見出し画像

第3回 Herbie Mann/Memphis Underground

よく雑誌とかで特集される「無人島に持って行く一枚」「人に勧めたいアルバム」でアーティストや芸能人たちが影響を受けた音楽を紹介する記事が好きで、興味関心の引き出しを増やしてくれるきっかけにもなっていた。
今回のハービー・マンも同様で、確かファッション雑誌で好きなモデルが取り上げてたんだっけ。
新しい元号が発表され、桜が開花したばかりのころ、尊敬する上司と飲んだときにハービーマンが少し話題にもなったのでふと改めて掘りたい。

当初テナー・サックスを吹いていたそう。いつしか競争相手の少ない楽器のほうが出番は多いと考え、フルートにスイッチした世渡り上手なハービーマン。
「ナッシング・イズ・フォーエヴァー。永遠のものなんてなにもない」と様々なジャンルに触手を伸ばし、独自のスタイルを築きあげた。68年録音の本作は、いわゆるジャズ・ロック的な色彩の強い作品。当時のヒット曲などもソウルフルに演奏している。

編成:
Flute – Herbie Mann
Bass – Mike Leech, Tommy Cogbill
Drums – Gene Christman*
Electric Piano, Piano [Acoustic] – Bobby Wood
Guitar – Larry Coryell, Reggie Young, Sonny Sharrock
Organ – Bobby Emmons
Vibraphone – Roy Ayers

1. Memphis Underground
いきなりタイトル曲。重た目なリズム隊の音に対してハービーマンのフルートはいたって軽快。歪んだギターやヴァイブも中盤から参加して、穏やかなメロディに黒さを加える。

2.New Orleans
フルートが弾むようにメロディを刻み、それに引っ張られるように他の楽器が脇を固める。アウトロなくいきなりフェードアウト…終わり方が少し残念。

3.hold on,I'm comin'
ここでもフルートから始まり、少しずつテンポアップ。さぁ、エンジンかかってきた。ギターも負けずソロを弾きまくる。順にヴァイブへソロを渡してフルートに返して…ギター、ヴァイブも突っ走るジャズロック。

4.chain of fools
テンポも落ち着きクールダウン。10分越えの大作。一環にしてアルバムのトーンは変わらない。ベースとドラムは淡々とリズムをキープ。キングオブ「レアグルーヴ」とも言われるロイエアーズのヴァイヴも本領発揮。

5.Battle Hymn Of The Republic
最後はしっとりとスローテンポ、「俺のフルートを聴け」と言わんばかりにフルートが全体を仕切る。

総評:
フルートというJazzでは珍しい楽器。個性ある熱いグルーヴを持つアーティストが集まっても見事に調和がとれており、全体的に意外と聴きやすい仕上がり。DJで使うには少しパンチが足りない気がする、どちらかというとクールダウンや作業用BGM向きかな。Jazzの懐の深さを改めて思い知る。

↑ 半裸でフルートのリーダー。録音スタジオ?各小部屋で演奏してます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?