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2021年3月新刊|『世界ファッション・デザイナー名鑑』

「1月は往ぬる、2月は逃げる、3月は去る」ということわざがありますが、そんな韻を踏んだ粋なダジャレを唱えながら自分を落ち着かせなければならないほど、昔の人もこの時期は多忙だったのでしょうか。
それが現代にも変わらず継承されているなんて、人も社会もそうそう変わらないし、慣習は積み重ねの上になりたっ……てっ…

……

……

いえ、弁解はありません。
1、2月の記憶はすでに薄れ、3月は「えっ!えっ!?」と二度見している間に走り去っていたため、本日晴れて4月1日となりましたが先月末に発売された新刊をご紹介させていただきます。

だってこれ、結構すごい本なんです。
これ一冊でファッションの歴史を変えた75 名のレジェンドが一望できるんです。


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世界ファッション・デザイナー名鑑(2021年3月26日発売)




去年、『メンズウェア100年史』、『ウィメンズウェア100年史』と、“ファッション史の永久保存版”ともいえる2冊を復刊しました。

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左/『メンズウェア100年史』 右/『ウィメンズウェア100年史』

どちらも「1900年〜2000年代初頭までのファッションがどのように変遷し、どれだけ創意工夫を施されてきたか」を、詳細な解説と希少価値のある写真やスケッチを通して俯瞰できる本書。
ファッションとその歴史背景の全体像を捉えるのに役立つ教科書だと思います。
カバーは透明なプラスチック製、ジャケ買いしても損はしない代物。


そして、今回新たに復刊したのは、まさにファッション史を築き、業界を牽引してきた世界的ファッションデザイナー総勢75名を概観できる一冊です。


老舗「エルメス」の創始者から、新生「セリーヌ」のデザイナーまで

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「グッチ」創始者 グッチオ・グッチ(P36〜39)


ティエリー・エルメス、トーマス・バーバリー、グッチオ・グッチ、ココ・シャネルなど1800~1900 年代初頭に活躍した老舗ブランドの創始者から、川久保玲、マーク・ジェイコブス、エディ・スリマンなど世界に躍進し続ける現役デザイナーまで——

ファッション革新者たちの軌跡を一望に収めた本書では、各者の生い立ちやブランドの歴史、ターニングポイントをまとめた年表、製品へのこだわりやデザイン哲学が簡潔に紹介され、当時の広告や人気商品の写真270 枚以上を収録しています。


今年没後50 年、「ココ・シャネル」のデザイン哲学とは

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「シャネル」創始者 ココ・シャネル(ガブリエル・シャネル)(P40〜43)


表紙を飾るのは今年没後50 年を迎えた「シャネル」の創始者、ココ・シャネル。
本書では彼女についてこう記しています。

“革新的な考え方を持ちつつも古典主義を打ち出す先駆者として、ココ・シャネルは現代女性のリーダー的存在だった。ファッション界で初めての試みをいくつも行い、自らの直感に従って行動。中でも注目すべきは、白い肌が粋(シック)とされた当時に日焼けを提唱したことである。また、それまで下着にしか使われていなかったジャージー素材を、あえてイヴニングウエアに使用。女性らしさが求められた時代に、中世的なドレスを奨励した。シャネルが創り出した究極の女性用スーツは、2 つの世紀にまたがってもなお魅力は少しも損なわれていない。”
“ココ・シャネルの人生は、途方もない立身出世物語と言える。フランスの救貧院育ちの少女が、パリのリッツホテルに居を構え、貴族社会の中でも上層の人々と交わるまでに大躍進を遂げたのだ。そんなシャネルにしか言えない名言がある。「贅沢を貧乏の反対と思っている人がいるけれど、それは違う。贅沢とは下品の反対なのよ」“
“シャネルの顕著な特徴──節度のある華やかさ、慎ましさ、贅沢さ、優雅さの融合──は厳選されたデザインに集約されている。すなわち、“リトル・ブラック・ドレス”、ノーカラーのツイードスーツ、シンプルなシフトドレス、パリッとしたホワイトシャツだ。それらに、何連ものパール、カメリアの花、ゴールドチェーンのついたキルティングレザー・バッグのように、存在感のある小物を合わせるのが定番。シャネルのシグネチャーのこだわりは、主張しすぎないこと。何よりも、年齢を問わないのだ。シャネルいわく「エレガンスとは、ようやく青年期を過ぎたばかりの人たちの特権ではなく、すでに未来を手にしている人たちも身につけるべきものなの」。 “


山本寛斎氏が手掛けたあの衣装も紹介!
現在開催中の「ルイ・ヴィトン展」でも展示


2020 年7 月に惜しまれながら逝去した山本寛斎氏のページでは、寛斎氏が手掛けたデヴィッド・ボウイの衣装写真と解説も掲載。

また2021 年3 月19 日(金)より開催されているルイ・ヴィトンの大規模展覧会「LOUIS VUITTON &」にて、このステージ衣装が展示されています。


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LOUIS VUITTON &
日時:2021 年3 月19 日(金)〜5 月16 日(日)10:00-20:00(最終入場19:30)
場所:東京都渋谷区神宮前6-35-6 jing
*入場料無料
*要事前予約

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本書に収録されるファッションの歴史を変えた75 名のレジェンドたち

