ベトナム人から手渡された手紙
はじめに
私が開発拠点としてハノイに進出したいと思った理由は一言で説明するのが難しいです。
今回はマレーシア駐在時に出会ったベトナム人開発者の女性の話をしたいと思います。
彼女はハノイで大手開発会社に勤務しており、数ヶ月間のオンサイト契約で私たちと一緒にマレーシアで一緒に仕事をしていました。
佳境を迎えた製品開発
製品開発がいよいよ佳境を迎えていました。
彼女とタスクの仕様について、連日激しいやり取りが続きました。
お互いが仕事に本気でした。少しでも良い仕事をしようとすれば、やはり意見がぶつかる事はあります。国籍は違えども、私も彼女も恐れずにお互いの意見を重ねました。
通訳のエンジニアが間に入ってくれましたが、半分くらいは、直接に私と彼女のコミュニケーションになりました。
ホワイトボードを前に、私が日本語でまくし立て、彼女が英語で応酬します。
一緒に仕事をしている日本人スタッフの一人が、私たちのやり取りとみていて呟きます。
「たぁぼまるさん、さっきから日本語しか喋ってないですよ。何で通じるんだ・・・」
お互いが、基本的な実装設計図を頭の中に思い描いているので、多分、技術的に意図が伝わっていたんでしょう。今振り返っても不思議な感覚です。
まあ、彼女が優秀だったんでしょうね。
そっと手渡された手紙
パートナー契約期間が終了に近づき、彼女がベトナムに帰る日が近づいたある日。
彼女が私のデスクにそっと近づき手紙を手渡しました。
「何が書いてあるんだろう?」と手紙を開けると、そこには英語でこのように書かれていました。
私は開発者としての経験は多くありません。これからも努力して、もっと良い開発者になりたいと思います。私はあなたを開発者として尊敬しています。将来はあなたのような開発者になりたいです。
これを読んだ時、思わず胸が熱くなりました。
当時、彼女は結婚を約束した彼氏がおり、マレーシアで過ごした数ヶ月間、異国で寂しい思いをしたと思います。
私からのハードな仕事の要求にも良く応えてくれました。今でも本当に感謝しています。
まとめ
ハノイ進出後に再会し、彼女の結婚式にも招待されました。今は幸せに過ごしているようです。
ハノイの人達と仕事をするようになって分かりました。特に女性の方達は本当に義理堅くて面倒見が良い人が多い。そして芯のしっかりした強い女性が多いです。ハノイの人情深いところは本当に好きです。
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