「train line」企画書
以前書いた漫画原作を少し書きかえて、創作大賞2024・オールカテゴリ部門に参加させて頂きます!(´▽`)
◆キャッチコピー!
通勤電車内のミステリーな世界へ!あなたも「train line」を使って脳裏で会話してみませんか?
◆主な登場人物
主人公:朗真。40代サラリーマン。
A:大輔・50代サラリーマン
B:翔太・20代サラリーマン
C:美咲・30代OL
D:優香・20代OL
◆あらすじ!
毎日の普段何気ない電車通勤。始発の電車をホームで、いつもの位置の列に並び、電車が来るのを待っている。そして車内では、ほぼ毎日同じ顏ぶれ。誰もが「あの人はあの席に座る」という、指定席を知っている。
普段と違う光景が見られると”今日はあの席の人は休みなのか”と、ふっと考える瞬間がある。
そんな日々のある日、もし誰かの声が聞こえはじめたら…。
そして特殊アプリで、お互い脳裏で会話ができるようになったとしたら…。
◆第1話
〇現代日本・駅ホーム
主人公・会社員の朗真(ろうま)は、電車通勤だ。
今日も、いつも通り、駅のホームに着くと、いつもの12両目列に並び、電車を来るのを待っていた。
朗真M(モノローグ)「始発だから助かる」
そう思いながら、電車の扉が開くと共に、いつも決まっているであろう目指す席へと向かう。
座れたと安堵すると共に、何気なく周囲を見渡す。車内では、誰が何を決めたわけではないが、ほとんどが指定席のようになっていた。
いつも斜め前の端に座っている席が空いていることに気がつく。
朗真M「今日は休みなのかな。まあ平日休みとる人もいるし…でもなんか寂しいなぁ」
〇二人の脳裏内
そう、心のなかで叫んだ瞬間、どこともなく「そうですよね。なんか寂しいですよね」という他人の声が聞こえてきた。
朗真「え~?!」
A「え!?」
二人の声が、頭のなかで重なる。
「誰?」「だれ?」
「何?」「なに?」
「どういうこと?」「どういうことでしょう」
二人のオウム返しが繰り返された。
気がおかしくなったのかと朗真は困惑する。
A「あの~よくわからないですが、あなたに話かけてます」
朗真「私の思っている声が聞こえるのですか?いつからですか?」
A「今日初めてです。私もびっくりです」
二人は、なぜこうなってしまったのかと会話を続けた。
朗真「なんか頭が痛くなってきましたね。本当に僕たち二人だけで、周囲には聞こえてないんですよね?」
A「確認しますか?暗号使って」
朗真「暗号?なんか映画のダヴィンチみたいですね」
二人だけの暗号を決めて、いざ頭のなかで二人が叫んだ。
〇数日後・通勤中(脳裏会話)
あれから、毎日通勤の間、二人の会話が続いていた。
相手の名前は大輔。50代のサラリーマンで、ジムに通い、サウナと野球観戦が趣味だということ。名前以外は、話したい範囲でというルールを決めて、気軽に会話を楽しんでいた。
今日も何気ない会話をしていた。
朗真M「考えてみれば、今はスマホが普及しているので、電車移動には、ほとんどの人がスマホを見ている。はて?なかった時代は?!」
朗真「そういえば、昔は網棚の上にスポーツ新聞が置いてあったと聞いてますが…」
大輔「そうそう。私も読むときありました(笑)」
そう返答した瞬間、聞き覚えがない声が二人の会話に入ってきた。
B「え?!置いてあるんですか?網棚に?誰かが購入した新聞が?しかも皆でシェアを?」
その声に、朗真と大輔は「え~!!」「だれ?」と、同時に問いかけた。
◆第2話以降
〇脳裏内での会話
20代サラリーマンの翔太は、2日前から二人の会話は聞こえていたらしいが、気のせいだと思っていた。
翔太「いやぁーまさか。おじさんたちの…いや先輩たちの会話に、僕が入っていけるとは…」
朗真と大輔は困惑しはじめた。
なぜ増えた?!いや聞こえる?!
