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前向きになれる言葉、大切にしたい名言 その2

どうも。栗花落しおん(つゆりしおん)です。

さて、今回は「闘戦経」という兵法書から、私が感銘を受けたことばをご紹介したいと思います。

兵法書というと、多くの人が真っ先に思い浮かべるのは、中国古典の「孫子」ではないかと思います。「孫子」は日本で人気がありますし、本屋さんに行くと「孫子」関連の本は特にたくさん置いてありますね。ビジネスでも孫子の考え方が経営戦略などに応用されていることは少なくありません。

一方、この「闘戦経」は、「純日本産」です。
わが国最古の兵法書とも言われており、平安時代末期に、大江匡房(おおえのまさふさ)という人が書いたと言われています(諸説あり?)。

私がまず「闘戦経」にシビレたのは、この書物が入っている函に金文字で、次のようなことが書いてあったとされている点です。

・・・この「闘戦経」は「孫子」と表裏す。「孫子」は詭道を説くも、「闘戦経」は真鋭を説く。これ日本の国風なり。・・・

※家村和幸氏の編著「闘戦経」(並木書房)より

「孫子」は、優れた兵法書だし役に立つものだけれども、日本人の気質には合わないのではないか。孫子は権謀術数を重視するけれど、日本人には「正々堂々」のスタイルこそが合うものではないか。そんな主張が聞こえてきそうな文面だと思います。

実は、私もこれまで孫子に関してはいろいろな本を読みましたが、「なるほど」とか「ふむふむ」とは思っても、どこかで「んー…、そうかもしれんけどさぁ…」という感想を持つことが少なくありませんでした。というか、正直、あまり好きになれない点もあるというか、どこか引っかかるところもあったのです。

そんな中で出会った、この「闘戦経」の文面は、「そう!そう思ってたのよ!!」と、個人的に腹落ちするものでした。それ以降、私はこの「闘戦経」に注目するようになり、ちょくちょくと読み直したりしています。もっとも、内容が難しくて、よく理解できていないところも結構あるのですが…(苦笑)。

と、前置きが少し長くなってしまいましたが、そんな「闘戦経」の中で、特に私が感銘を受けたことばが、こちらです。

・「闘戦経」(大江匡房)より

小虫の毒有るは天の性か。小勢を以って大敵を討つ者も亦た然るか。(第三十章)

※読み下し分は、家村和幸氏の編著「闘戦経」(並木書房)より

齋藤孝先生の「日本人の闘い方」(致知出版社)によれば、次のような解釈がされています。

小さな虫であっても毒を持っていれば大きな相手も倒すことができる。少ない勢力であっても敵の弱点を突けば、大きな相手でも倒すことができる。

私自身の解釈としては、「たとえ小さな者であっても、毒のような強烈な強みがあれば、大きな相手を打ち負かすことができる。」というふうに(勝手に)理解しています。

これは、現代の中小企業で働く方々やフリーランスにとって、とても勇気をくれることばであるように思います。私自身も、弁理士という小さな個人事業主にすぎませんので、時には競業者となる大組織にも立ち向かっていかなければなりません。そんなとき、「自分にも毒のような強烈な強みがきっと何かあるはずだ」と、しばしば前向き(強気?)になれることがあります。

最近は、インターネットと情報技術をうまく活用して、少人数や個人でもビジネスなどで成功している人たちをよく見かけるようになった気がします。こういった人たちは、自分の持っている「毒」である強烈な強みをうまく見出し、活用しているのだろうと思います。

ちょっと弁理士の仕事に関係する話になりますが、中小企業にとって、知的財産権はこの「毒のような強烈な強み」になり得るものの一つと言えるでしょう。かの「下町ロケット」も、佃製作所が持っていた特許が非常に役に立ったストーリーだったと記憶しています(うろ覚え)。

宣伝のようになってちょっとアレですが(苦笑)、中小企業の経営者の皆様は、ぜひ発明、意匠、商標などの知的財産に関する権利の取得を、一度ご検討いただければと思います。これが「毒」となり、大きな相手を打ち負かせることもあるかもしれませんので。長年地道にやっていれば、貴社特有の強みは、必ず何かあるはずです。

そういえば、私の好きな「ドラゴンクエスト3」というRPGでは、腕力が非力な「魔法使い」が装備できる武器に「どくばり」というものがありました。これを装備しても、攻撃力はたったの「1」しか上がらないのですが、敵のモンスターを攻撃した際に、たまに「どくばりがきゅうしょをちょくげき!」とかいって、一撃で倒せることがあるのです。

呪文を使わずに普通の武器による攻撃だけで戦うと、魔法使いでは絶対に勝てないようなモンスター相手でも、「どくばり」なら「プシュッ」と一撃で倒せることがあります。もちろん運にもよりますが、理論的にはレベル1の魔法使いが、レベル99のガチムチモンスターを倒すことができる可能性もあるということになります。これもまた、「闘戦経」でいうところの「小虫の毒」みたいなものだと思います。

ああ、自分にもこんな夢のような「小虫の毒」がないかなぁなんて、たまに思う次第です。まぁ、変な期待をするより、地道に努力するのが「闘戦経」的かもしれませんが(苦笑)。

ちなみに、私のような一般人向けの「闘戦経」に関する本はあまり世の中にないようなのですが、↓の2冊は書店やAmazonで入手しやすいと思います。

・「闘戦経」家村和幸(並木書房)
・「日本人の闘い方」齋藤孝(致知出版社)

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もし、興味を持たれたらぜひ読んでみてください!

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