・ティエリー・エルメス(1801-1878)
・シャルル・フレデリック・ウォルト(1825-1895)
・トーマス・バーバリー(1835-1926)
・ジャンヌ・ランバン(1867-1946)
・マリアーノ・フォルチュニィ(1871-1949)
・マドレーヌ・ヴィオネ(1876-1975)
・ボール・ポワレ(1879-1944)
・グッチオ・グッチ(1881-1953)
・ココ・シャネル(1883-1971)
・エルザ・スキャパレリ(1890-1973)
・メインボッカー(1890-1976)
・クリストバル・バレンシアガ(1895-1972)
・サルヴァトーレ・フェラガモ(1898-1960)
・ノーマン・ノレル(1900-1972)
・ノーマン・ハートネル(1901-1979)
・マダム・グレ(1903-1993)
・クリスチャン・ディオール(1905-1957)
・クレア・マッカーデル(1905-1958)
・マリー・クヮント(b. 1934)
・チャールズ・ジェームズ(1906-1978)
・ロジェ・ヴィヴィエ(1907-1998)
・ジャック・ファット(1912-1954)
・ピエール・バルマン(1914-1982)
・エミリオ・プッチ(1914-1992)
・オッタヴィオ・ミッソーニ(1921-2013)&ロジータ(b.1931)
・ピエール・カルダン(1922-2020)
・ルディ・ガーンライヒ(1922-1985)
・アンドレ・クレージュ(1923-2016)
・ユベール・ド・ジバンシィ(1927-2018)
・ジェフリー・ビーン(1927-2004)
・ジーン・ミュアー(1928-1995)
・ソニア・リキエル(1930-2016)
・オスカー・デ・ラ・レンタ(1932-2014)
・ホルストン(1932-1990)
・ヴァレンティノ・ガラヴァーニ(b. 1932)
・エマニュエル・ウンガロ(1933-2019)
・ジョルジオ・アルマーニ(b. 1934)
・カール・ラガーフェルド(1935-2019)
・バーバラ・フラニッキ(b. 1936)
・イヴ・サンローラン(1936-2008)
・三宅一生(b. 1938)
・高田賢三(1939-2020)
・ラルフ・ローレン(b. 1939)
・アズディン・アライア(1940-2017)
・ヴィヴィアン・ウエストウッド(b. 1941)
・川久保玲(b. 1942)
・カルバン・クライン(b. 1942)
・オジー・クラーク(1942-1996)
・ジル・サンダー(b. 1943)
・トミー・ナッター(1943-1992)
・山本耀司(b. 1943)
・山本寛斎(1944-2020)
・ポール・スミス(b. 1946)
・ジャンニ・ヴェルサーチ(1946-1997)
・ダナ・キャラン(b. 1948)
・ティエリー・ミュグレー(b. 1948)
・クロード・モンタナ(b. 1949)
・ミウッチャ・プラダ(b. 1949)
・フランコ・モスキーノ(1950-1994)
・クリスチャン・ラクロワ(b. 1951)
・ジャン‐ポール・ゴルチエ(b. 1952)
・ヘルムート・ラング(b. 1956)
・スティーブン・ジョーンズ(b. 1957)
・マルタン・マルジェラ(b. 1957)
・ドリス・ヴァン・ノッテン(b. 1958)
・ドメニコ・ドルチェ(b. 1958)&ステファノ・ガッバーナ(b. 1962)
・ジョン・ガリアーノ(b. 1960)
・トム・フォード(b. 1961)
・渡辺淳弥(b. 1961)
・マーク・ジェイコブス(b. 1963)
・フィリップ・トレーシー(b. 1967)
・エディ・スリマン(b. 1968)
・アレキサンダー・マックイーン(1969-2010)
・フセイン・チャラヤン(b. 1970)
・ガレス・ピュー(b. 1981)


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「マリークヮント」創始者 マリー・クヮント(P152〜155)


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「アレキサンダー・マックイーン」創始者 アレキサンダー・マックイーン(P296〜299)


常に時代を先駆してきたファッションデザイナーたちの魅力と歴史を紐解く、デザイナー名鑑の決定版とも言える本書。
ファッションを学ぶ方、ファッション史家問わず、ファッションを愛する皆さまにお手にとっていただきたい一冊です。

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《書籍情報》
世界ファッション・デザイナー名鑑
著:リンダ・ワトソン
訳:河村めぐみ
発売日:2021 年3 月26 日(金)
定価:本体価格3,800 円(+税)
仕様:A5/並製/オールカラー
ページ:312 ページ
ISBN:978-4-908406-87-4
※本書は2015 年スペースシャワーブックス刊『世界ファッション・デザイナー名鑑 FASHION VISIONARIES』の復刊となります。
《著者情報》
リンダ・ワトソン

ノーサンブリア大学でファッション・デザインと歴史研究の学位を取得。本書に登場する3 人のファッション・レジェンド ―ヴィヴィアン・ウエストウッド、セリア・バートウェル、ジーン・ミュアーと仕事をした経験がある。かつてイギリス版『ヴォーグ』誌のファッション・ライターを務め、『インディペンデント』紙に寄稿していたこともある。著書に『ヴォーグ・ファッション100 年史』(スペースシャワーブックス)、『VOGUE ON ヴィヴィアン・ウエストウッド』(ガイアブックス)がある。ノーサンブリア大学でファッション学の准教授を務める。


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