翔太「新聞代が当時100円だとして、週5で500円。それを1年だとしたら…。
読んだ新聞を置き、それがシェアされていく。最初に購入した人は、どれだけの資産家なのでしょうね。皆さん感謝ですね」
と、早口で一気に話まくった。
翔太「しかも、電車内で新聞のグラビア面とかどう見てたんですか?」
変わった解釈と素直な質問に戸惑う二人。(^▽^;)
朗真と大輔は、冷静になり、二人のときに会話ができたときの共通点を思い返していた。
いつも同じ電車・同じ席・降りる駅が同じ、スマホをマナーモードにしている、サラリーマン、朗真の想いに共感した瞬間から会話ができるようになった。
朗真・大輔「だから、何かに共感すると会話ができるんだ!」
〇脳裏内・新たなる仲間
さすがに朗真・大輔・翔太の3人になると、声で判断しなくてはならず、わけがわからなくなり判断が難しいと悩んでいた。
C「え?アプリ使えば?」と女性の声がした。
「え?!」「だれ~?!」
三人の声が三重奏になった。
30代OL・美咲は、以前からおじさん二人組の会話を、チャットラジオとして楽しんでいたようだ。
美咲「内容が面白くて(笑)。でも、別に仲間に入りたかったわけでもなかったし、今まで声かけませんでした(笑)」
美咲は、特殊アプリ「train line」について語りはじめた。
アプリは、いつも乗り込む電車に乗った時にだけ表示される。
それを利用すると、脳裏にチャットのやりとり画面が表示されるという。
しかも、ネームやアイコンも好きなものに変えられるとのことだった。
もし会話に参加したくなければ、「train line」アプリを開かなければ、脳裏でのやりとりは一切聞こえなくなるし、画面も浮かんでこないという。
4人は、さっそく試してみた。
「便利」と4人が微笑むと、反応して画面には(笑)と表示された。
〇数週間後
数週間後「train line」仲間は10人に増えていった。
しかも人数が増えると、参加人数、出席数、欠席、体調管理表などといった項目が、どんどん増えていった。
朗真「そういえば、なぜいつものメンバーだけが、同じ電車の12両目に乗れるんだろう?」
”特別通勤列車ですよ。抽選で当選したメンバーです”
”乗る前に指紋認証や顏認証をするので、他の人は乗れません”
”条件は、いつも同じ車両、いつも同じ席の指定席に座る”
”他人に迷惑行為等した場合は即取り消しで定期代返金なし”
朗真「あ!思い出した。指定席だったの忘れてた。
だったら、家出るの10分くらい遅くても大丈夫だった(笑)」
全員:そこかい!(笑)
不思議な感覚の通勤電車に「train line」の仲間。
なかなか楽しい通勤時間が続いた。
〇異なる車両からの参加者
だが、ある日。
D「これ、どういうことですか?」っと大声で叫ぶつぶやきに、皆の脳裏が固まった。
話を聞くと、彼女は優香と名乗り、”15両目のママ・パパお子様連れ専用車両”の人だった。異なる車両からの参加者が現れ、全員が固まった。
そもそも、12両目で会話できる人は、朗真や参加しているメンバーの想いに共感した瞬間から、会話ができるようになっていることは、既にわかっていた。遠い距離にある車両まで影響しているとは驚きだった。
優香は、ある時から「train line」アプリが表示され、なんだろうと押したところ、脳裏にチャット画面が表示されて驚いたとのことだった。
優香「数日間見てたら、そのうち取扱書が表示されるようになって…。これって私がいる車両15両目のなかでも、脳裏で会話できる人とかいるんですかね?」
その質問に困惑する車両12両目のメンバーたち。
そもそも、乗る車両が違うので、確認することさえできない。
朗真「試しに、何か想いに共感できるような言葉を頭にうかべて問いかけてみれば?」
優香「やってみます」
すると「train line」アプリに”毎日、子供の世話は大変ですよね。私は初めての子供なので特に神経つかいます”と表示された。
12両目メンバーたちは静かに見守っていた。
優香「あ!仲間いました。会話できます」
ただ、相手の人には、まだ「train line」アプリの存在は知られていないようだった。
〇数か月後・脳裏内
