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小説|パラレルハウス|③お知らせ

眞子「今日、午前中から稽古あるから、帰るね♡♡またLINEする」

と眞子は朝早くに出ていった。
明はそのまま2度寝し、気づいたら10:30だった。今日の講義は午後からだし、久しぶりに大学の友達の浩司を昼メシに誘い、近くの定食屋に行くことにした。


浩司「ジャーン!!」
明「なんだよ、それ」

浩司は明に1枚の紙を自慢げに見せつけてきた。

浩司「ここ、、よく見ろよ!」
明「・・・内定通知書?!てことは、決まったのか?!」
浩司「そーゆーこと♪」
明「へぇー、良かったじゃん!おめでとう。」
浩司「お、ありがと!」
「で、お前は??どおなの、就活」
明「就活なー。まぁな。。。俺の話より、今日はお前の話聞かせろよ!せっかくだし、今日は内定祝いで昼メシ奢ってやるよ!」

2人はいつもの定食屋で話は盛り上がった。

浩司「いや〜、久しぶりのトンカツ定食、美味かった〜!ごちそうさま!」
「明は最近眞子ちゃんとはどおなの?」
明「あぁ、上手くいってるよ。あ、そういえば、、、」
と、明は昨日のパラレルハウスの話を浩司に話した。

浩司「・・・パラレルハウスかー、聞いた事あるような、、でも白い紙の話はどこかで聞いたの覚えてるぞ」
明「え?!マジで!」
浩司「うん。お知らせがくるって渡されるヤツだろ。俺もいつ誰に聞いたか忘れたけど、その紙のお知らせの方法は人それぞれ違うらしいぞ」
明「違うってどんな風に?」
浩司「文字が現れる人もいるし、、、光り始めるっていう人もいるとか、、、とにかく自分がお知らせかもしれないってピンときた時がタイミングらしいって、、、」
明「へぇ〜、、、ピンときたとき、、か」
浩司「あ、もうこんな時間!悪ぃ、今からバイトあるから、また飯でも行こーぜ!じゃあな」

浩司と別れて、明はオンライン講義を受けるために、いつも通ってるスタバに行った。

コロナで講義がオンラインになってから、明はスタバかマン喫で講義を受けるようになっていた。
スタバでは落ちつく窓際の席にいつも座るようにしていた。到着した時は満席だったが、なんとか1席空いたので、そこで講義を受けていた。


ちょうど1時間くらいたった頃だろうか、
いきなり1人の女子が話しかけてきた。

「久しぶり!ア・キ・ラ!!」
明「え、え!!!!な、なんだよ、誰かと思えば!!何してるんだよ、永美(えいみ)!」

永美「何してるって言いたいのはこっちだよぉ。元気?!」

明「いや、元気も何も、別れた元彼に気軽に声掛けてくんなよ」

永美「あ、そーだったっね笑ごめんごめん。。何?講義中?」

明「お、おぅ。」
永美「いつまでかかるの?」
明「あと30分くらいはかかるかな」
永美「そっか。なら私あっちで友達とお茶してるからさ、後でこっち来て。一緒にお茶しよ(-^〇^-)」
明「一緒にお茶しよって、、、、」

明の返事を待たずに、永美は友達との席に戻って行った。

永美は1年前に別れた彼女。当時はすごく好きで、いつも永美に合わせて行動していた。だから、突然「他に好きな人ができたから別れたい」って言われた時は、もうこの先の人生お先真っ暗のように感じるほど辛かった。

そんな辛辣な別れを乗り越えて、新しい彼女もでき、未来を真剣に考えていこうとしている最中に、なぜにまた元カノが突然現れるのかと少し不服な気分にもなった。

少し遠慮がちな眞子とは違い、永美はいつも勝気で、自分にとっての最高な男は言うことを全て聞いてくれる人と思っているタイプだ。

明は永美に話しかけられてから講義の内容が全く頭には入ってこなかった。

教授「はい、では来週までにレポート提出するようにしてください。」

(心の声)「うぁー、なんのレポートだよ(ꐦ ´͈ ᗨ `͈ )」
突然の元カノ登場で、感情の整理がつかない自分に余計に焦らされた。

明は講義が終わってからも、なかなか席が立てないでいた。ノートをまとめてるフリをしながら、頭の中は永美のことでいっぱいだ。

考えても頭の中は堂々巡りなので、ひとまずここは席を立ってトイレで落ち着くことにしよう。

トイレに向かおうとしている途中、案の定すかさず永美が声をかけてきた。

永美「明、こっちこっちー╰(*´︶`*)╯」
明「あぁ、ちょっとトイレ行ってくる」

とりあえずは逃げ切ったものの、このままトイレに籠る訳にもいかない。
どうしようかと悩みしばらくこもったが、覚悟を決めてトイレから出た。


明「・・・おまたせ(・_・ヾ」
永美「やっときたー!あ、この子は私の友達の恵巳(めぐみ)。メグって呼んであげて♡」
「メグ、さっき話してた元彼の明(アキラ)。」
明「あ、よろしく」
恵巳「どうも♡(*' ')*, ,)ペコリ」

恵巳は永美とは正反対なくらい、おとなしそうな子。なぜ2人が友達なのかわからないくらいだ。

しばらく3人で自己紹介しながら、他愛のない話をしていた。恵巳はバイトがあるとのことで先に帰ることになった。

永美「メグ、じゃあ、またLINEするね〜♡♡」
恵巳「うん(◍´꒳`)b」

恵巳は去っていき、明は永美と2人きりになった。
永美「メグはね、あーみえて結構活動家なんだよ。地下アイドル的なことしてて、ライブチャットでけっこう稼いでるみたい」
明「へぇー」
(永美とは正反対なキャラっぽかったから、共通点はなんだろうって思ってたけど、なるほどな。。(´-ω-`))

永美「ね、それよりさ、明は最近どおなの?(っ ॑꒳ ॑c)」
明「どおって何が?」
永美「決まってるじゃん、カノジョいるの?!」
明「決まってるじゃんって、、なんだよ母親みたいなこと言うなよ。。いるよ。。」
永美「へぇ〜そうなんだぁ♡♡」
「ね、どんな子?同じ学校??」
明「うるせーなぁ。そんなのなんで永美に話さなきゃなんねーんだよ!あ、もう俺もバイトあるし行くわ」

永美と2人きりになるといつも彼女のペースにされる。それが今は少し居心地悪く感じた。

明はとにかくその場を離れたかった。バイトまで少し時間があるから、一旦家に帰って着替えることにしようと咄嗟に決めた。

そして席を立ったその時だった、白いものがヒラヒラと落ちた。それは、パラレルハウスの黒服からもらった星型の紙だった。
「あれ!財布に入れてたはずなのに。。」


もしかして、、、、!!!

これがお知らせ?!!!!


つづく……

次の話→④モヤモヤする気持ち


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