を見せたい!と思い一泊で青森に旅行してきました〜
しかも三陸道の高速は奥松島ICから北は無料区間なので、それを使ってみよう、という意図もありました。
三陸側から行くと、青森県の八戸に着くので
宿泊は八戸にして、三内丸山を最終目的地にして、帰りは東北道に、という荒いスケジュールだけ決めて出発しました。
今回はその内容を少し記録しておこうと思います。
2、是川縄文館
子ども達が飽きないように、何回か道の駅で休みつつ、最初の目的地は
是川縄文館でした。
ちゃんと調べないで行きましたが、当日はお祭りをやっていたところで、
ロビーコンサートをやっている中に飛び込んだような感じに。
地域に愛されている施設、という感じがしてとてもいいですね。
企画展として「北陸の晩期縄文文化」を開催していました。
北陸地方には「縄文のタイムカプセル」と呼ばれた鳥浜貝塚(福井県若狭町)や
大量のイルカの骨が出土したことで話題となった真脇遺跡(石川県能登町)
など縄文時代でも名高い遺跡があることが知られています。
今回の展示では縄文時代晩期(今から約3000年前)に焦点をあて、この時期に東北地方で栄えた亀ヶ岡文化との比較をしていく、ということがテーマとのこと。
土器の型式(紋様や形の特徴によって分類されたグループのこと。時期や地域差を表すものさしとなる)については紋様ごとに詳しく説明が付されており、かなり専門家向けの内容でした。
東北からの影響を強く受ける一方で、逆に北陸から東北への影響はあまり見られない、という結論でした。
続いて
青田遺跡(新潟県新発田市)で建物の壁材として使われたアシが紹介されています。
縄文時代の建物は柱の穴ですとか、竪穴住居が掘られた深さですとかそのようなものは発掘調査でわかってきているのですが、
有機質、腐って残らないような建材はなかなか見つかっていないので
貴重な成果ということになります。
また真脇遺跡で見つかり復元もされている木柱列も大きく取り上げられています。
https://www.town.noto.lg.jp/open/prnoto/0000004065.pdf
直径50センチを超える大きな木を半分に割って円形に立て並べるというもの。
上記リンク先で人の大きさと比べるとその威容がわかります。
三内丸山で六本の巨木が並んで立てられている遺構があり(大型柱建物跡)、復元されていますが、どこか近しいものを感じます。
続いては縄文館の常設展示。
この博物館の一番の目玉は国宝の合掌土偶。
専用の部屋で雰囲気のある展示がなされています。
常設展には大小形態様々な土偶が展示されているので
子ども達にも「なんでこれだけ特別なのか?」と聞かれます。
こういう本質をついた質問が子ども達と一緒にめぐる博物館の醍醐味ですよね。
土偶は縄文時代を代表する遺物の一つで、全国から150,000点以上見つかっているとされます。
その中でも「国宝」に指定されているのはわずかに5点。
タジタジになりながらも私なりの答えとしては
まずは残りがよくて全体がわかること。
そしてその時期を代表するデザイン、形態であること。
この土偶で言うと顔面表現や身体部分の模様から、縄文人の装飾について考察できることが重要じゃないか、
そして何よりこの特徴的なポーズ。
縄文人はこの体勢にどんな意味を込めていたのか考えることができるよね。
やっぱり祈りを捧げているのかな。
と解説して威厳を保つことができました。
これだから、子どもと一緒に巡る博物館はやめられませんね。
3、終わりのあいさつ
本日も最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。
今回の旅行では、あと三か所、
八戸市根城跡、櫛引八幡宮、三内丸山遺跡を訪れているので
一か所ずつ紹介していきますね。
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