【詩】花
銀河に夢を描いていたころ、
ぼくは早く大人になりたがった。
絶望色のため息を吐いていたころ、
この世のすべてが憎らしかった。
ぼくのこころに花は咲かない。
春は来ない、街は夕焼け。
みんなこころにさまざまな花を咲かせると思っていた。
あの人はゆり、あの人はあじさい、ひまわり、あさがお。
ぼくのこころに花は咲かない。
夏は憂鬱の音がする、風は静かで無口だった。
13才のぼくは夢を見ていた。
カラフルな希望の種を手にしていた。
殺したのは、14才のぼくだった。
ぼくのこころに花は咲かない。
期待を踏み潰し、失望と手を繋いだ。
殺すのは簡単だった。
一瞬だった。
あっという間だった。
ぼくのこころに花は咲かない。
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