CS LIMは、AIモデルを学習させ、アートを通して自身のアルゴリズムを探求し、想像力と独創性に富んだ見事な作品を生み出す韓国のAIメディアアーティストです。 

物理学と現代天文学に興味を持ち、AI開発者などの複数のキャリアを経て、現在はTezos NFTのエコシステム内の芸術家であるLim氏は、「現代物理学の多くの概念が共通して示すマルチバースという概念を表現しようと思っています」と述べました。
 
「AI開発者として画像作成を研究していたとき、マルチバースという概念をうまく視覚化する方法を見つけました。それ以来、これが私の作品のメインテーマとなり、様々な形で発展させようとしています。」
 
Lim氏がAIと出会ったのは、自律走行車の物体認識アルゴリズムを作る会社に所属していたときでした。歩行者、標識、先行車などを認識する必要がありました。ディープラーニングのアルゴリズムに魅力を感じたのは、本業の延長線上にある自然なことでした。
 
「そして、クリスティーズがAIを使った作品のオークションを開催するというニュースを見たとき、とても面白いと思いましたが、AIを使ってアートを作ることができるのかどうかは分かりませんでした。」
 
何よりも遊び心と自己満足から、Lim氏は伝統的な絵画を再解釈したAIを作り、遊び始めました。Lim氏は、初期の探究心がきっかけでフルタイムのアーティストになったことは、予想外の展開だったと話します。

機械ベースのアート（ただし、機械アーティストではない）

AIをプログラムする人とAIそのもの、どちらがアーティストなのか、というやや難解な疑問について、Lim氏は「人工知能（AI）は単なるツールであり、Photoshopの進化版のようなものだと思います」と言い切りました。
 
Photoshopのように、AIもアーティストの意思や意図に応じて、思い通りの結果を出すようにコントロールすることができます。しかし、その操作方法は既存のツールとは大きく異なるため、AIアーティストを目指す人は、その基本的な概念を理解する必要があります。
 
「今は魔法の杖のような素晴らしいツールを自由に使えるようになりましたが、その正しい使い方はまだわかっていません。」
 
Lim氏によると、こうした新しい機械ツールのパワーは、時にアーティストを混乱させるだけでなく、限界もあるそうです。
 
学習されたデータの偏りがAIの挙動を劇的に変化させ、結果に影響を与えることがあります。Lim氏は、最良の結果を得るためには、芸術的な試みのためのAIの設計者と使用者が同一人物でなければならないと主張しています。
 
「AIが創り出す世界を探索することは、時に夢のように感じられます。私はこの小さな宇宙を密かに探索し、私たちの現実世界と共有したいイメージを収集しています。」
 
私はAIの脳の中で記憶を特定の形に進化させる方法をいくつか開発し、それによってAIの「夢」を意図した方向へ動かしています。何年も見ていますが、いつも新しい体験のように神秘的です。 

TezosブロックチェーンでNFTを鋳造

Lim氏は、オリジナルのNFTアートを鋳造するためにTezosブロックチェーンを選んだのは、他のブロックチェーンと比較して比較的シンプルで効率的であるためだと話します。「以前はTezosのNFTインフラは不足しており、大きな利点はないと思っていましたが、今は状況が全く違います。TezosのNFTエコシステムは大きな成長を遂げ、成熟したコミュニティ文化を持っています。この相互に友好的なコミュニティが、TezosのNFTをさらに発展させるための栄養にもなると信じています。」

アジアのチャンス

Lim氏は、何百万人もの人々がまだ経済的に疎外されているアジアにとって、新しいNFT経済の台頭は、多くの人々に経済的な機会をもたらすと述べました。「先進国が作り上げたグローバルなエコシステムに参加するのが遅れたため、不平等な環境に置かれているのです。公平なゲームは、傾斜した運動場ではできません。」
 
「ブロックチェーンとNFT文化は、この傾斜した運動場のバランスを取り、将来にわたって公正な競争を保証するのに役立つという意味で、非常に有意義だと思います。」