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あきらめていく

あきらめる、という言葉には、

諦める
明らめる

の二つの漢字があることは知っていました。

個人的には“諦める”ということをネガティブには捉えていなくて、例えばある夢を諦めるとするなら、その時点から別の生き方を選ぶということ、ただそれだけでは?と、そういう気持ちでこれまで生きてきました。

ただ、そんな風に納得して別の道を選べるようになるまでに、よく考えるとか、よく調べるとか、どこかに足を運んでみたり、出会ってみたり、とことん挑戦し続けたり、とにかくいろんなことをします。

し尽くします。

そのうち自分の実力なり体力なり感性なり容姿なり、何かしらが足りていないことを痛感したりして、それを補っていくためのさらなる気力や覚悟があるのかと自分に確認したり。

何かを目指す過程そのものに満足していないかどうかも逐一確認です。

夢を叶えるとか目標を達成するって、そこまでの過程が美しく有意義であることは私にとっても真理なのだけど、そこに浸っているようではその先には行けないと知っているので。

叶える途中にいたいのか?
叶えた先に行きたいのか?

そういう自分とのやり取りを繰り返しながら、やりたいことをやっていく、夢を叶えていく、という生き方をずっとしてきました。

そうしていく中で、やりたい気持ちは溢れているのに、自分には出来ると信じたいのに、体や心が追いつかないということが数年前に突然起こり始めました。

戸惑いながらも、それでも工夫したらやれるはずだと、その時々のベストを尽くしていればきっとと、やはり走り続けました。

何かのせいにして諦めることは絶対にしたくなかった。

諦めるのは、自分が納得して別の道を選びたくなった時のみだと信じていたから。

そんな私のもとに、2023年もたくさんの素晴らしい出会いや新たな経験のチャンスがやってきてくれました。

体と心を何よりも大切にということを念頭に、いろんな工夫をしたり、制限をしたり、周りの方のお力もお借りしながら、ひとつひとつに真摯に向き合い挑戦していきました。

しかしこれが、やっぱり一筋縄にはいかないのですねぇ。

そのうち、いやいやそうは言ってもこれくらいは!とか、もうあと数週間だけがんばれば!とか、私だけ出来ないはずがない!とか、大きな声で自分を鼓舞しては、心と体の状態を見て見ぬふりをするようになり…

そういうことが美徳だった過去の自分は間違いなく存在しているので、そしてそんな自分だったからこそ出会えたものも余りに多いので、決して否定はしないです。

ただ、今の、そしてこれからの私にとっては、そこからの脱却が今年の課題だったのではないかと思っています。

無視したら無視した分だけ、心も体も悲鳴を上げるようになりました。

そうやって、これ以上は無理だよ!ということを私に訴え続けてくれるのです。

そうして初めて、自分の心と体を優先するために、かつては絶対にできなかったような決断を、自分に許すことが出来ました。

これは、諦めたのではなく、明らめたからこその別の選択。

自分の心と体の限界、本当にやりたいこと、守りたいもの、大切にしたいこと、幸せを感じること、優先したいもの、やりたくないもの、要らないもの…

ひとつひとつ、時に丁寧に見つめて、時に直感に従って、選び取ったり手放したりしていきました。

それはこれからも常に続いていくことです。

以前は出来ていたことが出来なくなるとか、他の人たちが普通に出来ていることが出来ないとか、なかなか受け入れるのが難しい現実もあります。

それでも、今の私にとって一番大切なものを明らめられたことで、諦められたものがたくさんあります。

歳と共に細胞は変わり、経験と共に思考は変わる。

どこかにとどまっていたり、同じ生き方をし続ける必要はないどころか、常に変わり続ける自分が求めるものだって、その瞬間ごとに変わったっておかしくない。

私はそれを大事に生きていきたい。

この文章を書くのにも、だいぶ日にちと時間がかかりました。

近頃は、私にとってはいたってシンプルなことなのですが、文章にしようとすると途端に複雑になるような、語れば語るほどうそくさくなるような、そんな気持ちになってしまって、記事を書いても下書きフォルダにしまってしまうことが多くなりました。

でも相変わらず、文字にしてどこかに羽ばたかせたい、という思いはずっとあるのです。

過去の記事を読むと、こんな風にあっけらかんと楽しく書けていた頃もあるのねと、その頃の自分のスタイルが羨ましくなったりもします。

でもこれもやはり仕方のないことです。

その時々の私の発見や想いやあれこれを、また来年もマイペースに書いていければと思います。

それが、noteという場所に対して今明らめたことです☺︎

記事数は少なかったですが、今年もお読みいただいた皆様、本当にありがとうございました!

あなたの存在があって、私は言葉を綴れます。

どうぞよいお年をお迎えください。

2023 12 31
小野村優

最後までお読みいただきありがとうございます!サポートしていただけた分は、【小野村さんの書き物】がより豊かに、面白くなるよう、大切に遣わせていただきます*