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屋外スピーカーから流れる放送に思わず立ち止まってしまったこと


ともすれば聞き流してしまうかもしれない放送

買い物からの帰り道、街の屋外スピーカーから行方不明者を知らせる放送が流れた。違和感を感じて思わず耳を放送に集中させた。

長ズボンに白い……なんて言った?
白い衣服…

まさかと思い、思わず市の防災サイトで確認してしまった。
やっぱり、聞こえ間違いじゃなかった。

白い犬だったのだ。

行方不明なのは高齢者だが、犬を連れているらしい。

犬の散歩中にどこへ帰ったらいいかわからなくなったのだろうか。
もしくは犬をお供に出かけてしまったのか…早く見つかって欲しい。
不謹慎な発言かもしれないが犬もどうしているのか心配になった。




これはあまりあるパターンではなかったので、とても驚いてしまったのだが、この種類の放送はとても多い。そこにいるあの人もこの人も同じ様な年齢、服装、髪型なのだから、気付けないかも知れない。

放送=すでに個人情報云々言っていられない緊急事態

そんなことを考えていると、以前お世話になった地域の高齢の役員さんが言っていたことを思い出した。

『オレも来年ぐらいには行方不明になりました、と放送されるかも知れんぞ。その後なーんにも放送されなかったら、いなくなったと思ってくれよ』
とそのおじいちゃん役員は笑いながら冗談のように話していた。

確かに「行方不明者を探しています」からの数時間後「無事保護されました」と伝える放送を耳にして、ああよかったと思うことは多い。

上記の市の防災サイトには、過去の放送の内容がカテゴリに分けて記録されていたが、改めて見ると「行方不明者のお知らせ」は「保護のお礼放送」より多かった。

あのおじいちゃん役員の話は冗談ではなかったのか。


いまなら痛いほど実感できる。徘徊はすると思う

先日、報道特集で徘徊について取り上げられていました。
徘徊してしまった人は何かのきっかけで、思わぬ遠くまで行ってしまうことがあるとその中でも言われていました。

これは私が以前書いた記事です
一歩間違えば永遠の旅に出るところだった祖母

なんでここから?どうしてこの時間に?と思うタイミングでフッと
消えました。お互い誰をも責められませんでした。

あの時青くなっていた母自身も、認知症状が見え隠れし始めた頃から「帰らなきゃ」とダウンを着込んでリビングに登場し、私達を青ざめさせました。

帰れなくなった人が早く帰れますように





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