映画記録~PERFECT DAYS~
実写版ゴールデンカムイを観に行くついでに、他にも面白そうな映画があったら観てみようと思い、見つけたのがこの映画です。
アカデミー賞の国際長編映画賞ノミネート作品という一文に釣られました。
いやぁ、役所広司の演技が秀逸でした。
特にラストシーン。役所さんの顔面アップでずーっと流れていきます。このシーンだけ滅茶苦茶長く感じましたが、表情の作り方がもうすごい(語彙力行方不明)
何を考えていれば、あんな顔の変化を作り出すことが出来るのか。あの場面だけで、役所広司がどれだけすごい役者なのか感じることが出来ます。
あと、この映画って「変わらない日常をただ撮っている」ようなストーリーで常に淡々としています。
毎日同じ時間に起きて、歯を磨いて、植物に水をやって、着替えて、玄関を開けた時に空を見上げて微笑んで、自販機でコーヒーを買って、車に乗ってカセットテープで洋楽を聴きながら出勤する。
なので、同じようなシーンが結構あります。
そんな中でもずっと見続けていられたのは、役所さんの演技があったからだと思います。
流石アカデミー賞連続受賞男優。
さて、映画公開からかなり過ぎたこの作品。既にnote上でも様々な考察がされています。
私はこの映画を流し見したので、なんの面白味もなく見たままの感想を羅列します。なんなら、そんなに考えながら見ていませんでした。他のnoterさんの考察を見た時に「ああ、この映画こんな深い内容だったの?」と知ったぐらいです。
○作中で流れている曲が好みだった
1970年代の曲なんでしょうか?
流れてきた曲にビートルズみを感じました。
カセットテープで再生されたからというのもありますが、確かな懐かしさがありました。
昔の流行りが曲にもあるんだと思います。
時間がある時に、作中で流れた音楽を聴いてみようと思いました。
○1日の始まりが曇っていても雨でも、空を見上げて必ず微笑む主人公が素敵
この映画は、背景が暗いです。朝焼け前だったり曇った空である事が多いし、それを印象付けようとしている節があります。
まるで、人生において最も厳しい中年期を表しているかのようにも見えます。
または、主人公が孤独である事を揶揄しているものなのか。
いずれにしても、どんなに空がどんよりしていても必ず1日の初めに空を見上げて笑顔を作る。そんな主人公が印象的でした。
自分もそんなメンタルでありたいと思わせてくれます。
○作中の仕事ぶりで分かる主人公の人柄
作中で主人公はトイレの清掃員を生業としています。無口で愛想が無いのですが仕事ぶりがすごく徹底されている。
一つ一つ丁寧に掃除していく主人公。同僚の男の子に「すぐに汚れるんだから適当でいいんですよ」といわれる程。
そして、トイレを使用する人が現れたらすぐにその場から立ち去って終わるまで待ちます。これ、些細なことだけど結構大事だなと思うんです。
たかが清掃員。されど清掃員。どんな仕事であっても与えられたことは責任を持って遂行する。きっとトイレ掃除をする前の仕事もいわゆる「できる人」だったのだと想像できました。
○ラストシーンの意味を解釈してみた
ラストのシーン。時刻は朝焼け前。日が昇るまでを約三分の尺の中で表しているのですが、この時に映しているのは主人公の表情です。
最初は笑っていた主人公。だんだんその表情に陰りが見えてきて、泣き笑いのような顔になっていきます。「泣いて、笑う」これをひたすら3分程繰り返して日が昇り切ったところで物語は終わります。
なぜ、主人公が泣いていたのか。流し見していた私は、その理由を知りませんし、作中ではその理由が明確に示されていません。
なので、個人的な解釈として、あのシーンは人生そのものを表していたんじゃないかと思います。
泣いて、笑って、楽しい事ばかりじゃないから人生なんだというのを役所広司の表情だけで表現したのかなぁと。(頓珍漢すぎる)
いわゆる人生のメリーゴーランドみたいな?
さて、そんな感じで見ていた『PERFECT DAYS』
他のブログやnote記事の考察を見ると、「主人公はそう遠くない未来に死ぬ」と書かれていて「ああ!なーるほど!」と妙にスッキリしました。
確かに主人公が死ぬ前提でこの映画を見ると、いろいろと分からなかったシーンの意味がなんとなく分かってきます。
例えば、所々でモノクロに映し出された主人公の回想がある所とか、アナログなもの(カセットテープとか古本とか)にこだわって質素な生活を送っているところとか、映画の詳細に「同じ日は一度だってない」と記載されていたところとか、お姉さんとハグした後に泣いていた理由とか・・・。その全部を「主人公がもうすぐで死ぬ」と考えれば納得がいきます。
ただ、ちょっとこの記事の感想だけ読んでも意味が分からないと思います。プレゼンは世界一苦手な分野です。
いやぁ、頭がよくなりたいなぁ。そうすれば見た人が興味を持ってくれるのに…(切望)
いいえ、本当に面白かったんです。考察するのが好きという方はご覧になってほしいと思います。この映画は所々で意味の分からない伏線が張られます。それをつなぎ合わせて一つの結論を自分なりに考える、そんな楽しみ方ができる作品です。
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