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#4 加護亜依が在籍していた「Girls Beat!!」

 1990年代〜2000年代までの女性アイドルを振り返る「ガールズポップス」。昔、加護亜依が地下アイドルとして活動していたことを覚えているだろうか。それもモーニング娘。としてデビューする前の話ではなく、卒業して10年近く経った頃のことだ。

 当時の加護は世間を震撼させた喫煙スキャンダルを経て、新たな事務所で歌手・女優・タレントとして再起を図っていたが、映画で共演したVシネマ俳優との不倫報道、所属事務所との契約トラブル、交際していた年上男性とのトラブルとアイドル時代と変わらず世間を騒がせていた。

 結婚を機に芸能活動休止状態となっていたが、所属事務所を再び移してガールズユニットを立ち上げることを発表した。新しい芸能事務所で予算が掛けられなかったのか「みんなでつくる! ガールズユニットプロジェクト」と題してメンバーや楽曲・歌詞・衣装・振付などを一般から募って全てファン投票で決めることになった。500人にも満たない応募の中から喜多麗美・姫乃稜菜が選ばれ、3人組ガールズユニット「Girls Beat!!(ガールズ・ビート)」として再びアイドルとしての活動が始まった。

デビューから3ヶ月で活動休止状態に

 2014年7月22日に「世界征服」でデビューし、デビューイベントはニコニコ生放送でも生配信されたが、動員数は報道陣を含めて約300人と出だしから厳しい状況となった。デビューから2ヶ月後には早くも2ndシングル「まだ、やれる」をリリースし、小籔千豊が主催する音楽フェス「コヤブソニック」にシークレットゲストとして出演するなど少しずつ活躍の場を広げていた。

 しかし、加護の当時の夫に出資法違反容疑で逮捕状が出ていることを受けて出演予定だったイベントは辞退せざるを得なくなり、追加メンバー募集も延期になるという事態に見舞われた。加護はブログでファンや関係者に謝罪するとともに周囲への影響を考えて芸能界引退を視野に入れていることを報告し、デビューから3ヶ月でグループは活動停止状態となった。

 その後は活動再開を待たずして喜多が所属事務所との契約終了に伴ってグループを脱退し、加護もグループに籍を置いたままフリーランスとなった。

再起を試みるも加護が脱退

 思わぬアクシデントで活動の目処が一向に立たず再起不能にまで陥ってしまったが、10ヶ月ぶりに活動を再開し、同時にメンバーを募集することが発表された。その後、加護はしばらくライブイベントには参加せず、姫乃によるソロユニットとしてライブイベントを中心に活動が行なわれた。

 再始動から4ヶ月後の2015年12月には新メンバーの百瀬ゆいが加入し、台湾で行なわれたアイドルフェスから加護も本格的に活動を再開して3人体制で再起を図った。

 しかし、新体制となってわずか2ヶ月後にグループを立ち上げた加護が脱退を表明し、数週間後に行なわれたライブイベントをもってアイドル活動に終止符を打った。ラストステージは単独ライブではなく、数十組のアイドルが出演するライブイベントで与えられた時間はわずか20分だった。

 その後は脱退した加護を含めた3人体制でアルバム「Get Ready」をリリースし、メンバー募集を行なうなど精力的に活動を続けていたが、加護の脱退の影響でファンが激減し、結成時の勢いはもはや失われていた。グループの認知度を上げるべくソロ活動も行なうようになったが、今度は百瀬が脱退した。

 最終的には結成時のメンバーである姫乃のソロユニットとなったが、百瀬の脱退から1年後に卒業を発表し、メンバーがいなくなったことで結成から4年で解散となった。

 加護のグループとしての活動期間は僅か半年程だった。グループを立ち上げたのであれば、せめて解散するまで見届けるべきだと思うが、活動を再開して直ぐに脱退するあたりが加護らしい。脱退後はハロー!プロジェクトのコンサートで歴史的和解(?)を果たし、音楽特番『テレ東音楽祭2019』では辻希美とWの「ロボキッス」を披露した。

 加護亜依は“まだ、やれる”─。

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