見出し画像

28歳デザイナーが「人事」を組織の必修科目にしてほしいと思った理由

こんにちは。デザインマネジメントファームCOLOGUEで、デザインリサーチをしております藤井さとみです。今、私はCOLOGUEが所属する株式会社デジタル・アド・サービス(以後das.)の採用に関わっています。その一環で「人事の基礎」を学ぶ機会があり、それ以降自分の視野が大きく変わった実感がありました。デザイナーと書きましたが、デザイナー以外のキャリアを考える方にも発見があると思います。

人事を学ぶと、「組織の嫌なこと」の見え方が変わる

人事を学ぶ前、私は下記に、とてもネガティブな感情を持っていました。

・自社から誰かが退職してしまうこと(定年ではなく)
・組織変更によって、解体や異動、降格が起きること
・業務外の提案活動や学習活動

しかし、人事を学んでから、これらの取り組みは組織が「健全」であるためにとても重要な取り組みだと気づきました!
一時的には「嫌」なのですが、人事的な長い目で見ると組織と(自分の)ためになっていました。これらが嫌だ!と思う方はぜひ以下の書籍を読んでみてください。きっとあなたの見え方を変えてくれると思います。
ということで、今回は書籍から「私の視点が変わった」と思うポイントをピックアップしてお話したいと思います。

読んだ本


そもそも「人事」とは何か?

人事の機能は「採用、育成、配置、評価、報酬、代謝」の6つ

曽和利光、2018年「人事と採用のセオリー」ソシムより

人事は、人材が組織へ入ってから出るまでの一連の流れすべての機能を指します。そしてこれらの流れに一貫性を持たせることが大切です。
例えば、採用と育成がそれぞれ別の部門が担当していており、採用した人材が成果をあげられていないとしましょう。採用部門は「せっかく良い人材を採ったのに育成部門が成果をあげられていない」と考え、育成部門は「良い人材がいつまで経っても上がってこない」と考えるかもしれません。一貫性を持って採用と育成が動いていかないと、お互いがバラバラに最適化してしまうために、全体として成果を上げられないのです。


自分の視点が変わったポイント

「退社」は、組織において必ずしもバッドではない

人事を学ぶまで、私は自社から誰かが退職するたびドキドキして悲しい気持ちになっていました。しかし、人事を学ぶと「退社」は必ずしもバッドな結果ではないことが分かります。

採用と代謝は一つの流れで考える

曽和利光、2018年「人事と採用のセオリー」ソシムより

「採用」と「代謝(退社)」は相反する取り組みのように見えます。しかし、組織には理想的な人材比率があります。その比率をキープするためにどちらも会社の未来にとっては必要な機能なのです。

ある企業の理想的な人材フローが「毎年、5%が入社し、5%が退社する」であるとしましょう。では、その企業の構成員が「定年まで居続ける」人ばかりなら、どうなるでしょうか。退職率が5%を満たない水準で推移し続けた結果、どこかのタイミングでリストラが必要になるのです。

曽和利光、2018年「人事と採用のセオリー」ソシムより


よりバッドな未来を回避するために、代謝をコントロールする

理想的な人材比率が崩れていくと「大きな手術(リストラ)」が必要になります。これを回避するために、ターゲットとなる退職率を決め、ゆるやかに施策を売っていく必要があります。
社員のほとんどが定年までい続ける風土でかつ、退職率をあげる必要がある場合、例えば「ポータブルスキル開発」や「セカンドキャリア支援」は必要な施策です。長く会社にいる人にとっては「自分の業務に関係のない取り組み」として煙たがられるような取り組みですが、長く会社にいる人にこそ、これらは必要な取り組みなのです。


組織の流れが滞ると、組織も停滞する

濁った組織では、「多くの人が同じ部署に長くいて同じような仕事をしている」「上層部が長期にわたって同じメンバーで占められていて、変わり映えしない」「新しい人がほとんど入ってこない」のです。

曽和利光、2018年「人事と採用のセオリー」ソシムより

流れが停滞した組織は、社員から「やる気」を奪います。どんなに優秀な人でも、同じ仕事を何年も続けていればマンネリ化して成長が止まります。そして、その下で席を待つ人々も「そんなことなら自分にやらせて欲しい…」と努力が報われない状態になり、学習に対して無気力になっていきます。そのために必要なのが「配置」…つまり異動や昇格や降格によって、組織内部の流れをかきまぜるのです。
せっかく慣れたはずの部署からの「異動」、成果が出せなくて誰かが「降格」する…これは組織全体の「やる気」を保つために必要な取り組みなのです。


まとめ、組織に必要だ、頭では分かったけど…

「退社や異動、業務に関係ない学習」…これらは自分が属する組織が健全であるために必要な取り組みだと頭では分かっているものの、これが組織と個人に対して上手くいっていないことも現実にはあると思います。
だからといって、自分のいる組織の人事をあなたが変えることもきっと難しいでしょう。でも、人事を学んだからこそ、考えられる個人のキャリアがあると思います。

いつでも「代謝」できる人材であり続ける

組織に長く属すると、基本的にはその業務に対する専門性が上がり、活躍できるようになるでしょう。しかし、組織はその「専門性が高すぎる」人材が長く同じ場所にとどまり続けることを良しとしません。組織全体のやる気を保つためにあなたへ「配置(異動や昇格・降格)」や「代謝(退社)」を促してきます。そのとき、スムーズに配置・代謝できないことも現実としてあると思います。(例えば配置先で成果が出せなかったり、転職先探しが難航したり)

だからこそ、スムーズに配置・代謝先でも活躍できるように、私たちは常に準備しておく必要があります。「いつでも代謝できる人材」「社会に求められている人材」は何か、時折考えてみることが必要だと思いました。転職するつもりがなくても、求人票を見て、自分が仮に今転職するなら何が足りないのか考えてみるのも良いと思います。

以上、ちょっと長くなりましたが、人事を学ぶことで、皆様の視点が少しでも増えましたら幸いです!ここまで読んでくださりありがとうございました。

#note書き初め

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?