あれから「train line」アプリには、数字がでるようになった。
どうやら、車両ごとに分かれているようになって、別車両のメンバー同士のやりとりはできなくなった。
そもそも「train line」アプリって、誰が何の目的に作られたアプリなのか?利用できる人を選ぶ基準とは?それは誰にもわからなかった。
ある日「train line」アプリ利用者宛てに、メッセージが届く。
そこには、一週間後に全車両対決によるイベントが開催され、勝利した車両チーム参加者には豪華賞品・賞金があると書かれていた。
対決内容は、eスポーツだった。
朗真「なんでeスポーツなんだろう?」
大輔「流行ですかね?」
翔太「eスポーツ。いいすね。運動系なら俺いけます」
美咲「私、運動系ゼロなんだけど」
イベントは、勝ち抜き戦だった。
ルールと対戦相手などが書かれていた項目を読み、まずは、参加するかどうかの意志確認だった。
美咲「え?!1位の賞金が1000万円って凄くない?」
翔太「現金で?!すげー!」
大輔「詳細書かれてないな。手数料とか税金とかとられるのかな?」
朗真「あのさーまだ対戦さえしていないのだけど…」
そのひとことで、夢から一気に冷めた3人だった。
〇秘密の戦い・当日
戦いの日がやってきた!
「train line」アプリを起動すると、脳裏画面が起動した。
見たことない画面が登場した。
朗真「うわーまさにeスポーツ空間~!」
思わず声をだしてしまった。
車内にいた数名が、朗真のほうを振りむいた。
朗真M(モノローグ)「そうだった。train lineアプリ利用者だけが知る秘密の戦いだった」
「train line12(両目)」の参加者は10人。
初戦相手は、隣の11両目で、対戦する種目は「野球」だった。
脳裏画面では、リアルの世界でやっている「野球ゲーム」と変わりはなかった。
しかし、今回の「野球ゲーム」ルールとして、かならず参加者全員が参加しなくてはいけなかった。人数が多ければ、交代もできる。
朗真「相手チームの人数が2人多いね。戦略大事だな」
野球は1チーム9人なので、1人は監督とした。
9人の選手は、どう動かせば、どう動くかをチェックしていた。
”eスポーツを、まさか脳裏でやるとは!
当たり前だが、誰もやったことはない”
”戸惑いながらも、挑戦する!これこそが青春だ”
”まあ、ほぼ賞金目当てでしょう(笑)”
さて、勝利するのは、どっちの車両なのか?!
〇イベント・対決
12両目メンバーは、大喜びしていた。
もと、高校球児と、ゲーマーがいたことに救われた(笑)
まあ、作戦とスピード勝ちということのようだった。
そして次は、優香がいる15両目のママパパメンバーとの闘いとなった。
対戦する種目は「サイクリング」だった。
参加できるメンバーは、6人だけだった。
そのため、今回は、体力に自信のある翔太をはじめ、日ごろから体を鍛えている大輔・朗真などがメンバーとして参加することになった。
この時だけ、特別の12両目B専用車両(B.B.BASE仕様)に乗った。
自転車に専用ローラーがついていた。
しかも、朗真はじめ、参加者全員の声や顏は、お互いわからない。
自転車についている画面に、脳裏画面が起動されており、
そこで、お互いやりとりができる状態だった。
朗真「これは、既に脳裏ではなくリアルな戦い(笑)」
大輔「24時間戦えますか~🎵」
翔太「なんすか、それ?」
朗真「そもそも体力温存のため、出勤前にやることではないと思うが…」
その一言に、チーム参加者全員が”そうだ!”を押しまくっていた。
”さあ、戦いが始まります!スタート!!”という声で、
朗真たちは動き出そうとしていた。
その瞬間…。
「あれ?!フリーズしちゃたよー」
「え~私のアバターがぁ(泣)」
「どうするんだよ!今までの大量データー」
「課題提出できなくなるじゃん」
「大丈夫だよ。バックアップとっているから」
「それより、早く復活させようよ」
カチャカチャ。
カチャカチャ。
カチャカチャ。
そう、朗真たちがいた世界は…。
そして、本当の真実を知るのは、まだ先のことだった。
つづく。
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