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制作日記:時に流される事(鉛筆画制作)

鉛筆画制作中

最近、突如始めた鉛筆画。

描き出したきっかけは〈油絵のが画材が着荷するまでの下絵起こし〉

キャンバスにダイレクトに下絵を描くのが難しい構図だったので、先ずは
ケント紙に描いてみる・・そんなきっかけで手元にある鉛筆で描いてみたのがきっかけです。
近くに画材店があればいいのだけれど、昨今画材店を見かけない地域に住んでいるのでネット注文。
自分が画材店に務めている時は、電車に乗ればすぐに行ける場所にあったものの、本当に少なくなって寂しい限り。
キャンバス一枚も悩みに悩んでポチるようになりました。

とりあえず、白い紙に簡単にラフを描きケント紙で描き起こし。
その時に面白いものが浮かんでから鉛筆画を描くようになった次第です。

ラフが絵とケント紙

鉛筆画に集中した理由

「面白いな・・」と思う瞬間があったから。
それが一番の理由。
昨年の色彩心理の受講を経て、色で読み解いた心理は
〈面白いと思う事を否定してきた為「面白い・楽しい」が分からない〉
今年からは〈楽しい・面白い〉という感覚を大事にしたい。
生活でも、制作でもその感覚は大事にしたい。

そのなかで、制作中に画面に面白いものが見えたのです。

波の様な、枝の様な、波動の様なそして息吹きの様なその模様その描き起こす作業の面白さに気づいた時には、5枚ほど鉛筆画を制作することになりました。


鉛筆・綿棒・練消しゴムで描いてゆく作業
作品サイズ180×140㎜

背景を塗りつぶす時に、縦と横の線を交差させて白い画面を塗りつぶす。
その線を綿棒か柔らかい布でこすり広げていく。
濃すぎる線を消したりぼかしたりするのが、練消しゴムの仕事。
そんなことを二枚ほど繰り返した時に
〈枝ぽいな‥〉
と背景に偶然できた模様に目が留まる。

これも色彩心理でも明らかになった事ですが、自然が好き〈緑が好き〉
ストレスなどで具合が悪くなった際は、自然の多いところで静かにしていると治ってしまうほど私は〈緑〉と相性がいい。
偶然にできた模様でも〈木々〉と意識して見るとはっきり見えてくるもの。

「これはどれぐらい長くいる木だろう?どんな環境で生きているのだろう」

そんなことを考えながら濃淡の変わり目や、線の様に見えるところを塗り起こしたりぼかしたり・・気が付けば数時間も経ってることがあります。
集中力が高くなる理由は「見えるうちに描き起こさなければ」という勢い。
「見えるうち」というのは、本当に時間制限があるのです。
下書きをしているわけでもなく感覚で描いているので、印象的に見えた濃淡の違いは数分後に変化していたり見えなくなっている。
不思議と一分前と一分後では枝の輪郭が変わるんですね。

枚数が増えてくるとその感覚に〈生きているモノ〉枝の様な模様が
〈生物の息吹〉様に最近思えてきました。
陽炎の様に不確かで、呼吸の様に何かリズムがあるような・・
「ああ、なんか面白いな」
「どんどん浮かぶな」
思いついたまま、イメージに流されるまま手を動かす。
修正がきく鉛筆のお陰か考えず制作できる。
〈失敗しない事〉〈意味を考える事〉を意識して制作することが多かったので、新しい感覚です。

「生命力」はにかむ様な言葉が浮かんだ事について

数年も使っていないと、思っていても〈言葉〉が浮かばなかったり声に出すのを躊躇する言葉がある。
それは制作する事でも一緒。
動きのある曲線。
個体の曲線。
まっすぐな線より曲線が好きなのに、ペン画を10年ほど描いてきたが〈やわらかい線〉が描けたことはあまりありませんでした。
描けていてもなんか違う。
そう思って数年。
今年になって偶然に鉛筆画を描く事で〈揺らぎの様な線〉が描けるようになったのですごく嬉しい制作時間。
みなぎる様な曲線。
炎の様な輪郭。
スクラッチで浮かぶ線をなぞりながら不意に浮かんだ言葉は〈生命力〉

〈息吹き〉〈生命力〉を意識した制作工程
背景の揺らぎの模様も印象や感覚で描き起こす

〈生命力〉・・・なんか、なんか使うのに一歩踏み出せない。
今までは、「死生観」「孤独感」「劣等感」「焦燥感」がなじみの言葉なのに・・いきなり〈生命力〉・・明るさの違う言葉に少し戸惑います。
どうも、エネルギーのある言葉に対しては、拒否感が多い。

いまでもたまに後ろ向きなのに、なのに・・こんなに当たり前の様に
〈生命力〉と言葉が浮かんだ自分自身が何か不思議な気がします。
思ったように、感じたように止まらないで描いていく。
今までとは違う制作過程。
戸惑う事もあります。
でも、「なかなか良い感じだな」と思って制作しています。
形にできたら掲載したいです。

深呼吸からイメージして

⁂色彩心理の備忘録

制作日記


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