tutu

落書き帳のように、色々なことをてきとうに綴っています。コメントも歓迎します。

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最近の記事

来春から労働者となるいま、大学生活を振り返る

2020年から2024年にわたって僕に与えられた「学生」という身分は、ある人にとっては、いささかの甘美な響きを持つものに聞こえるかもしれない。しかしその実質は、ペトリコールの匂いのような、不快だけれども癖になるといった独特の性質を持つようなものだった。 入学当初、日本列島はコロナ禍に襲われた。 そもそも僕は高校生の頃、大学進学に強い意志はなかった。とにかく勉強が嫌いで、他方では自然豊かな地方に憧憬があった。そこで、極めて安直な発想ではあるけれど、北海道で酪農業を営む事業主

    • 基本的に僕は自分のことが好きなのだけれど、ときどき嫌な自分がふっと現れて、ふっと消えてゆく。静かに消えた嫌な自分の残り香にむせながら、ああ、人生って辛いなあって、ちいさくつぶやく。

      • 【練習なし】初めてのフル(大阪)マラソン完走の全記録

        2月25日に開催された大阪マラソンを走ってきた。あのハルキ・ムラカミやシンヤ・ヤマナカを夢中にさせるフルマラソンとは、なんぼのもんじゃいと漠然とした興味はあったのだが、実際に走るにはなかなかハードルが高く敬遠していた。そうしたところ、偶然の機会に恵まれて大阪マラソンの出場権を得た、いや、得てしまった。ホント、棚からぼたもちみたいな感じである。 初マラソンがかの有名な大阪マラソンになるとは、実にありがたいことだ。出場が決まった翌週にスポーツ用品店へと赴き、タイツやウェア、靴な

        • 最近のテレビがつまらない理由、あるいはダウンタウン的娯楽の醜悪さについて

          若者のテレビ離れが危惧されて久しい。実際、僕が小学生くらいの頃、教室では前夜のテレビプログラムの話題で持ちきりだったのが、この頃は会話の中にテレビという言葉を聞くことさえ、からきしなくなってしまった。僕自身も、ほとんどテレビは観ない。ニュースはネットや新聞、あるいはラジオで補えるし、娯楽といえば小説や雑誌、あるいは音楽があれば十分だ。 なぜ、自分がテレビを観なくなったのかを考えるに、僕はあるひとつの明確な答えに手を伸ばすことができる。すなわち、退屈だからだ。より厳密に言葉を

        来春から労働者となるいま、大学生活を振り返る

        • 基本的に僕は自分のことが好きなのだけれど、ときどき嫌な自分がふっと現れて、ふっと消えてゆく。静かに消えた嫌な自分の残り香にむせながら、ああ、人生って辛いなあって、ちいさくつぶやく。

        • 【練習なし】初めてのフル(大阪)マラソン完走の全記録

        • 最近のテレビがつまらない理由、あるいはダウンタウン的娯楽の醜悪さについて

          普段はお茶目なバイト先のおばちゃんが、何気ない雑談の中で「私ら庶民や企業は節約のために努力してるのに、政治は裏金とか私欲ばっかり。国民を舐めてる」と言っていて、なんか良かった。みんな、心の中では怒ってるんだよな。

          普段はお茶目なバイト先のおばちゃんが、何気ない雑談の中で「私ら庶民や企業は節約のために努力してるのに、政治は裏金とか私欲ばっかり。国民を舐めてる」と言っていて、なんか良かった。みんな、心の中では怒ってるんだよな。

          大学四年の冬。モラトリアムの現場より。

          12時ごろに起きた。朝食を食べて、身支度をしてから、15時のおやつにとクリスピー・クリーム・ドーナツを電車に乗って新大阪駅まで買いに行った。オリジナル・グレーズド2こと、チョコスプリンクル1こ。オリジナルには丸ぽちを打つのに、チョコスプリンクルには丸ぽちを打たないのはなぜ。教えて、村上春樹。僕が会計をしていると、出張で大阪に来たと思しきコロコロを引いた会社員も、オリジナル・グレーズドを買ってた。わかる。疲れた時こそ、甘いものが食べたくなるよね。頑張ってね、お仕事。そんなエール

          大学四年の冬。モラトリアムの現場より。

          パパ活女子と、成金野郎と、大塚家具にいたある少女と

          大塚家具が「大塚家具」だった頃、名古屋市内にガラス張りのショールームがあった。中学生の頃だったと記憶している。たしかアートアクアリウムの展覧会を向かっている途中、大塚家具のショールーム沿いを歩いた。あの頃の大塚家具は、”金持ちのための家具屋”という感じで、ニトリや街の小さな家具店で家具を買い揃えるわれわれが足を踏み入れるべき場所ではなかった。噂によれば、店に入ればホテルのコンシェルジュの如く店員が客をエスコートして、マンツーマンの接客をしてくれるとのことだった。店員を探そうと

          パパ活女子と、成金野郎と、大塚家具にいたある少女と

          なんとなく寂しかった、ある日の記録

          午前11時に起きて、シャワーを浴びる。身支度を整え、4限のゼミに出席するために、家を出た。大学に着いた時、ゼミが始まるまでまだ時間があったから、購買部の書店にふらりと立ち寄った。装着されたApple社製の純正イヤホンからは羊文学の楽曲が流れていた。 著者の五十音順で陳列された文庫コーナーを、”あ”から順にゆっくりと見てゆく。江國香織、小川洋子、恩田陸。知っている作家の名前から順に視界に入ってくる。江國の手前に、石沢麻依の名前を見つける。初めて聞く作家だ。忘却に抗う言語芸術の

          なんとなく寂しかった、ある日の記録

          2024年はこんな年にしたい

          2024年が始まりました。「明けましておめでとう」と言いたいところですが、年が明けなければ大災害は起きなかったわけで、そう考えると軽々に「おめでとう」と言う気にはなれません。推定若干名の読者の皆さん、今年もどうぞよろしくお願いします。このnoteでは、「2024年はこんな生き方をしたいなあ」という個人的な希望を備忘録的にさくっと綴っておきます。 ▼人間関係を大切にして、輪を広げる 大学を卒業して社会人になるということもあり、今年は「出会いの年」となるような予感がしています

          2024年はこんな年にしたい

          アバウトに自分のキャリアを考えてみる

          僕は来春から記者として働く。記者といえばお堅くて忙しい仕事というイメージがあるかもしれない。実際はどうなのだろう。インターンや内定者懇親会で先輩記者のお話を伺った限りでは、そのイメージはそれほど間違っていないようだった。 振り返れば中学生の頃、僕はまったく勉強が嫌いな少年だった。勉強はできなかったけれど、先生からは好かれていたから、温情で私立高校の専門学科に推薦をもらい進学することができた。高校ではデザインを専攻して、イラストレーターやアフターエフェクトを用いた創作を勉強し

          アバウトに自分のキャリアを考えてみる

          バイト先のラジオで羊文学を聴き、朧げに祈りについて考えた

          アルバイト先のボスは、いつも仕事中にFMラジオを流しながら働いている。音量は小さすぎず、大きすぎず。暇なときにぼうっとしていると、すっと耳に入ってくるくらいのボリュームだ。FMラジオでは、某作詞家A・Yが女の子を連れて食べ歩きをしたり、パーソナリティがゲストと人生論を論議していたりしている。そして、そんなカオスな番組を囲むように、バラエティ豊かな音楽番組がタイムテーブルをぎゅっと埋め尽くしているらしい。 放送される音楽の多くは洋楽やK-POPで、聴いていても歌詞はあまり理解

          バイト先のラジオで羊文学を聴き、朧げに祈りについて考えた