「嫌いなのに、ひかれてしまう自分が許せないんです！」

市川さんらしくなく、言葉が震えている。
ホストやホステスに騙されている方々を想像する内容だが、何があったのか？無音を壊せずにいると市川さんらしい気遣い

「急に言われても困りますよね。いや、元上司、あの病気の引き金ひいた平間から連絡があって、転職してパートナーになったと」

市川さんが元々所属していた外資系コンサルティング業界のことを簡単に説明すると、アナリスト、アソシエイト、プロジェクトマネージャー、パートナーと出世していく、金額としてはアナリストが450-700万円、アソシエイトが700-1200万円、プロジェクトマネージャーが1200-3000万円、パートナーが3000万円ー数億円というところで、パートナーとは、一般企業での取締役になったというものだ。

「そして、また、俺のところで働かないか？と連絡がありました。折角、ここまで治ってきたのに、自分を大切にするキャリアを築くと面談させて頂いて決めさせて頂いて、今、リハビリとして業務委託の仕事させて頂いているのに。。それが、楽しいのに。。平間、そのままでいいのか？って。。今の市川は休んでいるだけで、負け犬で終わらないだろ？って。。そしたら、突然、今の自分が負けた自分に思えて。。昔の自分を取り戻せるチャンスかと思ってしまって。。でも、嫌いで、固まってしまって。。」

市川さんは、もう泣き崩れている。間を壊すのがいいか、でも、この間が大切なような気がする。そう。うつ株式会社では、人材紹介や人材派遣として急に行くのでは、心配な方に対して雇用契約を交わし、うつ株式会社が業務委託として請け負った業務を実施してもらっている。もちろん、会社をやめたくなかったり、傷病手当てがあったりする場合はそちらを、優先するが、うつ病患者さんがお金の心配で早期に復職し、再発し、というループから逃れられなくなることを防止して、うつ株式会社がリスクをとってこのような形態をとっている。リスクをとっているが、元々はなかなか就職できないといわれている外資系コンサルティング会社等に勤めている方々、本人としては満足出来ていない出来でも、実績を作り上げ、顧客満足が高い。受注金額も報酬は、外資系コンサルティングのような高額には出来ていないが、治療促進になるように自己肯定感が高まるような顧客との距離をうまくプロデュースしている。これが、両者にばれないようにセットアップするのが、難しい。でも、この分、両者の絆が出来上がった時は、仕事していてよかったと感じる。たまに、その成果から直接転職にも至っていることもある。実は、今日の市川さんとの面談は、その業務委託が一段落して、相手の会社からもオファーを頂いていることを、伝えるのが目的なのだが。。
さて、市川さんに話を戻すと

「嫌いって言ってましたよね。。そう、嫌いなんだ。嫌なんだ。やはり平間さんとは働きたくないんだ。」

「ちょっと、大声出してもいいですか？」

突然の質問に「え。。えぇ。」思わず回答オーケー

「ひぃらぁまぁ、なんか大嫌いだぁ！ぬすっとやろぉー！」

とてつもない、大声で叫ばれてしまった。
後で周囲には謝ろう。。
なんて思っていると気がつくといつもの市川さんに戻っていて

「お陰さまですっきりしました。ありがとうございます。実は、あの電話がある前までは、今日の面談で言おうと思っていたことがあるんです。
私、折角医師の免許持っているので、医療に関わろうかと。。」

お、用意していた資料、オファーの話なんか出来なさそうなふん。。い。。き。。

「でも、保険診療は出来ないんですよ。卒業したら前期研修医として、研修しないと、医師として医療保険の診断は出来ないんです。それなのに、俺、ふっちゃけ、効率よく稼いでいる外資系コンサルティングってのに憧れちゃって、すぐに就職したんで、普通の医者出来ないんです。でも、それを逆手にとって、診断できないけど、うつ病のこと分かる。そして、一応コンサルティングできるんで、経営者のうつ病対策ビジネス出来ないかなぁって。。そんなこと考えていたら、うつ株式会社に似てる気がしてきて、今、正直、御社の職員として33時間働いていることにさせてもらって、雇用保険にも入らせてもらっているんで、そんなチーム立ち上げられないかと。。そして、担当してもらって、間空いたりしたけど、約三年間、一緒にやらせてもらったので、新入社員になられたので、一緒にチーム立ち上げないかと。。」

え！

自分の仕事って！？
市川さんの支援
市川さんはクライアント

でも、今のって。。。

( -_・)?？ん？今の。。

逆オファー！？