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冬になれない人たちへ

春、

妹が重力の学校を受けて

下向きに入学していった

カステラに座ったまま

見えなくなった

妹は甘いものが好きだ


夏、

デパートの床に

スーツを着たサラリーマンが

寝転んでいる

仰向けで背中を擦りながら

棚の下に入っていった

下半身だけ棚から出た

その愚かさが美しい


秋、

人々が紅葉に夢中になったころ

天狗がサンマを焼き出し

その時の天狗の視線は

炭に集中している

気にするな

だれもお前に興味はない

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