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シベリアの永久凍土の線虫が甦ったと聞いて

シベリアの永久凍土で眠っていた線虫が46000年の時を経て甦ったというニュースを目にした。
 
これは……考える必要がある。
 
※『聖闘士星矢』のオタク話です。いつもにまして重症
※もちろんネタバレです

 ※「あっ興味ないわ」って方は↓↓うちのにゃんずでも見ていってください


天秤宮のフリージングコフィン、その意図

天蠍宮でミロが氷河に言ったこと。
「カミュがわざわざ天秤宮まででむいていっておまえを氷の棺にとじこめたのはおまえを死なせたくなかったからだ」
「たとえ仮死状態のままでも幾星霜ののちきっとよみがえる日もこよう…」(文庫版⑥p.174)(※以下、引用は『聖闘士星矢』文庫版より)
 
私これミロがカミュに夢見すぎてんじゃないか、と切って捨てていたのだ。
勝手に解釈しただけだろ、って。

しかし、である。
あのように微細な線虫が、4万年を超えて甦るならば。
氷河だって甦るかもしれない。
 
……と、カミュが考えた可能性
について、
つまりミロが実に正しくカミュを理解していたという可能性について、
一度検討する必要がある気がする。
(人はこれを「妄想」と呼ぶ)
 

悠久の時を超え甦りし線虫

線虫のニュース記事を開いてみる。

この線虫はこれまで知られていなかった種。今回の研究に関わった独マックスプランク分子細胞生物学遺伝学研究所の名誉教授によれば、線虫は「クリプトビオシス」と呼ばれる休眠状態にあり、シベリアの永久凍土の地下40メートルで生き延びていたという。
クリプトビオシス状態の生物は水や酸素が全くない環境に耐えることができ、高温や凍結、極端に塩分濃度が高い状態にも耐えられる。この間、生物は「死と生の間」にいるような状態で、代謝率は検出不可能な水準まで低下するという。

https://www.cnn.co.jp/fringe/35207168.html @cnn_co_jp

クリプト……ビオシス。
なんだろう、この「ミソペサメノス」的な響きは。
(※童虎のアレです。現象としても似ているな……)
 
我が愛用のジーニアス大英和(電子)を探ってみる。

cryptobiosis (冬眠中の動物などの)新陳代謝の停止状態。超低温下などでの陰蔽生活。(-biosis 生き方)

右側の方が 入試には出やすいよ!

すぐ上に、おもしろい語を見つけた。
cryobiosis  生体冷凍保存(未来の医学による再生を期待して生体を冷凍すること)
 
そうか、カミュがしたことはcryobiosisだったんだね!(?)
 

コフィンがタイムカプセルとして使われた場合

もちろんこの茶ぶどう、自説をただ単に曲げるようなことはしない。
自説を保存したまま別解釈を試みる。そういうことである。
(勝手にしろよ)
 
もし、氷河をフリージングコフィンに閉じ込めたあのとき、
いつか平和の世に甦ってくれ、とカミュが願っていたとしたら。
 
……やー、やっぱ病んでるな!
全方向的に!

 
天秤宮から先、ドSのミロ、切り裂き魔のシュラとかがいて(言い方)、
こいつらの毒牙にかけるにはしのびないと、なるべく五体を損なわずきれいなままタイムワープさせようと、そういうわけだ。

「たとえ黄金聖闘士数人の力をもって破壊しようとしても不可能なのだ」(⑤p. 169)
ここも別の意味を帯びてくる。
単にコフィンの強度の話ではないのだ。
お前をほかの黄金聖闘士の餌食にはしない。
そういうわけだ。ひえー
 
この盛大な内輪もめ+聖戦も終わってから氷河だけ解凍されるとして。
そのときカミュはいない。みんないない。
それでも、ここで死なせるよりはいいと!?
 
……いやいやいや! なんのために鍛えたん!?
戦えるように、じゃないの? ヤバい方向の愛だな!!

どうなんですか、子どもがいる方はわかるんでしょうかわが師の気持ちが!?
これもう師匠の愛じゃないよね、親の愛だよね!?
 
そうするとまたあの涙は……二度と生きては会えない、永遠の別れに対する……
さらには、お前がいつか甦ったときのために平和な世を作ろう、そのために戦おう、などということまでもしかしたら……
 
すごいなー暴走してるなー(お前の脳がな)

歪んだ愛情の根本にある(かもしれない)もの

この異常な愛というか執着はいったいなんなんだろう。
考えられるのは、このくだりでは影も形もないアイザックの消失が、
ただ一人残った弟子・氷河に対する師のほぼ病的なふるまいを引き起こした、という可能性。

『聖闘士星矢』本編には、カミュがアイザックを失ってどんな反応をしたかは一切描かれていないのだが、相当な精神的ダメージを負ったのでは、と推測する。
(前から言っているが私はテクスト論の立場に立っているため作者の意図ははなから度外視している)

この部分は『大氷原の小さな家』に反映してみたくもあり……
でも『大氷原~』はなるべく幸せ(?)な日常に時間を割きたくもあり……
つーか、私ごときの想像力では太刀打ちできない感じもあり……

( ↓↓「大氷原の小さな家」妄想(狂気の沙汰注意)↓↓)

 
氷の棺の氷河は、
氷海の底の船に閉じ込められたマーマと相似形でもある。
 
氷河はいつまでもマーマの元に花を捧げに潜っていくつもりだった。
カミュがそれをやめさせたのだ。
しかしカミュはもしや定期的に天秤宮まで氷河の「お参り」に来るつもりだったのでは……いやいやまさかそんなあばばばば
 
 
――妄想もそろそろおしまいにしよう(深呼吸)。
つらつら考えてみるに、
カミュがフリージングコフィンのタイムカプセル性をどのくらい意識したかは
A. 幾星霜ののちによみがえる日もこよう(狙っていた)
B. さらばだ永遠に眠れ(無意識)

 
このAとBの中間だというのが、私的には一番しっくり来る。
で、たぶんBに限りなく近い。
 
Aに近くしてしまうと何が変わるんだろう、と思って今回考えてみたが、
・われらが師の過保護度が40%アップ
・ミロカミュ度が20%アップ
……以上の結果と相成った。
 
 
悠久の時を経て甦ったシベリアの線虫も、
線虫を甦らせた研究者たちも、
自分たちのニュースを受けてこんな怪文書が世に放たれるとは夢想だにしなかっただろう。
さても面妖なことである。
 
万一、似たような連想をしたお仲間がいらしたら、エア握手をしたいのでコメント欄に足跡をお残しいただきたい。ぜひともぜひとも。
 


(↓↓ムウ様も大好きなんだよ↓↓)

(↓↓英語科教員だったから英単語の話も好きだよ↓↓)


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